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意志
広告をしないまま映画を公開する。
結局どんな映画かわからないまま公開日がやって来た。
意外にそれが厭な人もいるんだなぁ。
何が厭なんだろう。
いくつか見かけたけどさ。
広告代理店ならわかるのだけれど。
情報が少なすぎるとそれはそれで選ぶことも出来ないってことかな。
わからないような、わかるような。
僕は逆に宣伝を見てテンションが下がることがあるからなぁ。
製作ペースから考えても年齢的に最後のオリジナル長編作と思って作った作品だろう。
少年コナンからの実績があるからこそ出来ることだけどさ。
それはもう重要な作品だと思う。
今の日本のアニメにとっての大恩人。
それまではオリジナルアニメ映画なんてほぼなかったんだから。
最後かもしれない作品で何を表現するのだろう?とどうしても考えてしまう。
逆を言えばそれ以外の情報はあまりいらないかなって思ってる。
だから、僕としては予告やあらすじも含めて前情報は逆にいらないかなって。
なんか気持ちが盛り上がらないのかもな。
それはなんとなくわかる。
そういう意味で公開前に何か選別しているのかもしれない。
その選別している感じが厭なのかもな。
一定数の絶対に観るというファンがいるからこそ出来ることだ。
まぁ、でもね。僕は逆にこう思う。
普通にやればやれるわけです。
むしろちゃんとやればもっと公開館は多く、上映回数も多いはず。
タイアップしたい企業なんてきっと山のようにいる。
むしろ争奪戦のようになる。
どこに行っても見かけて、CMもバンバン流せる。
でもやらない。
恐らくやるべきだと言っている人がたくさんいるのにやらない。
巨大な資本の流れに反抗して見える。
様々な形での攻撃も受けたかもしれないなぁなんて思う。
おかしな記事も見かけたしさ。
それでも押し通す。
つまりは、僕はこう生きるってことなんじゃないだろうか。
勝手な妄想だけれどさ。
話題を作って興味を持たせて観てもらうんじゃなくて。
選んできてくれる人たちから口コミが拡がって、作品性だけでお客様が来るということをしたいんじゃないかなって。
なんか、そう考えないと理解できないぐらい徹底してる。
想像しちゃう。あらすじもポスターも知らないままナウシカに出会っていたら、どんな感想だったのかなって。
これが仮に成功しても映画広報の仕事がなくなるなんてことはない。
映画広報や宣伝美術の歴史っていうのもあるけれど、それが終わるわけじゃないと思う。試写がなくなったり、映画評論家やライターの仕事がなくなることもない。
当然ながら巨大な資本の流れが止まることもない。
だから反抗ではなくて、思いだと思うんだよなぁ。
意志を感じる。
それは何よりも大事なことなんじゃないだろうか。
意志なきまま進むことよりも僕の目には魅力的に映っている。
作品にそういうものは必ず現れる。
君たちはどう生きるか
なんか挑まれてる気分ではある。
映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
「ほんとう」はどちらなんですか?
◆終映◆
2023年3月25日(土)~31日(金)
K'sシネマ (東京・新宿)
2023年4月15日(土)16日(日)
シアターセブン(大阪・十三)
2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
出演
藤井菜魚子/河原幸子/広田あきほ
中野圭/織田稚成/金子透
安藤聖/樋口真衣
大多和麦/西本早輝/小野寺隆一
撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟 録音 高島良太
題字 豊田利晃 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希 制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき
【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。
家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。
やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。
投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。