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ファミリーマート#マーケティングトレース 後編 ファミリーマートの売上を伸ばすには?

ファミリーマートを今後伸ばすための施策(CMO仮説)

前回に引き続き、今回もファミリーマートを深ぼっていきます。

前回のnoteでは、主にファミリマートの現状の理解を行い、
CMO仮説(ファミリーマートを伸ばすアイデア)を出す上では、
以下のような論点が出ました。

・海外市場をどのように攻めるか
・Amazonなどの便利EC小売企業と将来的にどのように競争するか
・コスト低減について(無人店舗・キャッシュレス・デジタル化・ファミペイetc..)

直近のファミリーマートの動きでは、

2021年春に無人コンビニをオープンさせ、小さな商圏に配置する予定
・国内最大級コスメECプラットフォームの「ノイン」とのコラボ商品を発売。若い女性層(10代~20代)の獲得を目指す
・イートンスペースを活用した地域の交流の場「ファミマサークル」
・ファミペイの「会員情報」や「購買情報」などのデータと他の企業のユーザーデータを合せて、ターゲティング広告事業を行う法人の立ち上げ

なども行っています。

また、2021年3月に会社の代表が変わり、組織の変化が起きるタイミングでもあります。新代表の細見社長は、コスト低減を第一の課題として挙げています。

商品開発、利便性、親しまれる店舗の3点に取り組み、ファミマを再構築する」.....ファミマについても「デジタル化を進め、グループ内のサプライチェーンを再構築することによるコスト低減が第一の課題」とする、

これから変わるであろうファミリーマートの未来の打ち手も予想しながらCMO仮説を出していきましょう。

ファミリーマートの売上を伸ばすには?(CMO仮説)


CMO仮説を考える上で、ファミリーマートのKPIを分解すると

売上=(店舗ごとの集客数×顧客単価)×店舗数
利益=売上ー売上原価ー販売管理費(人件費やプロモーション費)など

になります。直近の2020年度決算では、
売上:517,060百万円
営業利益:51,998百万円
営業利益率:10.0%
でした。

同期で他のコンビニとROAを比較すると、

セブンイレブン:6.38%
ローソン:8.61%

となりました。他ビジネスと比較すると、コンビニ業界自体の営業利益率が高いわけではないので、改善の余地はありそうです。

■CMO仮説

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打ち手①地域に合せた店舗フォーマットによる客数UP

1個目は、地域に合わせた店舗フォーマットの変更です。少子高齢化や都市の人口集中など、地域によってコンビニの市場環境は異なります。また、利用者がコンビニに求めるものも地域によって異なるでしょう。

そこで、仕事前でとにかく早く購入を済ませたいニーズがありそうな都市には、無人でとにかく来店から決済までが快適・素早く済ませるような無人決済・RFIDタグによるセルフレジ決済、顔パス決済などと忙しいビジネスマンがストレスなく、快適に利用できる店舗フォーマットに。

地域の場合は、高齢者向けの商品(少し高くても健康的なもの、新しいものよりも定番なもの)を充実させて揃えたり、わかりやすい値段表示や商品表示をする。

などなど、普段利用する顧客のデータ(ファミペイやTカード)をもとにより多様な店舗フォーマットを提供をしていく施策を考えました。

そして、海外にも同じように展開していき、顧客数を増やす狙いです。

打ち手②DC2ブランドとのコラボ商品販売

店舗への集客数を増やすために、オンライン限定で販売しているD2Cブランドなどとのコラボ商品を店頭で販売する施策を考えました。

これにより、

・顧客にとっては、普段の日常では買わない商品に出会う機会を作り
・協力企業にとっては、オンラインでは獲得できない層の獲得に繋がり、
・ファミリーマートにとっても、集客数UPや販売データの獲得ができ、商品開発にも活かせる

セブンイレブンは、Mr.CHEESECAKEとコラボした商品を出しており、欠品が続出したり、コラボ商品を探してセブンイレブン数件回る人などもSNSでつぶやかれておりました



ただし、D2C側にとっては、ターゲットを絞って販売したほうが、合わない顧客を呼ぶデメリットを避けられるので、提携D2Cは、ドニッチな分野よりは、幅広い分野で探す必要はありそうです。

全体を通しての学び

学び①:コンビニという巨大な市場をどう使うか

コンビニは、業界全体で5.2兆円以上という巨大な市場です。
1企業でも1兆円以上の売上があり、売り場自体が巨大な市場となっています。その巨大な市場を生かして、地域に合せた顧客の来店時の体験価値を提供していき、市場を更に伸ばしていくことが必要だと感じました。また、巨大市場で後発企業が戦うためには、ファミリーマートがやったような資本政策による買収を通した成長が必要だなと。

学び②:消費者変化に合わせた柔軟な戦略変更

コンビニは、ターゲットが広すぎるからこそ、ターゲットの変化に敏感に影響を受けやすいなと思いました。なので、常に消費者の生活の変化、ニーズの変化に敏感になり、変化に合せて施策を柔軟に変えていく必要を感じました。

店舗数を抱える企業が柔軟な戦略変更を実践する上では、地域ごとに統括本部を置き本社で全体の管理を行わいファミリーマートのフランチャイズ方法は、地域ごとに人口構成やニーズが異なるコンビニビジネスでは、あっていそうだと思いました。


などなどでした。
コンビニはこれまでやったマーケティングトレースの中では、販売範囲やターゲット、規模が広すぎて、難しさを感じました。

ここから、ファミリマートが実際にどのような戦略・戦術を取るのか気になります。

引き続きウォッチしていこうと思います。





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