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きゅいーーーーーん

なんとなく波長が合わないなぁという人がいたりする。
あれ?なんかどうやっても話がかみ合わないぞとか。
どうしても違う方見ちゃうなぁとか。
リズムもあるし、思考もあるし、誤解もあるのかな。

でもそういうことを感じ取ること自体は良いことだと思う。
それはそのまま自分の持つ感受性に直結している。
誰かが何かを創作すると、どんなにそうなりたくないと願っても、創った人たちそのものが表現の中には溢れていて。
あ、なんか波長が合うぞとか、なんかリズムが合うぞとか。
もうそんなことはわからないまでも、なんだかその世界観にずっと浸っていられるぞとか、面白いとか面白くないを超越した所で楽しめるってことだ。
合わないということが感じられるということは、合うということを感じたことがあるから生まれる違和感だ。

合わないものは合わない。
こればっかりは仕方ない部分もある。
でもそういうわけにもいかない時って言うのも確かにある。
波長が合わない人とコンビを組まなくちゃいけないなんてことだってありえるだろう。
そういうときにどうするべきだろうか。

簡単なのは諦めることだ。
もう何を話してもたぶん無理だなって諦めちゃう。
それはそれで正解。距離を置けるなら置けばいいのかもしれない。
というか、負荷がかかるほど無理する必要性はどこにもない。
もう一つは待つことだ。
不思議なことだけれど、時間が解決することがある。
なんとなく苦手だった人が何年か後になってやけに話しやすく感じることがあったりする。

結局、人間の視野は狭い。
恐らくは大抵は、その人を構成する側面の3割程度しか見えない。
ある一面を見て、波長が合わないと感じているだけかもしれない。
だから合わないと感じたら、その時期は何をしても合わない。
だって波長が合うであろう他の側面は、今の自分には見えないのだから。
相手もきっとそうで、そういう側面を見せてはくれないだろう。

まぁ、だから酒を飲んだら意外に仲良くなったりもする。
ちょっと喧嘩になって初めてわかりあえたりすることもある。
サシで話したら全然イメージと違ってたなんてこともある。
そう思うと諦めちゃうのはもったいないような気もする。

でもなんかさ。
無理して合わせて疲れちゃうんだったらやめればいい。
その代わりどこかで、あ!いいやつじゃん!な日が来るかもなって思うようにしている。
なんか、そうやって今は合わないんだって思っていた方が気が楽というか。
根本的に合わないとか、生理的に無理とか、そうやってシャットアウトするのもなんかもったいない気がしている。
諦めるなんて書いておいて、諦めが悪い。
そんなもんだろ。でも。

協調性とかさ。
絆とかさ。
うん、まぁ、大事。
どうやって隣人を愛するかっていうテーマはずっとある。
綺麗なことを言えば、誰とでも仲良しになろうなんだろう。
でも、そればっかだとどこか嘘臭くなるよ。
社交性なんかなかったりさ。
人見知りだったりさ。
知り合って何年も経たないと笑顔を見せられないとかさ。
それぞれがそれぞれに違うんだもん。
そんなに簡単じゃねぇよ。
簡単に言うってのは結局、嘘臭くなっちゃうよ。

だから面白いんだと思う。
人との出会いとかさ。
映画や音楽や作品との出会いとかさ。
波長が合うのも面白いし。
波長が合わないと思っていたのに、急に理解出来たりすることも面白い。
あれって発見なんだけれど、同時に自分の発見でもあって。

結局さ。
そこをテーマにしている作品が一番多いもんね。
よくよく見てみると。
人間関係の変化とかさ。
そのぐらい生活に密接したテーマなんだろうなぁ。

そのアクセス方法だよ。
そのアクセス方法が面白いんだ。
ツマミをねじるのだ。
波長は一定じゃない。
理解を越えるやつだ。
どこかでアクセスしちゃうやつ。
そんな作品になっているといい。


映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
題字 豊田利晃

「嘘ばかりの世界」だ
  「ほんとう」はどこにある

【上映館】
・2023年11月18日(土)より
ユーロスペース(東京・渋谷)
http://www.eurospace.co.jp/
劇場窓口にて特別鑑賞券発売中
先着50名様サイン入りポストカード付

出演
藤井菜魚子 河原幸子 広田あきほ
中野圭 織田稚成 金子透
安藤聖 樋口真衣
大多和麦 西本早輝 小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟
録音 高島良太 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希
制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

◆終映(特別限定先行上映)◆
・2023年4月15日(土)16日(日)※限定2日間
シアターセブン(大阪・十三)
・2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)※限定3日間
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
・2023年3月25日(土)~31日(金) ※限定1週間
K'sシネマ (東京・新宿)

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。