英国の凄さ(2)
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英国の凄さ(2)

イギリス政府が進めている、コロナ禍において社会経済活動を両立させていくために行っている、実証実験。ERP(Event Research Programme)と呼ばれているのですが、これが非常に大規模に、大胆に行われています。

この実施結果についてのデータの公表と評価をイギリス政府がホームページで公表しているのですが、そのレポートが非常に興味深いです。

結論としては、4ヵ月にわたり行われた37の実証実験のイベント内および周辺で確認された感染者は、市中感染率と同じかそれ以下だった、と述べています。もちろん、会場内にて密集する箇所がある場合や、イベントの行き帰り、そして屋内で入り混じる場合など、一定程度の時間密になる場合には注意が必要だ、とも述べています。

事例としては、F1イギリスグランプリや、テニスのウィンブルドン選手権が取り上げられていました。それぞれ開催期間中35万人、30万人入場し、感染者は前者は585人(感染率0.16%)、後者は881人(感染率0.29%)で、いずれも当時の市中感染率(1.36~1.57%)よりも低い結果となりました。

一方、このレポートでは、同国内で行われ、イングランドが準優勝するという特別な大会となったサッカーの欧州選手権において、ステップ4という感染拡大局面で行われた上に、競技場だけでなく、その周りにファンが詰めかけた結果、競技場内外で合わせて5,699人もの感染者が出たことを挙げ、やはり再度気を引き締めて感染拡大防止に留意しながら運営すべきだ、と警鐘も鳴らしています。

このように、社会経済活動をできる限り行うことができるようにするため、大規模に実証実験をし、そこでしっかりとデータを取り、どのようなことに留意すればイベント等を感染拡大を抑えつつやっていけるのか、ということを模索している姿勢は、とても参考になります。

また、私が冷静だと思ったのが、イベントを開催した際に発生した感染者数の評価です。まず、当該イベントの場で感染してしまったのではなく、そのイベントに来る前から発症していた人を別に分けていることです。また、そのイベントで発生した感染者を入場者数で割った感染率を出し、それが市中感染率と比べて高いのか、低いのかを評価していることです。

日本の場合には、イベントを開いてクラスターが出てしまうと、すぐに主催者やそのイベントが行われた自治体に苦情がきます。なぜそのようなイベントを開いたのか、なぜそのようなイベントを開くことを放置したのか、など責められます。メディアもそれを煽るような方向で批評します。

しかし、ワクチン接種も進んできている今、もちろん変異等の状況や医療逼迫度合いを考慮しなくてはいけませんが、社会経済活動をできる限り行っていく試みは積極的に考えていくべきだと考えます。ゼロリスクではなく、リスクをコントロールする、そのためにデータもしっかり取るという、英国の取り組みに学ぶことは多いと思います。

英国政府のレポートはこちら↓

https://www.gov.uk/government/news/government-data-shows-mass-events-can-take-place-safely-but-fans-urged-to-remain-cautious-in-crowds-and-get-vaccinated

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1974年東京都目黒区生まれ。東京大学法学部卒業後、アクセンチュア株式会社、衆議院議員公設秘書等を経て、2008年熊本県政策調整参与、2012年、38歳で熊本県副知事に就任。2020年6月に退任。東京都知事選挙に出馬(4位、61万票)。現在、日本維新の会衆議院東京1区支部長。