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一人之下を読んで内なるクンフーが黄金の輝きを放ち始めた(あごぶろぐ)

金曜日の0時の瞬間に自分はスマホを手にするとブラウザを開き、ジャンプ+という大いなる地平へと飛び立つ。スマホのブラウザーサイトは高確率でクソだ。何か見ようとしても広告が下から上へと飛んできたり、いきなり巨大化して×マークの場所をズラすなどの巧妙な手段でイラつかせてくる。自分はこれらの広告を相当きらっているのでウマホでは広告が出ないページしか見ない。それはnoteとかジャンプ+……そういう戦士のための砂漠しか歩かないという強い意志を示しているということだ。WEB漫画は砂漠なのでオアシス、サボテン、毒サソリの三種類しかなく、最近ようやくオアシスが見られるようになってきたが殆どは毒サソリとサボテンを避ける険しい探索行だ。人々はページを開き、読み始める……が……砂嵐がひどく、目が開かなくなりページを閉じ、横になって寝る。そういう体験が何度も続くと人は砂漠の先へ進みオアシスを見つけた感動を忘れ、酒場に戻りアニメでウケたヤツのコミカライズくらいしか読まなくなってしまう有様だ。だが・・・少なくとも自分は危険な砂漠へ乗り出し、フードで砂を受けながら幾つものサボテンにぶつかり、ときに購読をやめながらもオアシスを求め……たどり着いた。その一つが一人之下というわけだ。

一人之下とは?

中国のWEB・クンフーバトル漫画であり、自分は見てないがアニメ化もされている。これは日本ではジャンプ+州にて掲載され始め、ちゃんとローカライズされつつフルカラーでちょうボリュームで読めてさらに金曜日に二話も更新されるのですごい勢いの漫画と言えるだろう。さらに何故か……現在(この記事を書いた今)はいしんされている全76話まで全部読み返すことができる。ジャンプ+は1,2話と最新話以外は非公開になる傾向がつよい中、これは全話読める。つまり相当の濃度のカンフーを摂取できるという寸法だ。だが……自分はこれまで酒瓶に一人之下のURLを書いて何度も海にながしたが、「読んだよ!」という応えが返ってきた試しはない。何故か? 今回はなぜこのマンガガ読まれにくいのかを研究しまず先に挙げ、一つ一つの解決策を提示していく。自分はジャンプ+という広大な砂漠を掘り進め、自力でこの一人之下を見つけ出した。つまり、自分が一人之下に触れ…生き残ったアティチュードさえあれば他の人に勧めることができ、そいつも確実に読めるようになるということだ。

・ジャンルがわからなくなって死んだ
・中国人の名前が覚えられなくて死んだ
・女キャラが全員ダサいTシャツ姿だから死んだ

とりあえず思いついただけで三つあるので一つずつ解決していく。

・ジャンルがわからなくなって死んだ

一人之下は間違いなく本格クンフーバトル漫画なのだが、一話~二話は掴みのためなのかゾンビが沢山出てきて主人公を追ったりする。後でこのゾンビーはクンフーの術で動かされていたと種明かしされるものの、二話まで読んだ人間から見た一人之下はクンフー漫画ではなくゾンビ漫画になってしまうわけだ。その他、序盤は主人公をねらう女キャラとかがどんどん出てきてハニートラップがさくれつするので今度はラブコメだと思うヤツが出てきてもおかしくない。一人之下の序盤は明らかにとっ散らかった設定をうまく説明できないせいでケオスに塗れて割りとどうしようもないことが読み返した結果はんめいしている。アニメの最序盤もこんなんだとしたら誰が見るんだ? 実際どうなのか確かめるために自分はアニメP・Vを手ずからさがしてきた。

完全にゾンビアニメにしか見えないのでもうこれは完全に失敗していることがわかる。このPVで何をすべきだったかについては、クンフーとしか答えようがない。一人之下は二期に入るとトーナメント・バトルを開始して色んなクンフー使いが犇めきあって中華4千年のクン・フー爆弾がさくれつする。このシーズンまで入ると完璧に少年漫画の雰囲気が出てくるので自分は毎話ワクワクした。一人之下のクンフーは中国本国の歴史の中で編み出された本物の知識とかが出てきて、暗器が飛び交い、人々は色んなオーラを出しながらぶつかり合い、童貞にしか使えない技とかも出てきて感心する。これらのクンフーはちゃんと各話の終わりに用語と共に流派やシステムがしょうかいされ、自分はそれぞれのバトルにすごい納得をした。一人之下の魅力は中国発で本格的なクンフー知識とかに則ったバトルをしつつもちゃんと分かりやすいようにローカライズされて解説されるところだ。だがいかんせんここまでが長く、堪え性のない日本人はせっかく全話読めるクンフーを投げ捨ててジャンプ本誌の一話無料とか、Toraぶるのカラーページだけ見て満足してスマホを置いてしまう。こいつらは完全にクンフーを捨ててしまいどうしようもない状態だ。だが、一人之下の導入が悪いのは認めるべきだ。もうこれは勧める人間が何とか解説するしかない。自分はあらすじと用語を解説する。この後は・・・なんとかしろ・・・。

