#4 Uberドライバー Miloud
ベルリン空港から、珍しくちゃんと英語を喋るドライバーと出会う。
「俺はモロッコ人のオヤジと、トルコ人のお袋がいてね。珍しくないんだよ。その取り合わせ。お互いムスリムだしね。この二国間には、似たところがある。
俺は、ここで生まれ育って、ここで働いている。ドイツ人だよ。
ベルリンの良いところは、どんな出自でも、その人がどんな良いものを持っているか、ちゃんと見ようとするところ。この街のことを、俺たちドイツ人は、「鍋料理」と呼ぶんだよ。
ただね、最近は物騒になってきてる。去年あたりからかな。
嫁には、通勤用のクルマを買ったんだ。電車でついこの間までは通ってたんだけどね。
彼女もムスリムだから、ケープを被ってるのさ。そうすると、最近はドイツ人が、心ないこと言うんだよ。テロリストだとか。
ところで、おまえは日本人?
トルコでは、Yesを、そうそう。っていうんだよ。俺たちみんな、日本が大好きさ。」
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