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カキフライ丼

今回は池田満寿夫著『男の手料理』池田満寿夫著『男の手料理』(1989年初版、サンケイ新聞連載時期は1985年から1986年)に登場する料理を実際に作ってみようシリーズの番外編。先日記事にしたカキの天ぷら丼の回に、「岡山でカキ丼を食べたが、それには天ぷらでなくフライが使ってあった」との言及がある。先日カキフライを揚げた時に少し余ったので、池田満寿夫先生宣うところの「カツ丼の応用風」を作ってみることにした。名称はカキ丼だとちょっと判りにくいのでカキフライ丼とする。

カキフライ

カキフライはズルをせずにちゃんと作った。カキに小麦粉をまぶして、溶き卵にくぐらせて、パン粉を付けて、油で揚げた。なかなかの出来映えだと自分で思う。またぞろ例の自画自賛が登場であるが、ここ一年半ほど台所で調理を色々とやっていたので(大半が焼きそば試作ではあるけれど)腕前はかなり上がったと思う。それはともかく、カキの天ぷらは「ぐにゃっと」なったが、カキフライはしっかり揚げられた。みんながカキをフライにするのはそちらの方が相性の良い調理法だからなのだろう。自分で作ってみると納得することが沢山あるものだ。

タマネギを煮る

醤油味の出汁に砂糖で少し甘みを加えて、タマネギを煮る。長ネギでも良かったかとは思うが、それはまた別の機会に試すことにする。

カキフライを投入し、玉子とじにする

タマネギが好い具合に煮えたところでカキフライを投入し、玉子でとじる。このプロセスも難なくぱっぱと出来るようになった。余裕で写真などを撮っていたら玉子に少し火が通り過ぎてしまったのはご愛敬。出汁はもっとたっぷりでも良かったか。反省点は尽きることがない。

カキフライ丼

丼に御飯をよそい、カキフライの玉子とじを載せれば、カキフライ丼の完成である。御飯はよそうのかよそるのか、はたまた盛るのかつぐのか、日本全国で云い回しは色々とある。横浜ではよそうのとよそるのが混在していたと思う。そんなこともちょっと考えたがなかなかややこしい。

カキフライ丼

そう云えばカキフライ丼を作るのも、そしてこのタイプのを食べるのも生まれて初めてであると気が付いた。カキフライの衣のサクサク感をある程度減じてまで玉子とじにする意義が見いだせるであろうか。早速戴いてみる。

カキフライ丼

ウマウマウー。うっほっほ。こりゃウマイでありますよ。以前のカキの天ぷら丼より数段上の味わいであった。フライにすることでカキの旨味がしっかりキープされて、煮たりとじたりのプロセスを経ても動じない。タマネギとの相性もなかなか良いのではないかと思う。カツ丼の応用風、お見事である。食べ進むににつれ、もうワンパンチ欲しいと思ったので、ふと思い付いたコショウ(S&Bのテーブルコショー)をかけてみたらナイスマッチ。七味唐辛子や柚子胡椒も試してみたかったが、アッと云う間に食べちゃった。またいつか作ってみようかと思う。カキフライ丼ブラボー。

男の手料理

ここまでやってみて身も蓋もないことを云うようだが、揚げたてのカキフライにウスターソースを少しかけて、御飯と一緒に戴くのが最上級だ。カキフライをもっと上手に作るにはどうしたら良いかと考える。やはり何度も作ってみて経験を重ねるしかあるまい。ナニゴトモツミカサネ。今回は脱線せずにここまで。ああそうだ、岡山の友達にこのカキフライの玉子とじのカキ丼が今でもあるのかどうか訊いてみなくては。こうして色々と繋げて行くと何も完結しない。それでいいのか。未完の大器と云うのはあるが未完な上に小器だったらどうすれば良いのか。中器くらいにはなりたいものだ。結局脱線したか。まあいいか。

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