あらすじ

ある日、主人公である楚嵐(そらん)の祖父の墓が何者かに荒らされる。さらに楚嵐の姉にあたる人物が現れたと聞き、楚嵐はとても混乱するわけだ。楚嵐は身寄りのないふつうの貧乏大学生であり、祖父の墓が荒らされる理由もわからない。だが・・・悪の組織である全性(ぜんせい)があやつるゾンビ部隊に襲われたことで楚嵐は否応がなしに争いに巻き込まれてゆく。楚嵐の姉を名乗った人物である宝宝(ほうほう)という女性は楚嵐を守るために派遣されたヤツであり、全性と宝宝がバチバチとバトルする中で楚嵐はみずからに眠る秘密……祖父がでんじゅした特別なクンフーの存在に気づく。全性によって楚嵐の祖父の墓が荒らされたのはこのクンフーの在り処を探るためだったのだ。クンフー使いたちは善悪に関わらず『異人』と呼ばれており、楚嵐の中にねむるクンフー…炁体源流はこの異人界全体から注目され、狙われるほどのスキルということになる。楚嵐と、楚嵐の護衛となった宝宝の過去には楚嵐の祖父……そして異人界が深く関係している。楚嵐はクンフーを鍛え、自らの力で真実を求めるために戦い始める……。

話としては主人公・楚嵐とヒロイン・宝宝が出会い、お互いの過去をクンフーしながら探し求めていくというシンプルなものなのだが、墓暴きのついでに出てきたゾンビと序盤の主人公が複数の女キャラから狙われる展開のせいで読者はジャンルがわからなくなって見限るみたいなことが起こる……自分はそう考えた。読んでないやつに説明するには「バトル漫画」だとさっさと言っておいたほうが速い。この漫画はゾンビに制圧された世界で生き残るための話でもなければ、主人公の童貞を奪うための女がどんどんやってくるにも関わらずまったく奪われないまま話が進む……そういう中途半端なラブコメみたいな話でもない。自らの運命を切り拓くためにクンフーを極めていく……そういう話だ。

用語集(ようごしゅう)

・異人(いじん)
一般人と違い、クンフー術を持った奴らだ。いわゆる超能力者みたいなカテゴリだと思え。主人公の楚嵐はものがたりの開始時にはただの大学生だったので異人ではなかったが争いに巻き込まれるうちに異人界に深く関わり、筋肉と術が支配する異人界へと入門する羽目になった。先天性、後天性に関わらずクンフーを持つ者はぜんいん、異人と呼ばれる。

・炁体源流(きたいげんりゅう)
楚嵐が祖父から受け継いだとされる特殊な術だ。炁体源流を始めとして八つの秘術が存在するとされ、異人界の秘宝とされる。これらの術は要するにネットゲームにおけるスキルブックなので、持ってるヤツが伝授しようとすれば普通にできる。使いこなせるかどうかは別の話になるようだが。

・守宮砂(しゅきゅうさ)
楚嵐が祖父に刻まれた刻印だ。これはPENISに入っており、楚嵐に興味のない女が手を出そうと迫るとどれだけセックスパワーがあっても守宮砂に拒否される。なぜこんなものを刻まれたのかは不明だが、たぶんハニートラップで秘術を楚嵐から奪われないための策だとおもった。だがこの刻印のせいで序盤は女キャラが楚嵐をゆうわくしようとするのでラブコメみたいな雰囲気が出たりして混乱の元になる。クンフーバトルが始まると完全にどうでもよくなる設定なので忘れろ。最初からラブコメが見たかったやつはかくじつに期待はずれなのでTorabuるのカラーページでも見てとっとと寝ろ。

