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焼きそばの果てしなき旅【その60】
昨年撮った膨大な写真データの整理などをしていたら、当たり前のことではあるが、昨年僕はどれだけの焼きそばを食べたのか、その物量の凄さに唖然とした。そりゃあ太るわけだ。とにかく自宅で色々作ってみた焼きそばの数量たるや、もう本当に数え切れない程であった。そして外食の焼きそばもかなり食べた。そりゃあ本にもなろうと云うものだ。その膨大な焼きそば体験の中で、2021年僕に最もインパクトを与えた焼きそばをピックアップしてみた。
まえじまの富士宮焼そば
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ナンバーワンは何と云っても静岡県富士宮市の『まえじま』の富士宮焼そばである。実際に富士宮を訪れてかなりの数の富士宮焼そばを戴いたが、ここの焼そばが僕に与えたインパクトは多大なるものだった。
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注文の度にこの鉄板で焼そばを作ってもらえる。お皿には盛らず、鉄板から直に戴くことになっている。
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具は豚肉、キャベツ、イカ。肉かす(ラードの絞り滓を乾燥させたもの)を細かく砕いたのを脂で炒め、具を入れ、麺を入れ、ソースをかけて出来上がり。ウマウマウー。基本の味は薄め。各自ソースを足しても良いが、僕には丁度良かった。とくかく麺(マルモ食品製)の独特な歯応えのある食感と、サラッとしたソースとのコントラストが素晴らしい。僕はこの『まえじま』で完全に富士宮焼そばの虜になった。そのハマり具合は過去の記事にて一目瞭然。自作焼きそばの半分以上はマルモの麺を使って作っているのではないかと思う。
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食べ始めて暫くすると生卵が投入される。あまり火の通り過ぎないうちに麺に絡めながら食べると至福だ。その場では飛び上がるような感動はなかったけれど、後に魂を鷲掴みにされているのが判った。僕の人生に起きた重大な出来事の一つだ。ミックス焼そばブラボー。また機会をみて伺います。
やなわらバーのワタガラス焼ソバ
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続いては東京は五反田の『やなわらバー』のワタガラス焼ソバ。2021年年末に食べたのだが、インパクトでは年間最高レベルであった。
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ワタガラスはカツオの内臓を塩辛にした酒盗。漬ける時に泡盛(沖縄のお酒)を使っているので風味も香りも強い。これを少し焼いて沖縄そばの麺に絡める。
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ウマウマウー。クセは独特で強いけれど、それが食べ進めるにつれたまらない魅力へと変貌していく。焼きそばの新しい局面。沖縄そばの麺の限りない可能性を感じる。僕の中でこのワタガラス焼ソバと『まえじま』の焼そばがナンバーワンを争ったがほぼ同着。素晴らしい出会いに感謝。ワタガラス焼ソバブラボー。
JR札幌駅構内KIOSKのお手軽焼そば
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静かなる3番手は、JR札幌駅構内のKIOSKで購入したお手軽焼そば。何と税込138円。おにぎりと一緒に買ったのだけれど、これが素晴らしかったのだ。
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麺が一定の方向を向くように盛り付けられている。見た目に美しいし、実際に食べ易くて一挙両得。その心意気が大変に気に入った。
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ウマウマウー。そして大変に美味しかったのだ。ソースが香り高く、麺もとても美味しい。この味がこの値段で戴けるとは。札幌に行ったら絶対にまた食べよう。お手軽焼そばブラボー。
焼そばランランの焼そばライス
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そして僕が焼きそばとご飯のことを深く考えるきっかけとなった札幌の『焼そばランラン』の焼そばライス。カレーライスのようにワンプレートとなっている衝撃。定食はあちこちにあるのを知っていたが、ワンプレートとは恐れ入った。
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焼いた魚肉ソーセージ(オプション)のインパクトも凄いけれど、やはりこの完結具合は類を見ない。僕は焼きそばとご飯は全く別次元のものとしていた人間なので(要するに焼きそばをおかずにご飯を食べる習慣がない)この結合には本当に度肝を抜かれた。
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ウマウマウー。僕にとってまだまだ悩ましい焼きそばとご飯の関係性。僕の旅に新しい方向性を示してくれたインパクトを忘れない。でもこれだと魚肉ソーセージがメインのおかずになりがちなので、次回はもっとストイックにオーダーしてみるつもりだ。焼そばライスブラボー。
木更津焼きそばのクリーム焼きそば
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お店の外観インパクトとして2021年ナンバーワン。僕の生涯でもトップクラスの偉容。千葉県木更津市の『木更津焼きそば』。廃業された銭湯をそのまま居抜きで使っておられる。ビックリした。
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店内は銭湯だった頃の雰囲気がそのまま残っている。女湯も見学自由。焼きそばの屋台が脱衣所に調理場としてあるようなレイアウト。メニューはバラエティー豊か。場所も焼きそばも遊び心いっぱいだ。
