[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022]3/20 オープン戦終了

 オープン戦が終了しました。前半は若手の勢いで勝てたものの、開幕に向け相手チームの戦力が整ってくると途端に勝てなくなり、4連敗した時はやはり去年までと同じかと思いましたが、最後の2試合は見事な逆転勝ちで2連勝。8勝6敗で2つの勝ち越しと、ストロング・フィニッシュで終えることができました。各選手いい感じで仕上がってきて、いい形で開幕を迎えられそうです。とはいえガラポンでスタメンを決めたりフリーダムすぎる守備位置シャッフルなど掴み所のない新庄采配は最後の試合まで変わらず。今年1年はお試し期間だと明言していることもあり、こうした起用は監督が各選手の力量を見極めるまで続くと考えたほうが良さそうです。

 さて開幕に向けての選手起用はどうなるのか。監督の腹の内は全く読めませんが、私なりに開幕スタメンを考えてみました。

遊 水野
二 石井
左 近藤
D     ヌニエス
三 アルカンタラ
一 清宮
中 淺間
右 松本
捕 宇佐見

(控え)
清水

佐藤

今川
万波

(先発)
伊藤
河野
立野
上沢
加藤
根本
(中継ぎ)
宮西

杉浦
井口
長谷川威
吉田
古川
(抑え)
北山

以上で29名。開幕投手は伊藤と見ます。中継ぎは流動的で、望月や西村、ロドリゲスといった選手が登録されるかもしれません。河野以降の先発は登板日に順次登録されるはずなので、それまでは若手のお試し打者や中継ぎ投手を使うでしょう。気になるのはDeNA3連戦で出場しなかった近藤で、彼の故障が長引き開幕に間に合わないとなると、ファームから田宮や木村あたりを呼ぶかもしれません。

 さてチームの現況です。オープン戦後半に負けが込んだのは、打線が振るわなかったことに加え、投手陣の一角が崩れて大量失点していたことが原因です。3/11広島戦の池田、3/13広島戦の望月、3/15西武戦の根本、3/16西武戦の姫野など。しかしこのあたりは池田を除き昨季の実績もなく、1軍に残れるかどうか瀬戸際の若手ばかりですから、仕方ないとも言えるし想定内とも言える。しかし3/18DeNA戦の伊藤、3/19DeNA戦の河野と、ローテーション有力候補の先発投手も最後の調整登板で失敗したわけで、これを「開幕に向けて不安を残した」と見るか「開幕前に課題が見つかって良かった」と見るかは微妙なところです。伊藤も河野もローテ候補とは言ってもまだキャリアも浅く盤石の信頼が置けるほどの実績はない。たかが調整登板、みたいな甘い気持ちがあったのなら、どこかでしっぺ返しが来ます。この1回の失敗でローテを外れることはないでしょうが、開幕までにしっかり調整してほしいですね。ほかの先発候補である上沢、加藤らはオープン戦後半はあまり登板がなかったので現況がよくわかりませんが、きちんと調整して開幕に合わせてくるはず。

 開幕後3カードは3連戦、その後4/5~6、4/12~13と週前半に2連戦が続くのが先発ローテを占うにあたって鍵になりそう。つまり先発ローテ投手は当面5人だけ用意して、3/29からの開幕2カード目の西武戦=裏ローテ3連戦の3試合目は、オープナーなどを使い細かく繋いでいくことになるのではないか、という考えもある。今日のDeNA戦の先発が金子、ファームの方が玉井だったというのもそれを裏付けているような……もちろんそれがソフトバンクとの開幕試合であってもおかしくありませんが、やはりビジターとはいえ開幕試合は開幕試合。2022年のプロ野球開幕日ですから、次代を担うエース候補には相手エース千賀に対して堂々と立ち向かってほしい、という願いを込めて開幕投手は伊藤としました。ローテ6枚目はまだ全くわかりませんが、これも願望を込めて若手筆頭・根本の起用を期待します。ガント、ポンセという新外人投手は、これからファームでの調整登板を経ての1軍昇格でしょうから、早くて4月半ば〜後半の登場でしょう。

 ブルペン陣は宮西、堀を筆頭に特に大きな不安材料はなさそう。ハムはデフェンスのチームですから、ブルベンの出来不出来はチームの浮沈に直接関係してきます。スモールベースボールでもぎ取った虎の子の1点を盤石の投手リレーで守り切る。それが今季の勝ちパターンになるはずで、戦い方としては2007年シーズンの再現になりそうです。武田勝コーチが、複数イニング登板で中継ぎの連投を避ける起用システムを明言していて、これも生命線であるブルペン消耗を未然に防ぐための策でしょう。