・全性(ぜんせい)
わるい組織だ。こいつらはクンフーを好き勝手使おうとするので当然そんなことをすれば色んなやつが大変になるし、異人界は禁止するわけだ。それでも倫理観とかを無視してでも好きにクンフーしまくりたいという欲求がこいつらを悪の組織へと集めた。こいつらはクンフーが好きなのでその秘密に迫っていてチョーつよいスキルである八つの秘術も欲しがっている。だから異人界の秩序勢力と全性でもめまくるわけだ。

・速達(そくたつ)
「どこでもお届け速達」という国有の配送業者だが、裏の顔は異人界の監視役だ。ヒロインの宝宝はここに所属し、最初から楚嵐を監視していた。楚嵐や宝宝の紹介はたぶん下のほうに書く。

・羅天大醮(らてんたいしょう)
「天師選抜会」として開かれた異人界のバトル・トーナメントだ。少年漫画の醍醐味だと言える。アニメ2KOOL分くらいこの羅天大醮編をやっているのでかなりのボリュームであり、どんどんキャラが出て色んな術が出てくるのでここまで読め……そういう章だと言える。ここまで読めれば確実に一人之下という漫画をモノにして、生き残ったと勝ち誇って良いだろう。

「導入が悪いという明らかな弱点がある漫画を読む必要があるか?」 飽食の時代なのでそういう腰抜けのスタンスをあたかも賢いと思い込み言ってしまうヤツもいるだろう。しかしこれには確実にNOと言える。漫画というのは生き物なので、時にやせ細ったり肥え太ったり、見当違いの方向へゆく。それでも面白いという路線へ向かっている漫画を我々は読み、楽しむことができる。一人之下の導入はかくじつに悪いが、シーズン2である羅天大醮編からはぜったい面白いと自分は太鼓判を押せる。だからこのnote大陸に来た。レジェンド漫画の一つであるスラムダンクを当時自分が読んだとき、序盤は完全にヤンキー漫画で退屈極まりなかった。だが、後半は熱いバスケが繰り広げられて三井くんもスリーを決めまくった……そういうことだ。序盤がよくわからなくとも、中盤から面白くなれば見ごたえはできる。この漫画は日本ではスラムダンクレベルで流行ってないので、面白さを保証してくれる読者は少ない。だが、少なくともここに自分が立っている。自分はかつてその砂漠を渡ったものだ。ここまで来い。自分には自信がある。こっちで一緒にクンフーし、一つの饅頭を分け合って食おう。

・中国人の名前が覚えられなくて死んだ

一人之下は中国発のマンガなのでキャラクターの名前は中国人ネームだ。中には何を当然のことを? と思うかも知れないがこれで脱落するヤツは確実に多いはずだ。別に異国の名前でも問題なく覚えられるヤツはここを読まなくていい。酒でも飲んで、くつろいでいてくれ。ここは覚えられないやつ向けに書いている。自分も覚えにくい方なので、これは自分の体験に基づき書かれていて信頼性が高いと言える。ハリーポッターを知っているか? 自分はアレを最初に読んだ時、ウィーズリー家のヤツらの名前がたくさん出てきて死にそうになった。なに? ビル・・・チャーリーはどいつだ? パーシーは? ハリーのともだちになったロンもビーンズの味が鼻くそとか耳くそとかで一喜一憂するような強烈なあほで腰抜けに見え、バカらしくて読むのをやめそうになった。だが……自分は最終的には物理チェスバトルで果敢に戦ったロンを認めたし、ウィーズリー家の連中の名前も覚える気になった。後にちゃんと覚えた。つまり、人間はやればできる。異国のキャラクターで沢山出てきて頭が割れそうになっても、相当読む気があればなんとかなる。一人之下は数十話以上のボリュームを一気読みできてしまうがために己の内のクンフーが暴発しどんどん出てくるキャラの名前が覚えられなくなり、ページを閉じてスマホを窓の外に投げ捨てたくなる時が来るかも知れない。だが、かつてウィーズリー家の名前を覚えた時のことを思い出して何とか城……。

名前と顔が一致しないやつ向けにキャラクター紹介をする。
ここで書くのは自分が個人的に好きなやつだったりするので話を追う中で役に立つかは知らない。

・張 楚嵐(ちょう そらん)

