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『無限の住人』映画は見たけれど

『無限の住人』を見る。なぜこんなに低評価なのだろうと首をひねる。先日みた『秘密』(清水玲子原作)もそうだ。

どちらもかなり密度のある原作で、息もつかせぬ展開がウリなのだけど、映画ではもちろん、そうもいかない。漫画で一気読みなんて、できにくい作風なのだ。なので映画化にあたって少なくとも2時間、緊張感を保つことは困難だ。
あえて、休息パートに恋愛や平穏をいれてもらえるともう一度集中してみることもできるかもなのだけど、そんな安易な展開も原作にはなかなかないし、入れてしまうと原作の雰囲気を損ねるような部分さえある。

つまりどうしていたかというと、とにかく緩ませない。
ただただ、緊張の連続。ある種、観ている方に休憩タイムをゆだねているといってもいい。なので、それぞれキムタク卍に集中しても良いし、アクションに集中してもいいし、会話で展開をみていてもいいと。
休憩タイムを物語の展開や密度に充てることができる分、省略も無理が出ないよう丁寧につくることができるし、置いていったとしてもラストには怒涛が待っている。そう、緊張→緊張→緊張→ド緊張というわけだ。
ギアが入れっぱなしで、観ている方も「はあ」と息をついたところで、さらにもう一段階ギアを上げられる。いやがおうにもついていくことになる。

圧巻、圧倒。力業がなせるワザであるが、それを支える土台があってこそ。見せつけられる、とも思えた。

低評価レビュー読んだ方が良いのかなあ。

もう一つ、似たような、緊張連続系の原作モノで『嘘食い』。漫画ではコマ割りや、表情で緩急が入りやすいものだけど、やはり「緩み」をいれることで興がそがれるような気がした。一体何を求められているのか。何を映像化したいのか。
カリカリ梅が食べたい。


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