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のり弁当

お弁当のことを色々と考えていたら、のり弁当を自分で作ってみようと思い立った。その時点でこれはかなり大変な作業量になることは予測出来た。それでもこのところ時間だけはあるので、チャレンジしてみたい。それではまずお手本を入手して解析してみよう。

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ほっともっとののり弁当、一番基本的なタイプ、330円税込。僕がまだ10代の頃、24時間営業の音楽練習スタジオでアルバイトをしていて、その近所にやはり24時間営業の弁当屋があって、夜中に買い出しに行ってのり弁当をよく買っていた。デラックスバージョンは海苔とご飯の間に辛子明太子が敷き詰めてあって、こんなにウマイモノが世の中にあるのかと夜中のスタジオで一人で大感激していたものだ。でも今回はスタンダードにする。贅沢は追い求めるとキリがない。

自作にあたっての作業内容を整理する

1. ちくわ天を作る 2. 白身魚フライを作る 3. キンピラゴボウを作る 4. 漬物を用意する 5. ご飯を炊く 6. 海苔を用意する 7. 弁当箱にまとめる

手順としては3.と4.は先に作っておく。ご飯も炊いておけばよろしい。さあ始めよう。

さあ、のり弁当を作ろう

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まずキンピラゴボウを作った。包丁仕事は苦手なのでこれは時間がかかった。細切り作業の後半で何となく要領は掴めた気がする。次回からの糧としたい。

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味付けは酒・砂糖・醤油でシンプルに。鷹の爪はほんの少し入れただけなのに辛さがビシッと来た。目分量で味付けした割にはなかなか上手く出来たのではないかと思う。ゴボウの旨味もニンジンの甘味もバッチリ。揚げものが失敗してもこのキンピラゴボウでご飯がいくらでも食べられるので、この先の作業への心構えがしっかりと整った。心安らかに作業を続けよう。

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漬物は自作とまでは行かなかったが、自分の好きなのを入れようと思い、岩下の新生姜を薄切りにして添えることにした。ここはパーフェクト。残った新生姜は天ぷらにした。岩下の新生姜の天ぷらウマウマウー。

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さあ揚げものだ。作業に没頭する余り、この辺りの写真は殆どない。ちくわ天(磯辺揚げにした)を揚げているときにハッと我に返ってこの写真だけ何とか撮ることが出来た。修行が足りないな。がんばります。

白身魚のフライを先に揚げる。タラの切り身を買ってきた。皮を剥いで、見本ののり弁にある白身魚フライの大きさを意識しながら切り分ける。切り身一切れを半分にするくらいでよかろう。作ろうと思った時から懸案事項であったフライと天ぷらを同一工程の中で揚げると云う問題点を考えた末に、フライを揚げる一般的な手順(小麦粉を付けて、溶き卵にくぐらせて、パン粉を付けて、揚げる)の前半二つを、「コツの要らない天ぷら粉」を溶いたものに潜らせると云う現代的アイディアを採用。これで一気に白身魚フライとちくわ天のそれぞれの存在が緊密になった気がする。これで白身魚フライは無事にクリア。

ちくわ天は、天ぷら粉溶液にあおさ海苔のあおさ粉を入れて、ちくわを潜らせて揚げればよろしい。ちくわは揚げているうちに膨らんでくるので、天ぷら粉溶液をちょっと濃いめにしてたっぷり纏わせた方が良いようだ。ちくわが膨らんでくると云う発見に、僕はなぜかワクワクしてしまった。料理の奥は深い。

白身魚フライもちくわ天も、焦らず騒がず、火加減を気にしながらゆっくり揚げる。揚げているときの泡が弾ける音を楽しむ。たまにやるからこんな悠長なことを云えるのだけど、そこはちょっと割り引いてください。ちなみにほぼ毎日数人分の夕食を作る生活もしていたこともある。毎日と云うのは本当に大変です。何を食べたいかとアンケートを取っても「何でも良い」と云われると本当に気持ちが行き詰まる。それで良かれと思って作ったものに「これじゃないのが良かった」と感想が来ると心が折れる。やれやれ。

それでは、のり弁当を食べよう

さあメンバーは揃った。それではステージへ。レディースアンドジェントルマン、プリーズウェルカム、僕ののり弁

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思った以上に素晴らしいルックスののり弁になった。弁当箱のサイズの関係でちくわ天を二つ置けなかったのが心残りではある。岩下の新生姜のピンク色がとてもステキ。岩下の新生姜を入れようと云う自分のアイディアを褒めようと思う。

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のり弁の新たなる問題点として、醤油をかけるのかソースをかけるのかと云うのがあるけれど、僕が若い頃に食べた真夜中ののり弁には醤油もソースも両方付いていた。今はどちらかしかくれないことが多いので悩む。ソースに心が決まるようになったのは、高松などのうどん店でのセルフで皿に取る天ぷらにソースをかけて食べている人が多いと気が付いた時に、自分のなかで天ぷらとソースの間にあった不等号が等号に変わったからだった。アジフライに醤油をかける方もおられる。自分の思い込みでこれはダメあれはダメとなっている事項がたくさんある。年齢を経るにつれてそのダメを減らして行きたい。放っておくとダメばかりが増えそうだ。やわらかいジジイになりたい。心しようと思う。

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心置きなく、ちくわ天に醤油を、白身魚フライにソースを、我らに自由を、のり弁当に祝福を。自分的に特筆すべきは白身魚フライが大変に美味しく出来たことだ。買ってきたタラのコンディションも良かったのだが、丁寧にじっくり揚げたことでタラ自体の旨味がしっかり昇華されていて、こんなにもウマイのかと瞠目した。今度はアジフライにも挑んでみよう。きっとウマかろう。

のり弁当の海苔とご飯の間におかかや昆布の佃煮を入れるかどうか、迷ったのだけれど今回は入れずに作ってみた。基本的にご飯に海苔とおかかなどがあれば、僕にとってはそれだけで成立してしまうものだからだ。買ってきたのり弁当はいつもその点で、僕にとってオーバースペックなのだ。今回の自作はこれが良かった。自分で気に入った。昆布の佃煮が恋しければ、どこかに添えておけばよろしい。自作のり弁当、作ってみて良かった。ウマウマウー。御馳走様でした。

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そして次の機会には、僕が幼稚園に持って行っていたのり弁当を作ってご紹介したい。おかずも何も入っていないヤツ。すぐに作れるけど、また今度。

末永くがんばりますのでご支援よろしくお願い致します♫