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なぜか惹かれる言葉のつくりかた

◯題名
なぜか惹かれる言葉のつくりかた

◯著者


能勢邦子 [anan]元編集長。『Hanako』『POPEYE』元編集長。2018年まで約30年間、マガジンハウスで雑誌や書籍の編集に携わり、話題作を次々に生み出す。

◯書籍の概要

「言葉」それはものづくりコンテンツとして真剣に向き合うものなんです。人は誰でも言葉を使い、話し、伝えます。誰でも使えるからと言ってとりあえずそれっぽいものを作ってはいませんでしょうか?

言葉を商品にしているプロは一文字に全力で向き合い、真剣に人に届けています。言葉を商品にしたいけど、言葉は既に知っているからマーケティングを覚えなきゃと思っている方が多いですが、本書ではものづくり視点が8、マーケティング発想が2が理想だと語っています。

「読まれる」「売れる」言葉になる道だということです。どんなに素晴らしいコンテンツも人に届かなければ意味がありません。バズという拡散を狙ったところでマスメディアの力が弱まりメガヒットが出にくい時代、これからは、コンテンツのファンを強固につなぐ言葉の方が必要ではないでしょうか

惹句(ジャック)という言葉をご存じでしょうか?
タイトルを補足しつつ、テーマの内容を説明する、リードと呼ばれる部分です。入口がタイトルしかなく、読者がその記事を選んでくれるかどうかはタイトルの言葉次第で、読むか読まないかが決まります。

惹句の「惹」という言葉は、書き手が惹きつけられ、それが伝わり、読者が惹きつけられ、双方が惹きつけられるという意味です。この惹句には書き手と読者の”想い”が通じる。惹句にはそんなパワーがあります。

この惹句を素人が作れるようになるのか。ここが疑問に思うポイントですよね。本書ではこの惹句は練習すればどんな人でも作れるようになる。と言ってくれています。その方法が詳しく載っています。

◯学びになった箇所

①売りの見つけかた思いつきを付箋に書き込む
まずは惹句を作る前段階、スタートダッシュをきると圧倒的にいいジャックが生まれるし、企画を出す直前に焦ることがありません。1秒でも早く1秒でも長く考えると圧倒的に有利です。

このスタートダッシュをきるコツは、できるだけ早い段階で、「〇〇の企画を考える時間」を1時間、スケジュールに組み込むこと。特に午前中がおすすめだと言われています。

テーマ、コンテンツについて、思いつくことや疑問を、ありったけ書き出します。付箋を使い、1つの付箋に1つずつ、次々に言葉を書きましょう。いいことも悪いことも単語でも文でもOKです。

②売りの見つけかた付箋をグループわけする

言葉を付箋に書き出すときに大切なことはネット検索をしないことです。検索すれば簡単に偏った意見に流されてしまいます。自分の考えを否定せず、疑問は疑問のまま書き出します。

書き出した付箋をグループごとに分けて名前をつけましょう。「見た印象」「使うシーン」などグループにすることで少しずつ”想い”のなかで”売り”になりそうなものが出てきます。この”売り”が差別化となります。

ここでのコツは「事実」を書いた付箋と、「感覚」を書いた付箋をつなげること。

③売りの見つけかた付箋に書いた疑問を調べる

ネットなしで徹底的に考える。
     ↓
ネット検索して情報を集める。
     ↓
体験をして”気づき”を加える。

最後に付箋に書いた疑問を徹底的に調べます。ネットを使い、現地への取材を重ねる。これを繰り返してようやく「企画」ができます。

言葉を扱うプロは毎日言葉を意識しながら過ごすことで差別化を測るポイントを手に入れているのだとか。

◯他の人におすすめしたい箇所

言葉づくりの反射神経を鍛える習慣

日常でできる言葉づくり練習として、何かにつけて自分なりのタイトルをつける方法です。例えば映画を見た後、キャッチコピーをつけてみます。初対面の人などにも印象をキャッチコピーでつけてみます。日頃から繰り返し行うことで意識せずとも自然とカケラが集まってきます。

◯どんな人におすすめか

言葉で人を惹きつけたい人

自分なりの言葉を発見したい人

どのようにして言葉を作っているのかわからない人

◯感想

言葉は誰でも使えると思っており、私自身喋れるからいけるっしょなんて軽い気持ちで始めたTwitterでしたが、まるで日本語がわかっていませんでした。言葉もまともに理解できていないのに、マーケティングを行うとは順番が逆だったんだなと本書を通じて理解しました。

紹介した方法以外にも具体的におすすめな方法が載っていますので、気になった方には是非とも読んでいただきたい1冊でした。


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