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冷凍食品のカルボナーラ

あまり優先順位の高い内容ではないのだけれど、忘れちゃうので書いておくことにする。スパゲティ・カルボナーラのことである。カルボナーラがいつから日本にあったのかと云うことは、いろいろ調べてみるともう1960年代にその名前はあったとのことである。一般的に知られるようになったのは1980年代半ばのバブル期の頃であろうか。バブルの恩恵を全く受けていない僕には知るよしもないのだが、イタ飯と云う言葉が出てきたのがその頃なのだと云うことである。前にちょっと書いたことがあるが、僕は若い頃にスパゲティのメニューが数十種類あるレストランの厨房で働いていたことがあった。入店して一週間でほぼ僕一人に厨房を任せると云う何とも無茶な雇用であったが、半年くらいは何とか務めていた。1980年代初頭のことで、メニューにはたらこスパゲティやクリームソーススパゲティはあったが、カルボナーラはなかった。その頃は僕はまだカルボナーラ自体を知らなかったかも知れない。世の中にカルボナーラが浸透して市民権を得ても、僕は玉子が嫌いだったので全く食べようとも思わなかった。初めて食べたのはいつだっただろうか。1990年代後半か、もしかしたら21世紀に入ってからかも知れない。それくらい自分の中では優先順位の高くないカルボナーラであった。そうしたわけで僕は実はカルボナーラの本当の味は判らないかも知れない。有名高級店で何度か食べたのは覚えているが、それが正解のカルボナーラだったのかも判らない。僕にとっては正体不明なのである。それなら自分で作ってみようかと思って、何度かトライしたのだが必ず失敗する。玉子がスクランブルエッグのようになるか、まとまらずに水っぽい仕上がりになるか、お好み焼きのように全てが一体化してしまうか、とにかくありとあらゆる失敗をした。YouTube動画で「これで絶対に失敗しない」と云うカルボナーラの作り方もその通りに忠実にやって失敗した。何をどう間違えたのかも判らない。僕にとってカルボナーラは鬼門のようなものである。

ふと考えた。コンビニで売っているカルボナーラが美味しければそれでも良いのではないか。最近のコンビニの商品はなかなかハイレベルである。もしかしたら自分が納得出来るカルボナーラがあるかも知れない。お弁当タイプではなく、冷凍食品のカルボナーラを狙ってみた。次々と食べてみたのでその印象を書く。

ファミリーマートのカルボナーラ

ファミリーマートにあったのは3種チーズと北海道産生クリームのカルボナーラ。電子レンジで数分加熱しただけで出来る。お手軽である。

ファミリーマートのカルボナーラ

出来上がり。容器が何とも素っ気ないが、お皿に盛って食べ終わったらお皿を洗う手間がないわけだからそこは問わない。早速イタダキマス。

ファミリーマートのカルボナーラを食らう

ウマウマウー。何だかとても美味しいそうに見える写真ではありませんか。いつも通りiPhone12 miniで撮っているだけなんですけど。自画自賛。お味の方は、チーズの味わいがなかなかに複雑である。濃厚で優しい味わい。なかなかやるな。

ファミリーマートのカルボナーラを食らう

ウマウマウー。全く個人的な好みの話であるが、旨味の在処が明確に「ここだ」と決められているように思えて、それがちょっと親切すぎるような感じがした。本格的な方面を見ている気がするが、もっとフレンドリーで構わない。そんな印象を持った。

ローソンのカルボナーラ

続いてはローソン生パスタカルボナーラである。外袋の中に容器があるので一手間かかる。そんな外袋云々でガタガタ云う筋合いもないのだが。

ローソンのカルボナーラ

出来上がり。ブロッコリーの緑が鮮やか。ソースが偏っているのでよく混ぜてからイタダキマス。

ローソンのカルボナーラを食らう

ウマウマウー。生パスタの食感がとても楽しい。これまた濃厚な味わいで黒胡椒がピリッと効いている。チーズよりは生クリームの風味の方を強く感じる。これも美味しそうな写真が撮れた。

