[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2024]6年ぶりCS進出決定

 ここではご無沙汰しておりました。前回の更新は7月8日。交流戦が開幕してまもなく坂道を転げ落ちるようにチーム成績が急降下して大失速。オールスターを目前にして最下位転落も現実味を帯びてきたタイミングでの記事でした。その時点であれこれチームの問題点や課題を分析したわけですが、まさかその後急激にチーム状態が回復し、ついに残り10試合の時点でAクラス確定まで健闘するとは思ってもみませんでした。あのエアポケットに落ちたみたいな低迷期間がなければ、今ごろはホークスと熾烈な優勝争いになっていたはず……とはまさに取らぬ狸の皮算用。

 もちろんレイエスの大爆発や清宮のまさかの大覚醒?が大きいわけですが、どん底まで落ちかけたチームを立て直した監督の手腕は素直に認めないといけませんね。といってもまだ全面的に信頼するところまではいかないし、文句を言いたいところもたくさんありますが、ともかく若手の抜擢と成長、外国人選手の使い方、一、二軍の入れ替え、特に中継ぎ投手の疲労度を見て抹消と登録をうまく使い分けして適度に血を入れ替えフレッシュな状態に保っておく、そのマネージメントぶりは大したもの。まあそこらへんの運用は建山コーチのお手柄かもしれませんが、それ以外の采配面でも監督の成長と成熟は明らかです。目を疑うような奇策・愚策は減り、オーソドックスな采配で、ときおりセオリーを無視したような奇策を織り込むことで相手を攪乱しミスを誘う、そのやり方が洗練されてきました。猫の目打線は相変わらずですが、3、4番を清宮とレイエスでほぼ固定し、その周りを適宜入れ替えるという形が定着して、打線も安定してきました。野村の不振は大きな誤算でしたが、打線に関しては切れ目なくどこからでもチャンスが作れ、中心打者がここぞというところで大きいのを打って決めるという形がサマになってきた。

 打線はそんなに心配してませんが、ただここにきて中継ぎが非常に不安定なのは大きな懸念材料。今日の伊藤の完投勝利は見事でしたが、後ろがしっかりしていれば、CSに向けてのコンディション調整を考え、シーズン終盤のここにきて3連続完投という無理をさせる必要はなかったはずです。最後も疲れでタマが浮きだしていて、鈴木大地への球も甘く入り、打球が運良く正面を突いていなければ長打コースで同点、逆転までありえた場面でした。田中正義が抑えとして安心して最後を託せるような状態ではないのが心配です。CS進出が決まり、2位通過もよほどのことがない限り大丈夫でしょうから、起用法や采配も変わり、これからガムシャラに勝ちにいくというよりは、CSを見据えて選手のコンディション調整などが主になってくはず。短期決戦はブルペンの運用と整備が鍵を握るはずなので、そこはしっかりやってほしいですね。2016年も抑えが最後まで決まらず苦労しましたが(クローザー吉川とか恐ろしい記憶が)、円熟期だった宮西や谷元をうまく使い、日本シリーズで中継ぎだけで3勝したバースみたいなラッキーボーイも出て日本一まで辿り着きました。

 ともあれ新庄政権3年目で、見事な結果と言えるでしょう。ここまで来たら下剋上を夢見てしまいますね。少しでも長く野球を楽しめるよう精一杯応援しましょう。

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