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いじめた側、いじめられた側、見ていた側、どれにも属さない人間はいないに等しい。

『いじめを本気でなくすには』著阿部泰尚

いじめがなくならないとあきらめてしまった大人。ではなく大人がいじめを作り出しているのだという理解を求められても事実無縁な世界だと足を踏み入れることはない。

いじめ探偵というコトバを知っているだろうか。

いじめとは学校や教育委員会が何かをしてくれるわけではない。奇跡的に証拠を掴むことで学校や教育委員会、警察に突き出してなんとか状況を整理することができる。証拠がなければ「いざこざだとおもっていた」「わが校でのいじめは確認できなかった」「証拠をもってきて」

と言われる始末だろう。

そんななか探偵は証拠を見つけるのが仕事だ。時代の変化から依頼のターゲットが子供になったという流れだ。

年々増していくいじめ相談に対し無料で行う「いじめ探偵」がいじめの実態を明らかにしていく。

昨今ネットでの書き込み、投稿をみて傍観者なのはいけないことと知りつつも自分がターゲットにされてしまうのは嫌だと思うのは当然だろう。

誰も助けてくれるわけではないので相談するケースが山のようにあるのだとか。

そんないじめと対することになるのは自分に子供がいるからという理由でなくてもいいだろう。

いじめのなくし方は特に説明されていない。いじめとはこういうものだ。という視点から書き込まれており、優秀な生徒かと思いきや闇が深いなどドラマやアニメの中のような子供たちが描かれている。

それはまぎれもなく大人の世界でも同じだろう。

”さかなくんが新聞掲載された内容のなかに「さかなも狭い水槽のなかではいじめをする個体があらわれる。広い海ではおこらないのに」といわれている。”

子供のいじめをなくす方法をひろゆき氏は「格闘技を習わせる」と語っていた。しかしいじめとはそんな単純な話ではない。加害者、傍観者にだってなりうるのだ。

いじめられている側の視点だけではなく、3者がいることをわすれてはいけない。

しかし本書も具体的にどうしたらいいのかを迫ることはできない。

つまり親が子供と向き合う必要があるのだ。

育児は男もやるものだ。これも今の大人ではあたりまえだが子供のころから大人が教え歩いたから広まったにすぎないのではないかと私は考えている。
つまり、いじめだけを取り上げるのではなく、親と子供との向き合い方を考えなくてはいけない。さらには大人の世界のいじめについてもクローズアップしなくてはいけないのではないかと感じさせる一冊だった。


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