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普通のソース焼きそばにクリームソースとかホワイトソースのようなのがかかっているのを想像していたけれど、予想を遙かに上回る出来映え。コーンクリームのカップスープ粉末を使用。乾麺の中華麺を茹でたのを使うなど独自路線の宝庫。焼きそばテーマパークのようであった
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ウマウマウー。焼きそばは自由で構わない。そう心に響いた。お味は想像通り。カップスープのあの味だ。もちろんノーマルのソース焼きそばも美味しい。店内にはヴィンテージのアンプやギター(ほぼ懐かしき国産)などがいっぱい置いてあるのでいつか音楽と焼きそばの共演もここで果たしたい。クリーム焼きそばブラボー。
野口商店の焼そばミックス
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こちらも建物のインパクトがかなりある。京都西院の『野口商店』。昭和23年創業の老舗。ご高齢のご店主が一人でやっておられるディープなお店。こちらとの出会いも2021年の大きなトピックスであった。
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ミックスの具の内容はイカ、豚肉、牛肉。豚も牛も同居。どちらかだけのオーダーも可能。店内奥の鉄板で作られて、こうして皿に盛られて登場する。
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この焼そばミックスを見て、ゲゲゲの鬼太郎のワンシーンが頭に浮かんだ。鬼太郎とねずみ男が「苦戦だったなあ」「人生はどこまでも苦戦だよ」と云いながら立ち去っていくのは皿小僧との戦いの後であったか。ぺったらぺたらこである。これは本にも書いたか。
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ウマウマウー。これが想像したのよりも何倍も何十倍も美味しかったのだ。ソースの味わいの深み。麺のコンディションとマッチングの妙。豚肉も牛肉もみなこの一皿の中で綺麗に馴染んでいる。ごちゃごちゃしていない。シンプルで真っ当な味わい。コロッケさんのコンサートで、散々モノマネで笑わされた後に、しっとりとしたオリジナルの歌で見事に泣かされるような感覚。これからも京都に行ったら必ず立ち寄ろうと思う。焼そばミックスブラボー。
江洋軒の焼そば
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兵庫県明石市の『江洋軒』にも伺った。こちらも昭和23年創業。フードメニューは4種類のみ。そのうちの一つがこの焼そば。
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何ともオリエンタルでエキゾチックなルックス。シンプルなようでいて謎めいてもいる。
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ウマウマウー。オンリーワンの味わい。カラメルのような甘みを含む、濃厚なれど塩っぱくない仕上がり。ネギと鶏チャーシューの絶妙なサポート。世界中のここだけにしかない味。僕が求めているのはそう云うものだ。江洋軒の焼そばブラボー。
兆楽のルース焼きそば
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僕にとっては子供の頃から馴染みの深い東京渋谷だが、『兆楽 道玄坂店』に伺ったことはあまり覚えがない(宇田川町の方も)。ようやくこのルース焼きそばを知ることが出来た。まだまだ知らないことばかりの人生だ。
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ウマウマウー。こんなにウマイモノを僕は知らなかったのか。そのショックと云うかインパクトは大きかった。絶妙な味付けの餡が麺に絡んで史上最強の部類。様変わりの激しい渋谷の街にあって、僕がちゃんとコネクト出来るものを発見した喜び。これからもどうぞよろしくお願いします。ルース焼きそばブラボー。
バソキ屋の麺焼そば生卵入り
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福岡の『バソキ屋 那の川本店』にて戴いた焼きそばに新たな流れを感じた。九州の焼きそばと云えば『想夫恋』。こちらはその進化形。麺をしっかり焼き付けるスタイルは踏襲しつつ、ソースの味わいなどに違うアプローチと主張が感じられる。
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ウマウマウー。カリッとした部分ともっちりした部分が両立する麺。そこに野菜の食感や生卵のなめらかさが加わることで味わいが更にカラフルになる。全体をしっかりまとめるソースのプロデュース力に感服。福岡ではまた必ず訪れたい。それにしてもうどんもラーメンも食べたいので福岡では麺欲が爆発する。麺焼そば生卵入りブラボー。
焼そば革命
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最後に外食ではないけれど、ネーミングに最もインパクトがあったものを挙げる。焼そば革命。革命とはまた物々しい。それでも革命を名乗るだけのことはあったのです。
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埼玉県久喜市の土田物産株式会社のブランド「つむぎや」の冷凍ソース焼そば。最近の冷凍食品の充実ぶりは凄いと思うが、これはその最たるモノであると思う。
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ウマウマウー。これが何とも美味しいのだ。麺の食感も良いし、味付けも温和しめながらチョウドイイ。これが本当に電子レンジで加熱するだけで出来上がってしまうのだから、革命と名乗るのも頷けようと云うもの。冷凍庫に常備推奨。焼そば革命ブラボー。
ここまで書いてまだ紹介しきれなかった焼きそばもあるので(後で気が付いた)追って記事にすることにします。焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。
末永くがんばりますのでご支援よろしくお願い致します♫