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【ono no note Vol.34】人生は点描画みたいだ、な話

テレビは僕の生活に欠かせないものになっている。毎日テレビを点けて、じっくりと”観ている”時もあれば、なんとなく”見ている”時もある。どちらにせよ、我が家のテレビは毎日稼働している。

僕は、毎週欠かさずに観ている番組がある。

それは、かの有名な「情熱大陸」である。

著名人からそうでない人まで、その暮らしや仕事に密着し、その人の為人や胸の内に秘めている想いを垣間見ることができるこの番組が僕は好きだ。思い返してみれば、僕は昔からこういう類の、いわゆるドキュメンタリー番組が好きだった。今からおよそ12年前、イチロー選手が出演したプロフェッショナル 仕事の流儀を観た時から、僕のドキュメンタリー好きは始まったのだった。

表舞台での姿しか知らない、どこか遠い存在で、実在するのかすら疑いたくなる程のスポーツ選手や著名人。そういう人達の、普段は表に出てこない、目に見えない部分がドキュメンタリー番組では映し出される。僕はそういう部分を観ると、遠い存在だった人達にも人間味を感じることができて、それが面白くてたまらなく感じてしまう。こういう生き方もありなんだなあと思わされることも多い。

多分、普段の仕事やプライベートで接している人のほとんどが、僕も含めて「普通の人」だから、普段目にすることが無い様な生き方をしている人に惹かれて、それを面白いと感じるんだと思う。10年以上もドキュメンタリー番組が好きで、毎週欠かさず観続けているんだから、僕は本能的に「ドキュメンタリー好き」で「知りたがり」な人間なんだと思う。


と、ここで書いたところで、僕はあることを思った。

僕は記者とかそういう仕事をしてみたいんじゃないか。取材をしに行って、話を聞かせてもらって、聞いた話を文章なり映像なりにまとめて発信する。僕は新しい生き方を学ぶことができ、僕の書いた文章や映像を観てくれた人たちも、それを学ぶことができる。超自己中心的な考え方かもしれないが、これって素晴らしいことなんじゃないか。そう思った。普通に暮らしているだけでは絶対に接することが無い人たちの所に行って話を聞かせてもらい、それを伝える。そういう仕事がしたいんだということに気が付いた。

もちろんそれでお金を稼げるのか、という問題がついて回るんだけど...。

まあ、お金の話は一旦置いておくとして、何故だかこれに関しては、「僕にそんな能力があるかどうか」よりも、「やってみたいという想い」が勝っている。僕自身が、色んな人に会って、話を聞いて、何を考えて今生きているのか、何を思ってここまでたどり着いたのか、そういうことを知りたいだけなのかもしれない。でも、こういう話を聞きたいという人が僕以外にも大勢いるとしたら...。もしこういう仕事ができたら...。

幸いなことに、僕は文章を書くのが好きだし、写真や動画を撮を撮って編集することもできる。超前向きに考えれば、今まで趣味としてやっていたバラバラに思える点同士が線となって繋がってくる。


と思ったが、明日も明後日もこれから先もずっと、多分僕は今の仕事を続けるだろう。残念ながら僕に仕事を辞める勇気は無い。100%それで食っていけるという保証が僕には必要だ。せめて、今の仕事を続けることが、いつか何かと繋がってくれたら、と願って止まない。

情熱大陸に出てくる人の「未来は分からないけど、自分のやりたいことに果敢に挑戦している人」の姿に惹かれるのは、悲しいかな、僕にその勇気も行動力も無いからなのかもしれない。


2020/06/23

DAISUKE ONO

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