見出し画像

インドではかき氷にもスパイスを使う!

インドでは勇者が魔王を倒したことを祝う祭りがある


明日からインドでは三大祭りの一つ、ダシェラ(Dussehra)が開催します。
インド三大祭りの中では、ホリー(カラフルな粉を掛け合って祝う春祭り)やディワリ(ヒンドゥー暦の新年祝い)に比べると、海外での知名度はやや低めですがインド神話「ラーマーヤナ」に由来する盛大なお祭りです。

ラーマーヤナは叙事詩であり聖典の一つでもあり、同時に壮大なスペクタクルロマンでもあり、ヒンドゥー教の守護神ヴィシュヌの化身として誕生した王子ラーマと、その妃シーターの波瀾に満ちた生涯や、魔王ラーバンとの戦いが描かれます。

ダシェラ祭はまさにそのラーマ王子が、魔王ラーバンを打ち倒したことを祝う、10日間に及ぶ長い祭りであり、人々は歌い踊り、各地で全7巻あるラーマーヤナの内容が9日間にかけて劇として演じられます。
またクライマックスには張りぼてのラーバンを作り、爆破するという派手なイベントも行われます。
つまり勇者が魔王を倒したことを祝う祭りであり、なかなか心くすぐられるものがあります。

インドにはこういったロマン溢れる話が色々とあり、
他にも現代では製法がわからなくなった、ダマスカス鋼という錆びない金属で造られた古代インドの剣や、
古くからインドの数学が高度であったことを一目で思い知らされるチャンド・バオリの階段井戸など、
ファンタジーの世界から抜け出してきたようなモノゴトが沢山あり、筆者も一度訪れてみたいとつくづく思っています。

さて、お祭りといえば日本ではかき氷が定番ですが、お祭りでなくても年中屋台が立ち並び、屋台メシの紹介動画なども人気を集めるインドですが、やはりかき氷もあるのでしょうか…?もちろんあります。

インドのかき氷「アイスゴラ」


広大な国土を持つインドには、ツンドラから地中海性気候まで、多様な気候に属する地域がありますが、大部分は熱帯です。
そのため、涼を求める文化は強く、かき氷の屋台も多く存在しています。

インドのかき氷は「アイスゴラ(बर्फ का गोला)」と呼ばれ、日本のかき氷とは大きく違った、つゆだくならぬ「シロップだく」とでもいうべき凄まじいもので、削ってカップに盛り付けた氷に親の仇のように何種類ものシロップを大量にかけます。
日本では、よくかき氷のシロップは、実は香料と着色料が違うだけで味は同じであるケースが多いことは話題になりますが、
インドのこれは果たしてどうなのでしょうか…?
例え味が同じでも、香りと色が異なれば意味がないということはないのかもしれませんが…。

気になった筆者は、東京某所のパキスタン料理食材などを扱うお店のテイクアウトで実際にアイスゴラを食べてみました。(インドとパキスタンは地理的に近いためか、共通する食べ物も少なくないようです)

何色ものシロップがかけられた、鮮やかなアイスゴラ。
氷がホリー祭している…。

何色ものシロップがかけられて、非常に鮮やかなアイスゴラ。その味ですが、様々な香りが混ざりあって、少し変わった風味となっていました。
強いていうなら、コーラに近い風味でしょうか。
強い甘味と冷たさの相性がとてもよく、なかなか美味しかったです。
キーンと冷たく、スパイシーな料理のデザートとしては相性抜群なのではないでしょうか?

ちなみにシロップごとに味の違いがあったのかはわかりませんでした…。

上からどんどんシロップが流出していき、色と風味が混じっていく。
リアルタイムで色が変わっていくので、それを眺めるのもヨシ。
とかいって色が変わっていくのを面白がって眺めていたら、あっという間に氷とシロップが分離してしまった。カップの底に色が混ざって茶色になったシロップと、味のしない氷だけが残った。

今回食べたアイスゴラに使っていたシロップがインドのものと同様かは分からないので、インドで食べるとまたずいぶん違った味だったりするかもしれません。

ちなみに、現地では氷を食べずに、シロップだけを啜るという食べ方をする場合もあるそうです。…かき氷とは?

アイスゴラには「チャットマサラ」というスパイスが使われることもあります。(上記のアイスゴラには使われていないようでした)
チャットマサラとは、クミンやコリアンダーといったスパイスに、マンゴーやザクロの酸味と塩を加えた甘じょっぱいスパイスであり、とくにレモン風味との相性が良いそうです。

このチャットマサラ、氷、シロップを交互にカップに注いで作るスタイルのアイスゴラはよく食べられているそうです。

チャットマサラは、他にもジュースやパパイヤなどの果物など甘いものから、カレーやサラダのような食事にも用いるそうで、インドでは「ストリートフードのスパイス」とも呼ばれ、かき氷にとどまらず屋台メシに定番のスパイスのようです。

鳥取名物「インド氷」はインド発祥ではない!?

また、鳥取には「インド氷」なる、ご当地名物かき氷があるそうです。

これは、鳥取の有名な喫茶店「ベニ屋」にて提供されるココア味のかき氷で、インド北部にまたがるヒマラヤ山脈のように山盛りのかき氷で、この喫茶店がカレーをメインに売り出している喫茶店であることから、カレー=インドということでインド氷と命名したそうです。

つまり、インド風のかき氷ではないということですね。
ココア味のかき氷はありそうでなかなか無く、素直に美味しそうだと思うので、是非一度食べてみたいものです。

このインド氷は非常に人気があるため、このかき氷に着想を得た「カレー専用かき氷のシロップ」(?)なるものが、井上スパイス工業様から発売されたそうです。

限定販売品だったらしく、現在は手に入らないようなのですが、一体どんなものだったのか非常に気になります…。

小野田商店でも日々美味しいかき氷を探求、提供しています!

さて最後に宣伝ですが、実は株式会社小野田商店では、本社ビル一階にて協力会社「フラッペハウス」による、かき氷の提供も行っています。

イチオシは秋の新メニュー「†悪夢†(ナイトメア)」、まさにハロウィンに相応しいビジュアルとなっております。

是非ご賞味ください!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?