支援教育のスタートラインで学んだこと
支援教育の現場に初めて足を踏み入れたとき、不安と期待が入り混じった気持ちでした。実は、私の母も支援学校の教員で、幼い頃から支援教育は身近な存在でした。休日には母に連れられて学校に行ったり、運動会を見に行ったりした思い出があります。そんな経験があったからこそ、支援学校の教師になったのはとても自然な流れだったように感じます。
支援学校の教師になったきっかけ
初めは地域の小学校で講師として働き、たくさんの子供たちと出会うことができました。講師としての契約期間が終わった後、母の知り合いの先生から支援学校での仕事を紹介されました。その時から支援学校での勤務が始まりました。小学校には小学校の魅力がありましたが、支援学校には支援学校ならではの魅力がありました。
支援学校の魅力
支援学校では、1つのクラスや学年の担任が複数人いる環境で働くことができます。特に駆け出しの頃は、すぐそばに質問できる素敵な先輩方がたくさんいる環境がとてもありがたかったです。小学校で1人で日々の業務を進めるのとは違った魅力がありました。
最初に出会った先生は、4人の子供を育てている方で、発達を非常に重視されていました。この先生から「障害があるなしにかかわらず、人の発達の流れは同じ」という一言が、私の支援学校での教育観を形成する大きなきっかけとなりました。
最初の1年目の学び
最初の1年目は仕事が今よりも少なく、時間がたっぷりありました。そのため、毎日の授業づくりに邁進するとともに、0歳から6歳までの発達の流れを勉強する日々でした。特に役に立ったのが、白石正久先生の「発達の扉」という本でした。それまで見ていた本は、年齢ごとに発達の段階が分断されていて、数字と内容をただ年号のように覚えるものでした。白石先生の本は少し違います。発達には節目があり、その節目を乗り越えて次の流れに進むという発達の道筋が示されていました。この本を読んでからは、子供たちがどの発達段階にいるのか、何に困っているのか、どう成長したいと願っているのかを理解する視点が身につきました。
さいごに
支援教育との自然な出会いと、その中で得た学びは、私の教育観に大きな影響を与えました。初めての現場での経験は、今の自分の基礎を築く重要なものでした。振り返ってみると、あの時の経験がいかに私にとって大切だったかを実感します。
特に、最初の頃に学んだことが支援教育の実践において基本となり、様々な状況に応じた対応力を養う土台となりました。白石先生の本や先輩先生からのアドバイスが、私にとって仕事の土台を築く上で非常に重要でした。
新しい仕事や環境に飛び込む際には、まず基本的な原理や知識をしっかり学ぶことが重要です。それが自信を持って仕事に取り組む基盤となり、自己流の工夫や改善を加えていくための土台となります。読者の皆さんも、新しい挑戦を始める際には、まず基礎をしっかり学び、その上で自分なりの経験を積み重ねていってほしいと思います。
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