新人の長谷川はかなり戦力になりそう。あとは吉田輝星が中継ぎとして1軍に残れるか。しかしブルペン陣のなかでも最注目は,ドラフト8位新人にしていきなり守護神候補にあがっている北山でしょう。杉浦も万全の調子で来ているし、彼のプライドを考えればやはり守護神は杉浦だろうと思っていましたが、今日のセーブシチュエーションでの北山の落ち着きはらった投球を見て、北山が抑えに抜擢されると見ました

 野手の方ですが、新外人の2人が機能しそうなのは大きい。ヌニエスは向こうでの成績を見る限り、ブンブン振り回すタイプの荒っぽいスラッガーという感じでしたが、今のところ非常にシュアでコンタクト力が高い、どちらかといえば打率を残しそうなタイプに見えます。これから日本の野球に慣れ打球の角度があがってくれば、HR量産も期待できそう。一発か三振のレアードタイプというよりは確実性もあるオバンドーやセギノールに近いかな? アルカンタラは外人にしては小兵のスイッチヒッターのユーティリティ・タイプということで、杉谷の上位互換という感じ? いずれも守備の意識が高そうで、チームに溶け込もうという姿勢もある。新庄野球にあうんじゃないでしょうか。

 野手で今日目立っていたのが淺間。コロナで出遅れ、キャンプ〜練習試合〜オープン戦とずっと煮え切らない感じのプレーが続いてましたが、昨日の第3打席のセンター前ヒットがきっかけになったのか、それから試合を跨いで4打席連続ヒットと一気に調子を上げてきました。守備はもともと万全な選手なので、あとは打つだけ。ライバルと目された五十幡がケガで休んでいる間にセンターのレギュラーを不動のものにしたい。今季はぜひとも3割を打ってほしいし、そのポテンシャルは十分にあると見ています。淺間の究極の完成形は元西武の秋山翔吾、だと思っているので。

 新人の水野も非常にいいですね。粘っこくパンチ力のある打撃と堅実な守備。どちらかといえば打撃に特徴があって守備が課題、みたいな評判でしたが、守備もかなりいい。打席での粘りがあり簡単にアウトにならないのもいい。足も速いので一番打者として育ってくれるといいですね。数年前に源田が加入して西武の野球が劇的に変わったように、水野がハムの野球を変えるかもしれません。

 その水野と二遊間を組む可能性が高い石井もいいですね。もう若手とは言えない大卒プロ6年目で相当な危機感があるはず。これまでのようなポカや気を抜いたようなプレーが少なくなってきたし、バッティングも前田智徳効果なのか非常に鋭い打球が飛ぶようになってきた。水野との二遊間は守備範囲も広くゲッツーもとれる。ふたりとも感情を表に出したりアクロバティックなプレーをしないので派手さはないかもしれませんが、この2人がきちんと機能すれば、ハムのセンターラインは劇的に強化されるはずです。

 万波や今川は、相手投手のレベルがあがり攻め方も変わってきて完全に壁にぶち当たってる感じですが、これは一流になるためには通らなければならない道。たぶんこの2人は年間通して1軍で使い続けるはずで、その成長を見守りたい。特に万波。大田泰示の後釜は当然として、右の糸井・柳田を目指してほしい。万波のプレーは彼らのような見る者をワクワクさせる華があります。上のスタメン予想では松本の名を挙げましたが、もちろん万波や今川のスタメンも十分考えられます。

 そして問題の人・清宮。昨日の試合の2打席連続3球三振はあまりに酷く、これはファーム落ち必至かなと思っていたら、いきなり新庄・稲葉の指導が入ったらしく、今日の第一打席(四球)では、少し精神的に余裕が出てきたのか打席での構えからして落ち着きが出たように見えました。新庄監督は「彼女とうまくいってないんじゃないの」とか冗談めかして言ってましたが、やっぱり気の持ちようというのはあるんでしょう。その次の打席ではインコースギリギリの難しいスライダーをうまく腕を畳んでライト線に2ベース。今までだったらバットに当たりもせず三振、という球でしたからね。たまたまうまく打てただけかもしれませんが、結果は結果。ちょっと吹っ切れたかもしれません。その後の走塁も非常によかった。たぶんこの打席で1軍残留も決まったでしょう。なんとかいいイメージのままシーズンに入ってほしいですね。

 ほかの選手についてはまた別途。二遊間と並びハムの大きな穴である捕手はまだ誰が埋めてくれるのかわかりません。育成の速水が出てくると面白いんですけどね。





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