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エネルギー料金高騰への対策

10月3日の所信表明演説において、岸田総理は物価高騰対策として、電気料金への思い切った対応を行うと表明しました。

偶然、昨日あるガス会社の方とお会いした際に、電気料金だけでなく、都市ガス料金もそれ以上に上がっているので、ぜひ対象に加えてほしいとのご要望をお聞きしました。

日本ガス協会によれば、2021年5月と2022年5月の価格を比較すると、家庭用の電気代が約120%上昇しているのに対し、ガス代は約122%上昇と、電気とガスは同等の価格高騰となっています。そして、産業用・工業用においては、電気代は約130%の上昇であるのに対して、ガス代は約168%の上昇となっており、より負担が重くなっています。

また、消費者物価指数の8月実績では、電気代が前年同月比で21.5%上昇していますが、都市ガス代は26.4%上昇しています。

政府・与党は補正予算に盛り込む経済対策として、物価高騰対策を充実させる考えですが、これまでのガソリン等の燃油元売りへの補助金のように、電気代にも同様の対策を行うと聞いています。

しかし、このようなやり方でよいものか、よく考える必要があると思うのです。

まず第一に、補助金を入れるという方法の有効性です。ガソリン等燃油への元売りに対して補助金を入れるやり方で、本当に末端の消費者の価格に反映させることができるのかという問題は、現在政府が行っている対策を導入する際にも国会でかなり議論されました。経営難に陥っているガソリンスタンドなどの小売店が補助金を吸収してしまう可能性もなしとはいえません。

この点、政府も努力して、補助金を入れた効果が消費者が購買する価格にしっかり反映された形になりましたが、電気代でも同じような効果を得られるかはわかりません。

石油元売りは数も片手で数えるよりも少なく、コントロールしやすいですが、電力の販売会社は数百もあり、また経営難の新電力会社もあることから、消費者段階での価格コントロールがうまくいくのかについては、より困難を伴うものになる可能性があります。

また、補助金を設計して配る手続きや業務量も大変なものになります。実際に措置した予算の相当な比率が事務費として使われることが繰り返されています。

第二に、ガソリン等燃油と、電気料金に支援が出て、なぜガスにないのか、という公平性の点です。たとえば、エネファームで自宅で電気を作っている世帯にとっては、電気料金に限った補助はあまり助けになりません。どのようなエネルギーを使っているかにかかわりのない、できる限り中立な支援を行うべきと考えます。

日本維新の会は、補助金を供給者に与える対策よりも、消費者の手元に自由に使えるお金を増やす支援策を指向しています。具体的には消費税減税や、非課税世帯への直接の給付金を交付すべきと考えます。

これから政府の物価高騰対策が明らかになっていきますが、簡素で公平で中立、かつ迅速で十分な対策となるのか、論戦を展開していければと思います。

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