[日本ハムファイターズ観戦記] 9/20 またも勝ち試合をミスで落とす

ロッテ 5 - 3 日本ハム

 おととい上記のような記事を書いた以上、もう負け試合については書くのをやめようと思っていたんですが、今季のハムのダメなところを凝縮したような試合で、書かずにはいられませんでした。ソフトバンクロッテという上位2チーム相手の6連戦で3勝3敗。結果だけ見れば健闘したと言えるかもしれませんが、むしろ上位チームとの力差を思い知らされるような1週間でした。

 首尾良く相手先発の立ち上がりをとらえ3点を先制するも、その後打ちあぐねて追加点をとれぬまま、6回にエラーをきっかけに失点し1点差。そして9回に、エラー連発で追いつかれて、最終的には外角一辺倒の逃げの投球を見透かされて、結局は逆転負け。

 まずは6回の石井のエラー。なんということのないイージーなショートゴロをはじいて出塁を許し、試合の雰囲気が一気に悪化。それでも公文が踏ん張って2死までこぎつけるものの、新人相手にど真ん中高めの失投、完璧なホームランを打たれたちまち1点差です。解説の森本は、石井はきちんと捕球する前に一塁に投げる方に意識が行ってしまった、と穏やかに説明していましたが、私から見れば、集中力を欠いた怠慢プレーとしか見えませんでした。

 
 ファンならよく知っている通り、今季の石井はこういうイージー・ミスが多すぎる。最近でいうと9/17のソフトバンク戦。先発上原の素晴らしい投球で1-0とリードしながら、三塁に入った石井が無死一塁からの中村晃のゴロを弾いて出塁を許してしまった場面です。確かに強い当たりでしたが、三塁ならああいう打球は普通に飛んでくるし、あれぐらいさばいて当然。まして石井は代走を経て守備固めで出てきた選手です。一点差の最終回、ちゃんと処理していれば併殺の場面。判定は三塁強襲ヒットでしたが、1000本安打がかかっていた中村だけに記録員が忖度してヒットにしたんでしょう。実質エラーです。これをきっかけに完封勝ち目前だった上原がグラシアルにタイムリーを打たれ、渡邊の悪送球まで絡んで痛恨の逆転負けでした。そして今日は、強い打球でもなんでもない真正面のゴロをファンブル。言い訳はできません。

 石井の場合、ヘタクソというよりプレーが軽すぎるというか軽率で集中力がなく、小手先でプレーしようとするところに問題があるように思います。つまり一生懸命にプレーした上での、あるいは難しい打球に果敢にチャレンジしてのミスじゃなく、手を抜いてのケアレスミスだから印象が悪いしゲームの流れも悪くなる。石井はほかにも、確か4回の中村奨吾のショートゴロを処理するのに余裕を持ちすぎて(捕球したあとグラブをポンと叩く悪い癖)セーフ判定され、リクエストでアウトに覆る、という場面もありました。あれなんかも石井のよくやるミスです。たぶんアマチュアレベルなら器用な、なんでもそつなくこなす選手なんでしょうが、そのぶんプレーが軽く、野球を舐めているところがある。実際、石井のエラーでそれまでいい感じできていた試合の流れが一気に相手に傾く、というケースが非常に多いですね。まして闘志を前面に出すタイプではなく淡々とプレーするので、覇気がなく見える。なので余計、見ているファンの反感を買う。石井もさすがにゲームの流れを変えてしまった凡ミスの責任を感じているだろうし、よほどの鈍感でなければファンからの厳しい視線も感じてるでしょうけど、長年かかって身についてしまった悪癖なので、直すのは容易ではないでしょう。

 厳しい監督ならその場で即座に交代になってもおかしくない怠慢プレーでしたが、良くも悪くも選手には甘い栗山監督なので、もちろんそれはなし。8回の守備から中島に代わってましたが、これではただの守備固め交代ですね。もちろんそれを理由にしてのファーム落ちもないでしょう。むしろ監督はミスを取り戻させようとリベンジ起用する傾向がある。だから今後も石井の起用は続くだろうし、定期的にミスを見せられることになりそうです。なぜそんな選手がずっと一軍にいて起用され続けるのか。それが謎なんですよね…。打てないという意味では石井と同じようなものですが、少なくとも石井より守備が堅実で軽率なエラーをしない、という意味ではファームにいる谷内の方がはるかにマシじゃないでしょうか。

 そして今日のハムの守備ミスはそれにとどまりません。9回1点リードで玉井が登板。二死1,2塁から低めの変化球を清水が捕球できず(記録はパスボール)、二塁走者は三塁に進みますが、飛び出した一塁走者を刺そうと清水が一塁に投げたところ送球が逸れ、これを清宮が一度グラブに当てながら捕球できず(記録は清水の悪送球)、三塁走者が生還して同点。清水がストライク送球していればタイミングは完全にアウトでしたが、あの場面は一塁走者を刺すことよりも、三塁走者を絶対に返してはいけない場面。確かに清水の送球も悪かったですが、あそこはたとえ一塁ベースから足が離れても、身を挺してでも清宮は球を止めなければいけない。エラーは清水ひとりにつきましたが、実質的に清宮も同罪です。

 また10回に勝ち越された場面。代打を送られた清水の代わりに出てきた宇佐見はアウトコース一辺倒のリード。ランナーを出してからインコースは一球も使わず、結局はその逃げの配球を見透かされ、相手打者に思いきり踏み込んで痛打され、致命的な2点タイムリーを打たれてしまいます。これなど、投げていたのが経験の浅い新人の鈴木健矢ですから、捕手のリード面でのミスと言えるでしょう。

 つまりは凡ミスのオンパレードで勝てる、勝たなきゃいけない試合を落とした。今季こういう試合を何試合見たことか。こういうことを繰り返しているからハムは下位に沈んでいるわけですが、そういうことを監督以下首脳陣はわかっているんでしょうか。

 栗山監督は、度重なる守備のミスについて「それも全て含めて、しっかりとやっていく」と悔しさと怒りをにじませた。22日からの西武戦(メットライフ)に向けては「色んなことがあるけど、このままではいけない」と強い語気で話していた。
守備のほころびが敗戦につながった栗山監督は「しっかりやります。何とかしなきゃいけないのは分かっている」と終始厳しい表情だった。
栗山監督は「いろんなことがあるけど、このままではいけない。しっかりやっていきます」と話した

 「しっかりやります」「このままではいけない」「何とかしなきゃいけない」毎度毎度お馴染みの栗山監督のテンプレコメントにも飽き飽きしましたね。さすがにこんな試合で「オレが悪い」とは言えなかったようですが、石井も清水も清宮も、今季同じようなミスを何度も何度も何度もやらかしている。渡邊のように、守備ミスを取り返すような打撃を見せるわけでもなく、むしろ打線でも足を引っ張っている。清水は悪送球が相次いでファームに一度落ちましたが、ほかの2人はなぜかずっと一軍に居続け、使われ続けている。同じようなミスを繰り返す石井や清宮が責められるのは当然としても、そんな未熟な選手を使い続ける監督の責任も大いに問われるべきでしょう。勝敗は度外視して育成に徹するというならそれはそれでいいですが、そんなわけでもない。とにかくプレーが一軍レベルじゃないんだから鎌ケ谷のグラウンドで泥まみれになって一から鍛え直すべきなのに、なぜかそれをしない。そうできない事情でもあるんでしょうか。「何とかしなきゃいけない」って、何をどうにかするつもりなんでしょうか。もう口先だけの逃げ口上はうんざりです。

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