adidas SAMBA(アディダス サンバ)しか履かない人生
adidas SAMBAといえば数あるadidasのスニーカーのなかでも、創設者であるアドルフ・ダスラー自身が設計した最古かつ今も現役のモデルで歴史が深いモデルの一つだ。
初めてのSAMBAを購入したのがいつだったかは最早記憶に無いが、自分の稼いだ金で靴を購入するようになって以来、人生の多くの時代を通してシューズ・ラックに必ず1足は収まっていた程度には愛用している。自分のなかでブームはあるので、あるだけで全く履かない時期もあったが。
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あるときSAMBAを履いて出かけたときに、気がついてしまったのが事の発端である。ん?このスニーカーは、完璧に、絶対的に、疑いの余地のないほどに、俺の足にフィットしてしまっているのではないのか。と。
これまで様々なメーカーの、様々なモデルのスニーカーを履いてきたが、思い返してみるとSAMBAほど自分の足に馴染むものはなかった。adidas SAMBAのUS7 / 25.0cmサイズ。それは、自分の足型をとって制作されたのではと錯覚を覚えてしまうほどにピッタリと足に寄り添うのだ。
卸したてのSAMBAで靴擦れを起こすことも稀にはあるが、数回の「慣らし」運転をしただけでもう何ヶ月も履いてきたかのように馴染んでくるし、すると長時間履いていても足のどの部位にも痛みが出ることなく常に快適で居られた。
そして自分はあまりソールの厚くない所謂「ローテク」と呼ばれるスニーカーが、デザインのシンプルさやシルエットで好みでもあるし、SAMBAのガムソールは見かけによらずかなり耐久性があるのもポイントだ。
(もちろん個人の歩き方の癖による面もあるのだが)NIKEのスニーカーは利用する頻度に対しソールの摩耗の量が多いように思えるが、対してSAMBAのソールは4年経っても「履き潰した」と感じさせるような消耗はない。
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ほかにないほど自分の足にフィットし、デザインも好みで、耐久性もある。それならば、もうSAMBAでいいのではないか?
…と思って以来、ここ近年急速な断捨離をしながらSAMBAのバリエーションを増やしていったところ、しだいに数は増え、NIKEのランニングシューズ1足を除きついに自宅にあるスニーカーは全てSAMBAになった。ここが自分の性格の極端なところだなと思うのだが、本当にSAMBAだけ。
同じモデルばかりで飽きがこないのか、と問われても今のところそれは無い。
スニーカーのデザインは発売された時期、カラーのバリエーション、素材のバリエーションで大きく変わってくるものだし、例えばSAMBAであっても現行のSAMBA ADVとSAMBA Classicではディティールの部分では変わってくる。
一見して分かる大きな違いは、Classicのシュータンが長いことだが、それ以外にも
ロゴの大きさやフォントが違い刻印場所も異なる
Tソールと呼ばれる先端のパーツが大きめ
サイドや踵部分のクッションの厚みが大きい
幅がADVよりもやや広い作りになっており、「野暮ったい」ずんぐりとしたシルエット
など細かな違いがいくつもある。
オリジナルのSAMBAはサッカーシューズだが、スケーター向けに現代的にアップデートされたADVモデルは、全体的に細身で都会的な印象となりこちらの方が自分は好きなのだが、これが太めのパンツを履く際には上記の違いもあってClassicの方が収まりが良くなったりもする。
そうしたディティールの違いや自分にしか分からない履き分けの法則を見出していく過程が面白い。
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なにより「スニーカーを買う、ただしadidas SAMBAのみで。」という絶対条件・破ることのできない鉄の掟の下でスニーカーを選ぶというのはある種ゲーミフィケーションであり、やってみるとなかなか楽しいものなのだ。
そういう訳で。今後も誰かにお薦めすることもなく、自分だけの密かな嗜みとして「adidas SAMBAしか履かない人生」は続いていくと思うのだが、最近どうもリバイバルでSAMBAが再燃してしまっているようで、入手困難かつ高騰している状況が生まれてしまっているのが残念なところ。SAMBAなんて一昔前ならどこでも買えたのだが。
トレンドになればそのぶん新しいモデルが投入される機会も増えるので、集めている立場からすると喜ばしいことだが、まんまと転売屋どもの餌食となってしまい欲しいのに買えないという状況が続いてしまうのは悲しい。
間違っても転売屋からは買わないというルールもまた課していきたい。あいつら全員まとめてマンホールに落ちてしまわないかな。そんな愚痴を吐きながら、夜な夜なオンラインショップや発売情報をめぐりSAMBAの探求に身を投じる。
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