[野球] キャンプたけなわ [日本ハム]

 キャンプは第3クールが終了し、明日から第4クールです。中島と淺間以外は大きなケガ人もなく、順調にスケジュールをこなしているのはいいこと。小笠原コーチの加入で全体練習の時間が長くなっているようですが、これまでのユルフン練習ですっかりひ弱になったハム選手たちの心身も鍛えられるでしょう。ただしその成果はすぐには出てこない。2〜3年単位で見ることが必要です。

 確かGAORAのキャンプ中継の初日だったと思いますが、小笠原コーチが石井一成に技術指導をしているのを見て解説の建山は「ここ最近のハムでは見られなかった光景だ」と言っていました。建山のようにハムのキャンプ事情に精通したプロが言うぐらいだから、よほど感慨深かったんでしょう。確かにハムのコーチが選手にこういう形で技術指導するのを見たことがない。コーチが選手に指導するなんて当たり前のように思えますが、「選手の自主性に任せる」という聞こえのいい建前で、コーチたちはロクにアドバイスもせずただ見ているだけだった。特別に才能のある選手なら、自分一人でも成長するのかもしれませんが、そんな天才はチームに何人もいない。ここ数年のハムの育成スピードの停滞を見れば、そんな旧来のハムコーチのやり方が行き詰まっていることは明らかでした。

 これまでのところハムはこれという戦力補強をしていません。巨人からビヤヌエバをもらいうけ、新外人投手のバーヘイゲンを獲っただけ。FAはもちろん、当然あると思っていたトレードもなし。昨年5位に終わったチームが補強らしい補強をしていないのです。去年全休していたマルチネスが復帰して力を発揮すれば10勝ぐらいは上積みを期待できますが、上沢が使えないので、プラマイゼロ。三塁のビヤヌエバがハマってレアード並みに活躍してくれればいいですが、しょせんは他球団をクビになった外国人。アテにはできません。大量に入団した即戦力期待の新人投手たちも、期待はしたいですがアテにはできません。今年もBクラスでいいと思っているのなら論外ですが、もしAクラス、優勝を狙うのであれば、若手の成長、それも何人もの大きな成長が不可欠です。球団はそれなりに成算があるのかもしれませんが、今までの紅白戦や練習試合などを見る限り、去年より明らかに良さそうそうなのは投手で西村と堀、打者では特に目立ちませんが強いていえば横尾ぐらい。それもこれから一軍バリバリの一線級が出てきて同じようにプレイできるかはわからない。ショートのポジション争いは中島が出遅れている分石井がリードしている感じですが、まだわからない。去年定着したセカンドの渡邊も、今のところあまり目立っていない。本来であれば今季あたり一気に才能を開花させてガーンと爆発してほしいところですが、そんな様子がない。清宮や吉田輝星も大ブレイク期待ですが、手術明けでまだマトモに守備練習もできてない清宮は出遅れ気味。ひそかに期待していたのは王の覚醒ですが、今のところパッとしません。

 つまり補強なし、若手もこれといって目立った選手はいない。ワクワクドキドキ、期待させるような雰囲気が全然ないのです。そんな状況で、これからキャンプ後半になり実戦の機会が増えて、オープン戦に突入して各チームの調整が進む中、どれだけ去年の上位チームとの戦力差を詰められるか。今のことろ詰めるどころか引き離されないようにするのも一苦労という感じです。

 現状では楽観的な見通しはまったくできないですし、おそらく評論家や各メディアの順位予想も、大半がBクラス、それも5,6位でしょう。それを覆せるだけの材料もない。果たして現在のチーム状態を現場やフロントがどう見ているのか。開幕前の駆け込みトレードはあるのか。注目です。



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