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5ヶ月で500km弱走って65歳から25歳になった話 – 酸素飽和度 VO₂ max “47” の高い壁

Apple Watch を2015年から、Withings の体重計についてはそれ以前の2009年から、それぞれ買い替えを繰り返しながら今も使い続けていて、iPhoneのヘルスケア アプリには自身の体にまつわるデータがかなり蓄積されている。

昔はマラソン大会に参加したり、日頃の体のメンテナンスのために頻度高く走っていたのだが、年々走る量が減ってその習慣がプッツリと途絶えてしまったのがコロナ禍を迎えた2019年。たまに海にSUPで出たり徒歩で街中を散歩したりなどは変わらず続けていたものの、自分でも明らかに運動量が減ってきたことは認識をしていた。そんな2023年夏のある日、Withingsのアプリから突然届いた通知に驚くことになる。

「フィットネス・レベルが低下しており、今のあなたは65歳平均以下です」と。

哀しかったフィットネス・レベル 65歳ジジイ平均以下の判定。


65歳ジジイ以下!!?? 個人的には人間ドックでおかしな値が出てしまうよりもずっとショックなことだった。「同年代(45歳)の男性の5%よりも優れている、素晴らしい!」と辛うじてのフォローが逆にキツい。

アプリの説明に因れば運動を増やせば改善できるということであるし、コロナ禍も終わりかけていたことでもあるし、これをきっかけにまた手軽な運動であるランニングを再開する決心を固めた。


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Withings のフィットネス・レベル ≒ ヘルスケアの最大酸素摂取量 (VO₂ max)

まずはWithingsのアプリが言う「フィットネス・レベル」が、データ同期されている純正のヘルスケア アプリの何の値に相当するのだという点なのだが、両者を照らし合わせてみてほぼ「最大酸素摂取量 (VO₂ max)」に違いないことが分かった。

Withings では「フィットネス・レベル」とマイルドな表記になっているところ、ヘルスケアでは「心肺機能」とダイレクトな表現をされており、余計に傷を抉られた。

左: Withings アプリ / 右: ヘルスケア アプリ


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5ヶ月で500km弱、ひたすら走った

そうと決めてからは、

  • 土日は休日を満喫したいので、平日の作業の合間を見計らって可能なかぎり毎日走る。休みたければ休む。

  • 食事制限はしない。

  • 5km以上は走らない。

を自らに課すことにした。

過去のランニングの経験から、自分の場合には5kmを超えると走ることに飽きてしまい「タスク」として苦に感じてしまうことが分かっていたため、あくまでレクリエーションとして楽しめる距離にすることを頑なに守った。

また食事は自分にとって楽しみでしかないので、これを奪うこともしない。菓子やアイスも食べたければ自由に食べた日々。

これが功を奏したのか、この5ヶ月ほどは2日に1度以上のペースで走れている。9月と10月は特に頑張っていたように思う。12月と1月は年末年始の大型連休もあってややペースを落とし気味だが、今のところ走ることへの苦痛は無く、頭をスッキリさせるための楽しみと捉えられているのでこのまま続けていけるのではないか。

5ヶ月で484.18km。昨年の厳しい残暑のなか、汗をバケツでかぶったかのようなビッショビショのおぞましい姿になることも厭わずに。


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「65歳平均以下」から「25歳平均以上」へ回復

結果、最大酸素摂取量 (VO₂ max) は再開後の2ヶ月でグングンと上昇し、連動したWithingsのフィットネス・レベルは25歳平均以上と判定されるまでに回復した。

ヘルスケア アプリの最大酸素摂取量 (VO₂ max) グラフ
Withingsアプリのフィットネス・レベルの指針


同時に。体重が減りつつ、筋肉量と水分量は増加傾向にあるので良いサイクルに入った実感がある。 

筋肉量↗︎ • 体脂肪量↘︎ • 体重↘︎


ただし。

この最大酸素摂取量 (VO₂ max) の値、最初の2ヶ月の回復ぶりが良かったのでこのままいけば直ぐにプロバスケットボール選手(32歳)も射程に… などと甘く考えていたのだが、「47」を境にピタリと上昇傾向が止まってしまった。今のところヘルスケア アプリの指標では「平均より高い」と「高い」のレベルの間を彷徨っているような状態だ。

  • プロアスリートでも無い限り一般人が47を超えるのは難しいのか?

  • 運動量を増やせば更新できるのか?

  • 走るペースを上げれば更新できるのか?

  • 高低差の大きなコースを走れば更新できるのか?

など、考えだすと疑問が尽きない。マイルストーンや達成感にも繋がるため、さらに値が向上すれば良いなという気持ちはありつつも、正直なところ無理をしてまで上げたいとは思っていない。とりいそぎプロバスケ選手半端ねぇな…


無論これがカラダ年齢として100%正しいとは思っていないが、「運動をしなければ衰えるし、すれば体は変わる」をデータとしてこれだけ明確に示されると、やってメリットしかなかったと感じている。


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どうなるApple Watch

運動への動機づけとして今回大活躍してくれたのが Apple Watch の酸素飽和度 (VO₂ max) 取得機能だったわけだが、これが最近本国のアメリカで酸素飽和度含め血中酸素ウェルネスに関する機能がソフトウェア的に削除されてしまった。

本国のページからは血中酸素ウェルネス機能に関しての記述も既に無い。

上: Apple Japan / 下: Apple US


どうやらSeries 6で初めて血中酸素ウェルネス機能が搭載された当時から、医療技術企業マシモとの間で血中酸素濃度センサーの特許をめぐった紛争が勃発していたようだが、紆余曲折を経た結果Appleが敗訴し、そのままでは販売が出来なくなったことを受けての措置である。


この措置はこれからアメリカ国内で流通するApple Watchにのみ適用されるということだが、今後血中酸素の取得が出来なくなるとすると開発中とされる「血中糖度」の測定機能の進捗にまで影響が及ぶこととなってしまうため、Appleは大きな技術的選択を迫られているという。

果たして今年の Series 10 では世界レベルで血中酸素ウェルネス機能が削除されてしまうのか。センサーは載せた上で販売し、特許問題が解決され次第ソフトウェア的に開放されることになるのか。など、いま自分にとってモチベーションの糧ともなっている機能のため今後の展開がとても気になる。願わくば喧嘩はあまりユーザーに影響しないところでやってほしい…。


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