[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2021]12/24 五十幡が70盗塁を達成するためには?
早いもので、もう年末。今日はクリスマス・イブです。新庄以外のハム関係のニュースもぼちぼち入ってきてますが、興味深かったのはこのニュース。
盗塁数70~80といえば世界の盗塁王福本でさえ5回しか達成してない数字。1985年高橋慶彦の73以降、誰も記録していません。
五十幡は今季、ケガがちで1軍と2軍の往復でシーズンの大半を過ごし、1軍打席数はわずか84。打率.225、出塁率は.244で、出塁したのは計算上約20打席、それに対して盗塁数は9だから、塁に出れば約半分近い割合で盗塁を決めていたことになります。この「盗塁率」は確かに高いですね(代走起用が多かったロッテ和田康士朗の24打席に対して盗塁24の「盗塁率100%」に比べると低いですけど)。これが西川だと547打席に対して出塁率.362で見込み出塁数は約198、それに対して盗塁数は24です。
仮に来季、五十幡が規定打席数に達して西川と同じ打席数を与えられたとして、今季並みの出塁率なら見込み出塁数は133です。それに対して今季並みの割合で盗塁を成功させれば、盗塁数は約60になります。盗塁王を獲るには十分な数字ですが、70~80というのはそれさえも大きく上回る数字なんですよね。
打率は西川.233、五十幡.225で大差ないけど、出塁率で1割以上西川が上回っている。その差が大きい。仮に来季五十幡が西川並みの打席数で西川並みの出塁率を達成して、今季並みの割合で盗塁を成功させれば、来季は89個の盗塁を達成することになります。89とは言わないまでも、70盗塁を達成するには、最低でも156以上の出塁数が必要となり、547の打席数なら出塁率は.286以上が必須。つまり五十幡が来季、目標とする70〜80盗塁を成功させるには、
1)一年間ケガをしないで一軍に居続ける。
2)その上で淺間ら他の1番候補との競争に勝ちスタメンに定着し、規定打席数に達して、.286以上の出塁率を達成
3)さらにその上で、今期並みの割合で盗塁を成功させる
という3条件が必要です。
今季規定打席に達したパ・リーグの選手で出塁率.286以下はオリックスの紅林のみなので出塁率.286以上という数字はそれほど難しいものではありませんが、しかしそれは、西川と同じ打席数を与えられたら、という前提の話です。今季主に1番打者として規定打席数に達した淺間の打席数は458なので、仮に淺間並みの打席数で盗塁70を達成するには、出塁率で.340が必要になります。.340といえば、今季規定打席数に達したパ・リーグの打者でそれを上回る出塁率を達成しているのは16人。そのうち、五十幡のような、いわゆる1番を打つようなリードオフマンタイプの打者で出塁率.340を達成しているのはロッテの荻野とオリックスの福田、そして西川の3人だけです(淺間は.308と低い。これが淺間の大きな課題)。西川の場合打率は低くても選球眼がよく四球を選べるから(今季89でパ・リーグ3位)、.362という出塁率を達成しています。荻野は四球数53だけど打率.296で西川並みの出塁率.367、福田は43四球で打率275、出塁率.354。五十幡の場合、ハム内でも低い部類に属する.244という低出塁率で打率も低く、四球もわずか2。これではそもそも盗塁をする機会さえ少ない。もちろんロッテ和田みたいに代走起用が多ければ打席が足りなくても盗塁数は増やせますが、それだけで70〜80盗塁を達成するのは難しい。
そう考えると、70〜80の盗塁数を達成するには打席数と出塁率が大きく鍵を握ることになります。新庄が本気で4番五十幡を実行するとは思えませんが、1、2番以外では打席数も減ってしまうので1,2番でのスタメン出場も大事です。そのさい、打率もさることながら四球を選べる選球眼が重要ですね。打率を大きく上げるか、じっくり見極めて四球を選ぶか。いずれにしろ盗塁数70〜80という目標は、スタメンレギュラーも規定打席も達成したことのない選手には非常に高い数字であることは確かです。大学時代のチームメイトDeNA牧があれだけやれるならオレだって、という思いはあるだろうけど、ともあれ死に物狂いで頑張れ。
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