とんだ。話
「布団が吹っ飛んだ」
よくあるダジャレだ。この状況は色々な心情があると思う。今日はそこを考える。
・布団が一枚しかなくて、飛んでいってしまってはまずい場合の「布団が吹っ飛んだ」
これは布団が吹っ飛んだ場合、即座に対応しなければならない。靴が脱げても何をしてもとにかく吹っ飛んだ布団を確保しなければならないからとにかくダッシュだ。これは冷や汗もんだ。そこら辺にいる誰かにひとしきり声をかける。「布団が吹っ飛んだです!布団が吹っ飛んだです!」と。周りは「え?大きな声でダジャレ?」と白い目線を飛ばしてくるから黒い目線で返してグレーにする。とにかく裸足で走った先にあった私の大事な私の大好きな布団。でも泥だらけ。いいんだ。私にはコインランドリーという場所がある。コインランドリーが言うんだ「おかえり」って。
言わない!コインランドリーは喋らないよー!
・布団にたくさんに思い出があってそれも一緒に飛んでいく場合の「布団が吹っ飛んだ」
これは布団自体に思い入れがあり、目には見えないが思い出や記憶がその布団には詰まっている。この吹っ飛んだ出来事を機に前に進んでいけそうなシーン。
嫌な記憶がフラッシュしている帰り道、ふと見上げると自分の部屋のベランダから布団が飛んでいくのが見えた。「あっ、布団が吹っ飛んだな」その言葉ともに涙が溢れた。あの布団共にあの思いも飛んでいった。気持ちも一緒に。少し溢れた涙も一緒に。
布団は電線に引っかかって火災へ。あらあら。そんなもんよね。人生って。あらら。
・他人の知らない布団
これは本当に棒読みのごとく淡々と「布団が吹っ飛んだ」でいいと思う。
その布団を追いかけて裸足で走っていった人が「あの、布団が吹っ飛んだんです!」とダジャレを連呼しても。あぁ大変そうだな。そういえばTwitter開こうって感じ。
ね、繋がってそうで繋がってないね人間って。えへへ。
・風が強すぎて家ごと飛んでいった場合。
これはもう災害。「布団が吹っ飛んだ」ではなくこの場合は「あー」と言葉にならないだろう。オズの魔法使いのドロシーなら気持ちを汲んでいるだろう。
ドロシー「分かる。私はそのまま異世界に行ったよ」
とドロシーは昨日のことように喫茶店で話す。
店員「お客様、犬はちょっと」
ドロシー「え、これ家族なんだけど」
犬は家族なのは分かるが店のルールもねじ曲げようとする大人になってしまったドロシーだった。
・そもそも布団を持たず。床に直で寝ている。
稀有!
そんな人は「布団が吹っ飛んだ」ってワードの時点で「布団ってなんですか?」と違うクエッションが出る。本当に稀有。
「え、これが布団なんですか!?いやーうちの町にはなかったなぁ」
え、異世界?異世界転生系?
・布団が飛ばなかった。
話になりません。なぜこの疑問の中で出てくるのか謎です。吹っ飛ぶように努力してください。なるべく風が強い日に干すとか。固定しないとか。
何の助言だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?