一人之下アイコンの男であり、主人公だ。本編ではこんなに精悍な顔立ちはしていない。こいつは幼い頃に祖父からクンフーを習っており、異人側の人間だったが祖父の言いつけ通りにクンフーを使わずに生きてきたので大学生になるまで異人界から目を付けられることはなかった。そういう辛抱強さや抜け目なさを持ち合わせた男だと言っていい。
こいつは最初は巻き込まれて異人界に入り、色んなヤツにナメられたりしていっぱいいっぱいになる。さいきんのマンガ読者はいっぱいいっぱいのやつを嫌い……COOLな方へ流れていく傾向があるのでこいつは好かれないかもしれない。だが、羅天大醮編まで来ると楚嵐は真の男として覚醒し、ものすごいクンフーで戦い始める。楚嵐をナメたことを読者と敵は後悔するだろう。

・馮 宝宝(ふう ほうほう)

たぶんこの漫画のヒロインだがそうは感じさせない。こいつは外見は20台くらいで止まっているが不老不死の存在であり、出自をじぶんでもわかっていない。我流のクンフーを持ち作中でもそうとうの実力者と言えるだろう。感情に乏しいが自分のルーツを探すということへは固執していて、楚嵐の祖父の秘密を追うことで自分の出自に近づけると信じて共に行動している。楚嵐はそういう宝宝の不安定なところを中盤でわかり始め、その心に寄り添おうとする。先に言っておくがこいつのサービスシーンは序盤を越えるとほぼほぼなくなる。

・張 霊玉(ちょう れいぎょく)

異人界のトップ、龍虎山の老天師の弟子だ。つまり相当なエリートということになる。高潔で礼儀正しいがその一方で主人公の楚嵐に習得できた技を自らが習得できないという理由から楚嵐を毛嫌いしているなかなか人間味のあるやつでもある。楚嵐のライバルと言って良いだろう。

・王也(おうや)

武当派の弟子だ。武当派というのは他のクンフー作品にも出てくる、いわゆる中国武術の一派と言えよう。ただし一人之下は格闘漫画ではなくクンフー漫画なので術主体の異人が多く、意外と武術出のヤツは少ない。王也は気だるげで髪が薄そうだがやる時はやるヤツで、すごい隠し玉を持っている真の戦士だ。楚嵐と同世代にこういうやるヤツが集まってきて、羅天大醮編で参戦するので羅天大醮編まで生き残っていれば魅力に取り憑かれるはずだ。

・諸葛 青(しょかつ せい)

細目のヤツだがそこそこ良いヤツなので安心しろ。諸葛青は諸葛孔明の子孫だ。一人之下においても孔明はすごいクンフー術使いとして名が残っており、奇門遁甲と呼ばれる占術を修行している。こいつは当初はちょっと天狗だったが同世代のすごいヤツを見ていくうちに調子乗りをやめ、真の戦士としての面構えができてきてカッコいい。

・張 之維(ちょう のい)

龍虎山の当代老天師といういわゆる異人界の頂上に立つ爺さんで霊玉の師匠でもある。十老と呼ばれる10人のクンフー・マスターに所属する一人でもある。コイツが龍虎山でバトルトーナメントをやると言い出したので異人界は震え、羅天大醮編が始まる。つまり重要人物だということだ。作中でだいたい最強であり、楚嵐が知りたい秘密についても知り得ている。だが・・聞き出すのは一筋縄ではいかない。この爺さんと他の十老は読者が想像している中国のクンフー爺というイメージを完全に体現しておりかなり強く、あるいは狡猾なので自分は恐れ入った。こいつらは一枚岩ではないので常に若い者の陰で政治バトルをしている。そういう異人界の影を楚嵐たちは払えるのか? 今のところはまだわからない。

自分はハリポーッターに学んだが異国の登場人物の名前を覚えるには登場頻度が高いかどうかより、ストーリー重要度や自分が好みかどうかで覚えたほうが手っ取り早い。出てきたヤツを全員覚えようなんてすると羅天大醮編でどんどん出てきて顔とクンフーと名前が一致しなくなり、「もう他の漫画に帰る・・・」などと泣き言を言う羽目になってしまいかねない。だが集英大陸横断特急であるジャンプ+に乗り込んだのに本誌れんさい漫画の一話を見て満足して帰るのは相当もったいない。砂漠で飛び降り、一人之下というクンフーを身に着けろ。一人の戦士を覚えるたび、読者はひとつ強くなる。これがクンフーだ。

