[野球] ここまでのファイターズの戦いについて。

 野球ネタではご無沙汰しておりました。ここのところ忙しく、きちんと試合を見られていないんですが、交流戦は勝ったり負けたりの一進一退で、もやもやしますね。上にいるホークスとマリーンズ、すぐ下にいるライオンズが交流戦で貯金を稼いでいるだけに、上からは離され、下からは追い上げられという状態。いつのまにかホークスとは10ゲームも離されてしまいました。3連戦のカードの頭を落とすことが多く、勢いに乗れない。大谷はようやく調子を上げてきたものの、有原がここにきて3連敗(昨日は勝ちましたが)、吉川もあのテイタラクで、メンドーサやバースも含め先発が安定しないのも痛い。

 さて、数字からここまでのファイターズの戦いぶりを見てみましょう。

63試合33勝29敗1分(3位) 
得点 280 (3位)
失点 225 (3位)
得失点差 +55 (2位)

 得失点差がホークスに次ぐ2位なのに順位はマリーンズから2.5ゲーム離された3位。マリーンズの方が試合運びがうまく、効率よく勝てる戦いをやっているとわかります。それを裏付けるのが次の数字。

1点差ゲーム 8勝15敗

 一目瞭然で接戦に弱い。2点差ゲームが7勝5敗で、2点差以下の接戦では15勝20敗です。勝つ時は大勝、負ける時は接戦とは弱いチームの証拠ですが、まさにファイターズは「弱いチーム」の典型ですね。過去に優勝したときはこの数字が逆になる。この競り合いに弱い、勝負弱い、戦い方がヘタクソな原因が指揮官の采配にあるか選手のプレーにあるのかその両方なのかわかりませんが、今季優勝を目指すなら(可能性は限りなく低いでしょうが)、ここを対処する必要がある。

 戦い方の効率が悪いのは以下の数字にも表れています。

本塁打 59 (2位)
盗塁 50 (1位)
打率 .267 (1位)
防御率 3.35 (2位)

 これも一目瞭然ですね。打撃・投手の主要部門ですべて1〜2位を占めているのに、チーム順位は3位。打撃3部門のうち2部門で首位、1部門で僅差の2位なのに、ホークスにもマリーンズにも得点は負けている。

 いかに点をとるのがヘタか。そしてその得点をうまく勝利に結びつけられていない。勝敗にはあまり関係のない無駄な大量得点で得点数を稼いでも、それは見かけだけの数字です。

 次にチーム別対戦成績を見てみましょう。括弧内は一点差ゲームの勝敗。

ホークス 5勝5敗1分(2勝4敗)
マリーンズ 4勝7敗 (1勝3敗)
ライオンズ 6勝5敗(3勝0敗)
バファローズ 4勝3敗(0勝2敗)
イーグルズ 7勝3敗(1勝2敗)

 ホークスとは互角に戦っているのに、マリーンズに弱い。そして下位のライオンズやバファローズ相手に互角の戦いを強いられている。優勝の条件は下位を徹底的に叩いてお客さんを作ることですから、後半戦に試合がたくさん残ってるバファロース相手に大きく勝ち越し、そのうえでマリーンズとの成績を五分以上に戻さないと、優勝はおろかAクラスも厳しくなってくる。ライオンズ以外の全チームに接戦を落としまくっているのもいやな感じ。

 投手部門では先発もそうですが、ブルペンの不安定さが足を引っ張っています。抑えの増井がセーブ数で他5球団のクローザー全員に後塵を拝しての6位とは情けない。もちろんチーム全体としてもセーブ数はリーグ最低。終盤の勝ち継投が不安定で計算できないから、当然接戦に弱くなる。ホールド数ではマーティン、宮西、谷元がリーグ2~4位を占めてますが、数字ほど安定していないのは試合を見ているファンならよく知っています。特に谷元。いつだったか、ホークス戦で逃げ腰の投球で四球でランナーをため痛打された試合が今季の谷元を象徴しています。また白村や鍵谷、あるいは浦野、中村、上沢といいったあたりが故障などさざまな理由で伸び悩み、しわ寄せがほかの選手にきていて、特に特定の中継ぎの酷使がシーズン大詰めになって影響を及ぼしそう。もっとも、この点に関しては、現時点でもムチを入れてホークスを全力で追っかけないとどんどん離されて追いつけなくなる、という栗山監督の言い分もわからなくはありません。それでも既に10ゲームも離され、近々のホークスのマジックナンバー点灯の可能性が云々されているわけですが・・・。

 打つほうでは、シーズン開幕当初絶不調で足を引っ張りまくっていた中田と西川がここにきてようやく調子を上げてきている(とはいってもまだまだ物足りないですが)。レアードは絶不調だった去年の同時期に比べれば、細かい波はあるものの、はるかに調子がいい。賢介も、去年ケガで使い物にならなかった陽もいいし、打撃改造した大野も悪くない。中島も相変わらず頑張っている。その結果がチーム打撃3部門の好調ですが、それでも物足りない感じが否めないのは、若手の成長があまり見られないから。谷口はあれだけチャンスをもらっているのにそれをモノにしきれてないし、淺間もプロ2年目の壁に当たっている感じ。近藤は打者1本でいくのか捕手に戻すのか首脳陣の方針がはっきりせず、打撃も精彩を欠いています。岡や慎吾はファームからあがってくる気配すらない。レギュラーと控えの力量差が大きすぎて、接戦になって代打や代走で選手が替わるとがたりと戦力が落ちる。城所あたりが打ちまくり、控えの若手も結果を出しているホークスとはえらい違いです。

 いつかこの欄で、ホークスに勝つためには、投打ともレギュラー全員がキャリハイに近い数字を残し、なおかつ若手の大幅な底上げがないと無理、と書きました。これからの頑張り次第ですが、そうした個々の選手の見かけだけの数字では勝てないのも事実。現実的にホークスを逆転して優勝するのは難しくても、チームとしていかにホークスと互角に戦い苦手意識を払拭して、CSでの戦いを有利に進めるか。これからが勝負です。

 

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