[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2023] オープン戦終了、いざ開幕へ

 オープン戦が終了。ハムは11勝6敗1分で、首位オリックスとゲーム差なしの2位でした。防御率は3位、打率は3位、本塁打は1位、盗塁数も1位、失策数も2位。得失点差も1位です。もちろんオープン戦の成績がレギュラーシーズンの成績に直結するわけではありませんが、監督の狙いは勝ち癖をつけて、その勢いのまま開幕スタートダッシュして突っ走ること。まずはその狙い通りの結果になっています。早くムチを入れすぎてシーズン後半に失速する懸念もありますが、そもそも最初から低空飛行なら失速も何もないわけで、まず最初が肝心です。

 投手陣はオープン戦後半に行くに従って尻上がりに調子を上げていて、うまい具合に開幕に合わせてピークに持っていくことができそう。昨年のハムの低迷の大きな要因は投手陣の不振でしたから、これは大きい。特にブルペンは、宮西が復調、玉井が昨年に引き続き安定していて、石川直也、田中正義、井口、北山、鈴木健矢、ロドリゲス、メネス、新人宮内がまずまず好調で、昨年よりもはるかに充実しています。先発は加藤、伊藤、ポンセ、上沢に加え新人金村が5本柱を形成、残り1枠をガントや上原、根本らが争うことになりそうですが、昨年より層が厚くなり安定度も増している。もちろん長いシーズン、先行きどうなるかは不透明ですが、投手陣が安定していれば戦いも安定するもの。運用さえ間違えなければ期待できそうです。建山コーチのお手並み拝見ですね。

 いっぽう打線のほうは、打ちまくっていたキャンプ〜オープン戦前半に比べ、他球団の主力が調子を上げてきたオープン戦後半には湿りがちでした。打ちまくっていた新人矢澤や奈良間はプロの壁に苦しんでいます。オープン戦で好調だったのは五十幡、石井、松本で、打率がいずれも3割を超えており、この3人がそのまま1〜3番を形成しそうですね。新庄監督は五十幡と松本をキーマンに挙げているようですが、問題は松本のあとを打つ4〜6番。ポイントゲッターとしての役割を期待されるのは野村、清宮、万波あたりです。清宮と万波はHRは出ているものの打率は相変わらず低く確実性はまだ期待できない。野村は打率1割台と低迷し、守備も再三のエラーで攻守ともに不安定、一向に調子が上がってこない。2軍で再調整すべきという声も高まっていますが、新庄監督の信頼は揺るがないようで、4番サードでスタメン出場はほぼ確実な状況。監督は外野守備に関しては神経質なほどうるさいのに内野守備に無頓着なのは不思議ですが、拙守でチームの足を引っ張るのはチャンスで凡退するよりもダメージが大きい。なんとか開幕までに調子を上げてほしいもの。上川畑は徐々に調子を上げていて、シーズンに入っても.270前後は期待できそう。

 ほかにオープン戦打率が3割を超えているのは今川と清水、アルカンタラなどですが、今川は守備と走塁でミスが多く、新庄監督の評価は低い模様。清水もリード面の評価が低く、あまり信頼されてる感じはないですね。せいぜいアルカンタラがスタメンで出られるかどうか、というところ。中日から来たアリエル・マルチネスが捕手での起用かDHか注目されますが、オープン戦の出場も少なく、まだ掴めません。宇佐見も伏見も打撃の調子が上がってこないので、開幕スタメン捕手は守備と投手(加藤)との相性が重視されると思われます。山田コーチの胸三寸次第でしょう。

 そして一番の懸念材料は新庄采配です。自分が試合を動かしたい、自分が主役として脚光を浴びたいという欲望が強すぎて、TPOなどお構いなしの奇策の連続が昨年のチーム低迷の大きな要因となったのは間違いないところ。オープン戦を見ても相手ベンチにすっかり見抜かれていて、お得意の奇策・奇襲のサインプレーはことごとく外されています。シーズンに入ってどんな采配を見せるか。選手を信頼してオーソドックスな采配に徹することができるか。奇策・奇襲はたまにやるからこそ効果的、という当たり前のことをどれだけ自覚しているか。

 総じて投打とも昨年よりは良い状態のよう見えるし、監督の采配さえマトモなら、昨年のダントツ最下位から、5位争いができるぐらいには戦えそうな気がします。それ以上、つまりAクラスを目指すためには清宮など若手数人の大ブレイクが必須ですが、今のところは期待半分・不安半分というところ。すべてがうまく噛み合って、オールスターまでに5割台を死守していれば、実り多き秋が待っているかもしれません。楽しみです。

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