古くからの友人のようなものである。
彼に学ぶことの第一は、アフォーダンスの理論であることはもちろんだが、それだけではなく、目の前にある現実にどれだけ忠実になれるか、すなわち「理論」そのものからも自由になる方法である。
20年くらいの付き合いになるアフォーダンスとオートポイエーシス。
とっくに期限切れになっていてもおかしくないのに、いまなお関心を持ち続けられるのは、どちらも何かの知識や理論を、ただ現実に当てはめようとするものではなく、「目の前にある現実にどれだけ忠実になれるか」という姿勢に関する理論だからだと思う。
相手が現実という固定できないものが相手なので、そこで発見されるものはその都度異なり新鮮さを失わない。ある意味、万能で何でもありの姿勢である。
慣れてしまえば案外当たり前のことだったりするので、他の分野の本などを読んでいても、形を変えた似たような姿勢によく出会う。
「やぁ、また会いましたね。」
古くからの友人のようなものである。まだまだ長くお付き合いしたいと思っているし、すぐにさよなら、なんてことはないと思うけど、生意気な新人が現れて、なんだかんだの後に仲良くなり、旧友とはしばらく疎遠になる、というのも悪くないと思う。どこかにそんな人いないかな。
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