守護霊と前世

(2010年11月20日、ブログに公開した文章を転載)
 
数年前テレビでみた、江原啓之、美輪明宏出演の番組(「オーラの泉」)で、前世の人間が守護霊として後ろから見守っているという主張をしていた。
生まれ変わりということが実際にあるのか、守護霊というものが存在するのかは一旦脇に置くが、「前世の人間が守護霊になっている」という主張には違和感をおぼえた。
前世の人間が生まれ変わったのだとしたら、その存在は現在生きている人間となったのだから、守護霊として霊だけが残っているのは論理的におかしいのではないか。
人間は死後、肉体は滅びても霊魂は残り、その霊魂が守護霊として存在するのなら、生まれ変わりということはおこらないのではないか。
霊と魂は別のもので、人間は死後、霊は守護霊のような形でこの世かあの世に残り、魂だけが肉体を伴って生まれ変わってくるというのなら、論理的には矛盾が生じないのかもしれない。
その場合、魂の数は一定数を保っているが、人間が生まれて死ぬごとに霊の数は増えているわけだから、あの世やこの世では霊の数が無数に増え続けることになるのではないか。
(江原啓之の著作は読んだことがないので、暇があったら読んでみて、そのあたりどう説明しているのか確かめてみようとは思っている。)
 
一頃、前世ブームがあったが、生まれ変わりというものが実際にあったとしても、大半の人間の前世は無名の農民だろうから、前世が貴族だったとか有名人だったという言説は嘘くさくて信用できない。
無名の人間は生まれ変わらず、有名人のみが生まれ変わるという考えなのだろうか。
そうだとすると死んだ有名人の数と生きている無名人の数が釣り合わないが……。
(このあたりのことは多くの人が同じことを考えていたようで、数年前に読んだ江原啓之を批判した雑誌でも指摘されていたが。)

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