[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2023] 3/30 開幕戦:変わり映えのない新庄采配

 新球場開幕戦は、スコアの上では僅差の惜敗ですが、内容的には完敗と言っていいでしょう。新球場で日本中から注目を集める中、たった1カードだけの開幕戦。なんとしても勝たねばならないと選手も指揮官も肩に力が入りまくったんじゃないでしょうか。たった3安打では勝てるはずもありませんが、気になったのはスタメンです。

 1番に松本、2番に上川畑、3番に石井を置き、9番に五十幡という打線。キャンプ中以降の実戦で一度も試していない打順を、いきなり大事な開幕戦で配したわけです。オープン戦は1番に五十幡、3番に松本で、上川畑は6番か7番ぐらい。2番は石井だったり今川だったり万波だったり、9番は石井だったり江越だったり矢澤だったり。それを本番でいきなり変えてきた。どっちの打順がいいかはいろいろ意見があるでしょう。しかしオープン戦でずっと1番五十幡3番松本6番上川畑でずっと通してきて、今年はこの打順でいくと誰もが思ったはずだし、選手も自分の役割を自覚してそれにふさわしいプレイを、と意識して調整していたはず。そのためにオープン戦は打順を固定してきたんじゃないのか。それがいきなり変わった。1番と3番では、2番と6番では、9番と1番ではまるで役割が違う。いったい何のためのオープン戦での戦いだったのか。その経験がまったく活かされないまままた目新しいことを選手はやらされている。

 去年のハム打線は144試合すべて打順が違うという究極の猫の目打線。単に話題性を求めて無理に変えていた疑いが濃厚ですが、それでも2023年シーズンにはしっかり固定して戦うために、それぞれの適性や能力や繋がりを試していた、という建前があったはず。実際監督は、見極めが終わった今年はガチガチにスタメン・打順を固めて戦う、と宣言していたはずです。それをいきなり開幕1試合目で早くも変えてきた。しかもスタメンを決めたのは試合開始の2時間前だというんですから、選手は直前まで心の準備ができなかったことになる。なんだか新シーズンになっても監督の戦いぶりは変わらないなあ、というのが率直な感想です。

 打順をしっかり固定することで選手は自分の役割を自覚して落ち着いてプレイするようになる。そうして腰を据えて戦ってほしいから、監督はスタメン・打順の固定化を宣言したんじゃないのか。それが開幕1試合目からこれじゃ、先が思いやられます。おそらく新庄監督の性格から、開幕戦の打線が機能しなかったことから、2戦目以降はさっそくスタメンや打順を変えてくる可能性大です。1番松本2番上川畑3番石井9番五十幡でこのまましばらく固定するならまだしも、もし2戦目で早くも変えてしまっては、結局去年の繰り返し。結果が出ないと少しも我慢ができず、コロコロと変えてしまう。もちろん選手の調子や状態、相手投手などを見て臨機応変に対応するのは当然ですし、オープン戦を戦ってこの打線ではダメだと思ったのかもしれませんが、少しは選手を信用して落ち着いて戦ったらどうでしょう。監督の発言を見ていると、何がなんでも勝って開幕ダッシュを決める、という思いが強すぎて、144試合の長丁場だということを忘れているかのよう。それがコーチにも選手にも伝染して、プレイが硬直している。結果が出ないからまたスタメンをいじって……なんて悪循環を繰り返し、結局最下位から浮上できず……なんてこともありえます。

 とにかく指揮官自身が気持ちを切り替え、早いこと落ち着いて戦う気持ち・態勢になることを願うしかありません。


よろしければサポートをしていただければ、今後の励みになります。よろしくお願いします。