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【詩】 嘘あるいは消えない夢

真昼の静かな電車に乗って
もう七つめの駅に入る頃
さっきの部屋の残像が まだ
窓に映り込んで町を隠す

きっとその話はほんとうじゃない
だってほら縫い目がほつれてる
腕をさする手が冷えきってる
やさしい顔で笑ってる

  ガラス細工の人形の
  砕けた心に映り込む
  空 空 空
   低く飛ぶ大型船

    ガラス細工の人形の
    砕けた心をまだ染める
    空 空 空
     穏やかに帆を張る大型船



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