ローソンのカルボナーラを食らう

ウマウマウー。とてもウマイとは思うが、僕が欲しているのは平打ちの生パスタではないのだ。スパゲティ・カルボナーラなのだ。ちなみにこの麺で食べるボロネーゼはウマかろうと思った。あるのかな(追記:どうやらミートソースはスパゲティのようだ)。

セブンイレブンのカルボナーラ

続いてはセブンイレブンチーズのコク深いカルボナーラである。ちなみにカルボナーラの意味は、玉子でもチーズでも生クリームでもなく「炭焼き職人風」とのことである。大事なのはグアンチャーレ(豚トロの塩漬け)やパンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)であって、炭焼きと云っても燻製の薫香のことでもないようである。日本ではベーコンをよく使うのでベーコンなのかと思いきやそうではないようである。又聞きの受け売りで失礼。やはり正体不明である。

セブンイレブンのカルボナーラ

出来上がり。ベーコンがいっぱい入っている。まあ日本式と云うことで良かろうかと。イタダキマス。

セブンイレブンのカルボナーラを食らう

ウマウマウー。ああ、何だか求めていたものに近い。チーズの味わいは濃厚であるが、あまり旨味の在処を指定される感じはしない。凡庸に思えてこれが本道なのかとも思う。安心出来る味わいである。

セブンイレブンのカルボナーラを食らう

ウマウマウー。黒胡椒も効いているが、程好い効き方だと思う。スパゲティもちゃんとスパゲティの味がする。そこはかなり重要ポイントだと思う。ほんの少しの味と香りの差。そこを大事にしているように思う。

セブンイレブンのカルボナーラを食らう

ウマウマウー。ネットで見るとこのプロダクツの評価は大きく分かれているように見えた。気に入った人、そうでない人、同じポイントが分岐点なのだが、それは僕が先に書いた凡庸さだと思う。それを良しとするか、しないか。人の好みは本当に判らない。自分のだってちゃんと把握していないのに人がどう思うかなんて全くお手上げである。それを敢えてこうして製品化して、多くの人に問うているのだから頭が下がる思いがする。いや、そう云う話ではない。僕の好みを探しているだけである。セブンイレブンのカルボナーラが今のところ一番好きである。

マ・マーの濃厚カルボナーラ

コンビニだけではなくスーパーマーケットにも行ってみた。見つけたのは日清製粉welnaマ・マー THE PASTA 濃厚カルボナーラである。他にも種類があったが濃厚とあったのでこれにした。これは内袋に入っているのを電子レンジで加熱して、お皿に盛らなければならないタイプ。後でお皿を洗う一手間があるがまあいいか。

マ・マーの濃厚カルボナーラ

加熱して袋からお皿にぺろっと出しただけだと全く美味しそうに見えない。ちゃんと整えることにする。

マ・マーの濃厚カルボナーラ

こうすればちゃんと美味しそうに見えるから不思議である。でも何だか殺風景にも思える。そう云うものなのか。

マ・マーの濃厚カルボナーラ

どうせならパセリでも振りかければ良かったか。いやパセリはいかんか。黒胡椒か。イタダキマス。

マ・マーの濃厚カルボナーラを食らう

ウマウマウー。これはなかなかフレンドリーな味である。万人向け。お子さんでも大丈夫なのではないか。でもこれもちょっと親切すぎるように思う。旨味はここで感じてほしいと指定してある感じ。決め打ちなのだ。親切で窮屈。そんなことを云うのは贅沢だろうか。

マ・マーの濃厚カルボナーラを食らう

ウマウマウー。スパゲティ自体はかなり美味しい。その良さを濃厚が少し損なっていないかとも思う。もうずっと文句ばっかり読んで辟易とされた方もおられるかと思う。申し訳ない。ああでもこれで僕の気分はちょっと晴れた。一旦カルボナーラのことは忘れよう。そしてまたナイスタイミングで美味しいカルボナーラに出会いたい。身勝手なことばっかり云ってるな。すみません。いつか自分でちゃんと作れたらまたお知らせします。カルボナーラブラボー。

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