・女キャラが全員ダサいTシャツ姿だから死んだ

この漫画に登場する女キャラクターはTシャツにHOTパンツが標準装備であり、それ以上の服装をしていることは少ない。ほぼ普段着で戦う……これはどういうことだ? 作画コストとかのなんかなのか? HOTな服装や服が敗れてオッパイが出ることを期待して一人之下へ訪れたヤツは失望し、泣き崩れ、TORABURUのカラー頁へと帰って慰めてもらい、旅は終わる……。一人之下の女性キャラは完全に普段着で戦い、テンションが上がったことで露出度が高い服に変わったりそういうサービスはない。これはぬか喜びさせないようはっきり最初に言っておくべきだと思った。

罰ゲームのようにダサいので作者が女のファッションに恨みがあるのかとも思ったが、たぶんそうじゃない。これは中国の漫画は日本の漫画のように衣装をキャラ記号として用いる気がないという判断なのだろう。もしくは逆に服装がTシャツか否かでその女性キャラの性格を表すSIMPLEな基準とも考えられる。なまじフルカラーで作画が良いので読んだヤツは圧倒的なTシャツ率にビビってしまうだろう。

一周まわり、自分は真実へたどり着いた。TシャツとHOTパンツという普段着でもクンフーは変わりなく使える。それは装備が違うと弱くなるとか、そういう複雑な要素の絡まない真のクンフーの世界を体現していると言える。想像してみろ。超着込んだヤツが出てきて、装備のうんちくを垂れ、挙げ句の果てに装備が壊れたら何もできなくなり……クンフーも諦め、泣きわめき、死ぬ。そんなヤツを見ていても哀れさしか湧いてこらず、楽しくないのは確実だ。一人之下にそんな腰抜けはいないのでTシャツで戦い、時に負け……時に勝利する。常在戦場であると、その姿はにょじつに表していると言えよう。そういうスタンスを貫くことの輝きが一人之下では表現されている。TシャツとHOTPANTUによってだ。

クンフーをモノにしろ

フルカラーで展開されるクンフーバトルには疾走感があり、本格的な知識に基づいて描かれているのでかなりの説得力を以て描写されている。一人之下で取り扱われている技はいわゆる中国武術よりも道教の方術が多く、バトルの方向としては術>>カラテとなっている。格闘漫画ではなく、クンフー漫画ということだ。自分はあまり日本ではクンフー漫画を見たことはないので一人之下で目にするクンフー術はすべて目新しく、新鮮な輝きを放っている。漫画としての描き方や絵はかなり日本風と言えるが、肝心の部分でこの漫画は中国発であり、中国のクンフーや歴史に比重を置いて進んでいる。強い芯があるということだ。羅天大醮編までは伏線だけが張られジャンルのいまいち掴めなかったこの漫画もバトルトーナメントの開始と共に本格クンフー漫画として筋の通った展開を見せる。それを見た時、自分は一人之下のやりたいことを魂のレヴェルで理解し、こいつはすごい漫画だ・・・と胸を打たれた。この漫画の本編はたぶん相当先の展開まで行っているので、ジャンプ+特急では毎週二話ずつ更新される。フルカラーで、超ボリュームなのに二話だ。しかも誰でも一話から最新話まで全部読める。ここに帝国の張った罠はなく、飛びついたものが課金させられたり人体実験の材料にされるようなブルシットは存在しない。

一人之下が今後どうなるのか? アニメ版はちゃんとにほん人が見るのか? それはわからない。今のところ旗色は良くなさそうだ。漫画とアニメは完全に別の生き物であり、テンポとかで全然変わるからだ。これは一概には言えない。SNSとかで調べてもあまりHITしないので反響もわからない。だが・・・SNSでそこそこHITするから見るとか、見ない・・・事はもはやそんな腰抜けの段階にはない。自分はジャンプ+が一人之下を更新し続ける限りれんさいを追っていく。しょせん漫画読みの道というのは大抵は一人で歩いていくものだ。砂漠の旅も然り。そこに数多の読者がいるかどうかは関係がない。自分は面白いと思ったものを面白いと言う。一人之下は間違いなく芯のあるクンフー漫画で面白い。魂を感じる。ゆえに・・・自分はこの生地に黄金のクンフーを注いだ。一人之下が日本で受けるかどうか、それは完全にわからないし、そんなことに興味はない。自分はこの記事を砂漠に看板として打ち立てる。いずれこれを見て、一人之下でクンフーを始める者がいるかもしれないからだ。自分は毎週金曜0時、このジャンプ+砂漠の果てのオアシスで水を浴び、クンフーする。その黄金体験がしたければ、ついて来い・・・。

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ドーモ! ドネートは常時受け付けています。 ドネートはときにおやつやお茶代に使われます。