臨時国会を終えて②(予算委員会質問)
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臨時国会を終えて②(予算委員会質問)

小野たいすけ official note

バタバタとしていて大晦日になってしまいましたが、臨時国会を終えての感想を今年最後の投稿として記します。

まず、国会初質問でNHKのTV中継入り、という大変名誉な機会をいただいたことを、足立康史政調会長はじめ先輩議員や同僚議員に対し、心から感謝しています。

そもそもこの機会をいただいたきっかけは、私が党経済環境規制改革部会の部会長を拝命し、政府の担当者を招いての補正予算説明会において、先端半導体工場の補助金事業に関して私が色々と質問をさせていただいたことでした。

6,170億円という巨額の予算で先端半導体製造工場建設を補助するというこれまでにはない施策は、賛否両論があります。しかし、半導体製造の力を再び日本がつけて、自動車や医療機器など、重要な製品のサプライチェーンを確保しようということ、そしてそこからさらなる最先端の半導体の設計、製造を国内で行えるようにしようとすることが今回の補正予算の狙いです。

半導体は、「産業のコメ」と言われ、ありとあらゆる製品に用いられているといっても過言ではありません。かつて1988年の時点では日本の半導体製造のシェアは50%を占めていましたが、最近では2019年の時点で10%まで落ち込んでしまいました。

民間企業の設備投資に対し、なぜ政府が巨額の補助金を出すのか、という批判は当然ありますが、世界の情勢を見てみると、各国ともなりふり構わず自国の半導体産業製造のテコ入れを行っています。

EUでは、今年3月に半導体を含むデジタル分野に今後2~3年で1,450億ユーロ(約19兆円)を投資する計画を公表しており、中国は、「中国製造2025」により、国家ICファンドを中心として、半導体に1,500億ドル(約15兆7500億円)の資金注入を計画。アメリカでは、業界が米国内への最先端工場新設のための立地補助金500億ドル(約5兆5,000億円)を要請し、バイデン大統領も同意し、議会に要請中という状況です。

今回の補正予算は、世界の半導体製造の競争に食らいつき、追いつくために必要な投資であると考えていますが、他国の本気度を見れば、1回限りでは足りないと言わざるをえません。金額や期間についても、もっと本腰を入れる必要があります。

新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、テレワークが促進され、また巣ごもり需要も急増して、パソコンやゲーム、そしてDX関連のニーズが高まったため、半導体製造が逼迫しました。また、景気回復局面では、自動車など半導体を多く使う製品にも注文が集まり、サプライチェーンが非常に脆弱になりました。国内で生産している半導体が非常に少なくなる中、今後の経済安全保障も非常に危惧されています。

今回の事業は、国内で先端半導体の製造ができるようにするための投資という側面の他、国内製造業の経済安全保障を確保することも重要な目的の一つです。

しかし、経済安全保障という意味では、国内にすでに立地している既存の半導体工場へのテコ入れも重要です。今回の質問ではこの点についても準備をしていたのですが、各大臣がかなり丁寧に答弁をされたため、私の考えていた通りの時間配分とはならず、割愛せざるをえませんでした。この投稿では、その点に関しても触れておきたいと思います。

国内の既存の半導体工場は、先端半導体レベルの微細な製品を作っているわけではありませんが、国内製造業のサプライチェーンを支えるという意味では重要な役割を担っています。実は、今回の補正予算では、これまで触れてきた6,170億円の先端半導体工場への補助金の他に、470億円の既存の半導体工場のサプライチェーン強化等のための補助金も用意されています。桁が違うので小さいと感じられるかもしれませんが、470億円というのもかなり思い切った予算です。

これらの製造施設は、老朽化によってかなりリスクが高くなっています。火災によって工場の操業が停止し、自動車の製造にも大きなブレーキをかけてしまったという出来事も起きています。それらの問題を国としても支援して解決し、サプライチェーンが途切れないようにすることも非常に大切です。補正予算の質問を準備している際に、国内半導体メーカーの方からもご意見を伺いましたが、現在わが国の産業を支えている事業者への支援も行ってほしい、そしてその補助金の使い勝手もよくしてほしいという要望をいただきました。

岸田総理に、質問の最後に半導体産業のテコ入れに関する決意をお聞きしましたが、「これが最後のチャンスだと思って取り組む」旨の答弁がありました。そのような意気込みで、政府にも本腰を入れて半導体に関する研究開発や製造拠点確保に取り組んでほしいと思いますし、民間側も含め、過去の反省を踏まえ、マーケットの状況に柔軟に対応したビジネスモデルを構築していただきたいと願っています。

最後に、時間が足りずに私が予算委員会の議場で述べたかったことを記します。

なぜ私が半導体産業が重要と考えているのか、それはデジタル社会になってコンピュータが情報を処理する世の中がどんどん進めば、その脳となり手足となる元となる細胞は半導体に他ならないから、ということは上記でも述べたとおりです。

それに加えて、私は熊本で12年間県政に携わり、うち8年間は、産業政策の担当として副知事をやってきましたが、九州でのシリコンアイランドの過去の取り組みが、いかに今でも付加価値が高く、給料もよく、多くの雇用を支えている産業となっているかを実感しているからです。

50数年前に三菱電機が九州で初めての半導体工場を熊本に進出させたのを皮切りに、細川知事時代の1984年には、国のテクノポリス法の指定も受け、「熊本テクノポリス構想」を策定して半導体の技術開発拠点の整備や企業集積を行ってきました。

熊本には、冒頭に触れたソニーセミコンダクタソリューションズなど半導体メーカーのほか、半導体を製造する装置メーカーや、製造する上で必要なサプライヤー企業が非常に多く集積しており、給与水準が高い会社も多数存在しています。

半世紀にわたる先人の政策が、我々の生活を豊かにしてくれている、こういう実感を私は熊本で得ました。今まさに、過去に先人が残してくれた仕事のように、これから先の50年を見据えて取り組んでいくことが、我々の使命だと思っています。

また来年も、日本が活力を取り戻すための政策や、わが国が抱えるさまざまな課題を乗り越えていくための施策に取り組んでいきたいと思います。

皆様もよい年をお迎えください。

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小野たいすけ official note
1974年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、アクセンチュア(株)等を経て、2008年熊本県政策調整参与、2012年、38歳で熊本県副知事に就任。2020年6月に退任、東京都知事選挙に出馬(61万票)。2021年10月の衆議院総選挙で日本維新の会から比例代表東京ブロックで当選。