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Tap Ninjaで手裏剣ボルテックスをキメろ(あごぶろぐ)

自分は常に深い森に分け入って誰も見たことが無い黄金の果実を探しているが、たまには市場を歩いてもっとも売れている流行りの果実をふつうに買う。なぜならそういうバランスを取らなければコンテンツを見定める眼は曇っていき、ただの愚かなる獣へと還ってしまうからだ。今回、自分はそうした本能と理性のバランスを整えるために町へ出向いて苛烈な市場調査を行った。するとあるコンテンツに人々は夢中になり、夜通しエキサイトしているというデータが浮き彫りになった。それが……Tap Ninjaだ。Tapninjaは日本語対応している。

・Tap Ninja……

自分がゲームを始めるとすでにニンジャは走り出していた。おそらくインストールするより前からクラウチングスタートの姿勢を取っていたことは間違いない。そういうやる気に満ち満ちていた。流れているBGMはやけに牧歌的だ。

余計なチュートリアルはなく、ただ疾走するニンジャだけが映り続けている。わかりきった合成システムを体験させて大したことでもないのに声高に褒めてくるナメくさったナビゲーターキャラとかもいない。おそらくいたとしてもニンジャに首を落とされて死んでいる。リセマラもなく、☆5限定ニンジャとか☆3ニンジャみたいな性能差は存在しない。呼んでないのにしゃしゃり出ることでお馴染みの企業Wikiもニンジャの危険性を恐れて参戦していないのがわかるだろう。

そしてニンジャはプレイヤーが何もしなければ、ただ走っているだけだ。ただ走っているだけなのでサムライとぶつかっても何も起きない。気まずそうに身震いするだけだ。だが、プレイヤーがひとたびマウスクリック(TAP)するとニンジャは剣をすごい勢いで振るい、前方を切り払う。これで間抜けなサムライを切り伏せろ、そういうことなのだ。

ゲーム開始直後のニンジャは一文無しだがサムライを倒すことで金を得て、その金でまずは農場を作る。農場ボタンを押すと農場が一つ増える。農場を購入することで経営がはじまり、管理者であるニンジャに金が入ってくるようになる。これで何もしなくとも収入を得ることができるというわけだ。だが、これで終わりではない。プレイヤーが目指すのは穏やかな老後を約束された農場経営者ではなく、刹那を生きるニンジャマスターなので当然武芸を極めていく必要がある。

右のメニュー画面にあるポーションみたいなアイコンを押すとニンジャのスキル画面が表示される。スキルにはティアーーがあり、果てしなく過酷な鍛錬の道がそこに広がっていることが一目でわかる。内容としては施設で得られる金を増やしたり、サムライを倒した時の金ドロップを増やすことができる。討伐と経営でうまく資金繰りをし、スキルを身に着けて成りあがっていくのがこのゲームの目的だ。ティアーを駆け上ることで新たな敵やアビリティが出現し、危険な修行が彩られていく。

ここまでのひととおりの説明を読んだところで世の中の大半のやつはこう言うだろう。「なんだ、放置ゲームなのか。じゃあやらなくていいや。おれがやりたいのはもっと血の通ったエキサイティングでスリルのある大剣なんだ」そんなふうなわかったようなことを言い、しかし学校や職場から帰ってもさしてやる気があるわけでもなく、大口をたたいた割りにはYOUTUBEのあとで見るプレイリストに入れておいた動画を流しながら寝落ちすることまで自分はお見通しだ。甘く見るな。STEAMのページを見ればわかる程度のことを書きにわざわざNOTE大陸往復切符を買って足を運んできたわけではない。Tap Ninjaの本質をこの大地に刻み付けるのが今回の記事の目的だ。

・まず始めろ


Tapninjaはスピードが支配する世界であり自分もそれに準じているので単刀直入に言う。まずはゲームを始めろ。STEAMでもアップルでもなんでもいい。自分は「少しでも気になったら触ってみるといいかもです、もしお気に召せばですけど…」みたいな弱腰で文を書きに来るほど暇ではない。自分が実際にやってみて頭が爆発するほど面白く、開発元にリスペクトを送る作品しか推薦しにこない。ウオッシュリストとかいう後回しはやめてかかってこい。そんなその場しのぎが通用するほどニンジャは甘くない。靴ひもを締めろ。前に進み続ける意味をこのゲームから学び取るときがきているのだ。

とはいえそれだけだと読んでいるやつが困惑し、背中からニンジャに刺されるかもしれないのでTapninjaをさっさと始めるべき理由を大まかに二つだけ語っておく。

一つ目はプレイ開始日数ボーナスという存在があるからだ。これは後述するアセンションに関わる要素であり、ゲーム開始時から無条件に適用されるわけではない。しかしプレイ日数というゆるい条件でニンジャがサクセスに近づく以上はスルーする理由がないからさっさと始めてしまえ。あの放置ゲームのマスターピースであるクッキークリッカーも一日一個もらえる角砂糖を集めておくだけでかなり楽ができた。ニンジャも同じだ。たとえ追手に追われていてまとまった時間をプレイに使う余裕がないやつもSTEAMでダウンロードするくらいのことはできるはずだ。ダウンロードすら行う時間がないやつはそもそもこの記事も読んでないだろうから考慮しない。

二つ目の理由はそもそもこのtapninjaがゲームとして解説する必要がなく面白く、この記事を読んだやつが得た情報を持ち帰ってプレイするか否かを協議する必要性がぜんぜんないからだ。そんなのは時間の無駄だ。なぜなら無料でインストールして始めるだけでPCやスマホのバックグラウンドでニンジャが走り始めるわけであり、もうその時点で満足感がある。

想像してみろ。考えるだけでゆううつになるような膨大な作業を額をもみながらこなしている間、後ろでニンジャが走っているかそうでないかではメンタルに大きな違いがあるはずだ。あいつが頑張ってるんだしおれも頑張ろう、そういう前向きな気持ちにさせてくれるだろう。ニンジャが走ることでマイナスイオンが発生する可能性もある。

仮に始めようとしたところで声をかけてきて放置ゲームなんて時間の無駄だからやめなよ、みたいなことを言ってくるやつが周りにいたとする。そう言われると我に返り、もっと有意義なことを探そうという気持ちになるかもしれない。だが、親切ヅラでアドバイスをしてくるそいつは実のところニンジャなので信じるな。そいつの裏ではしっかりニンジャが走っており、着実に金を貯めている。そして油断して背を向けた瞬間に後ろから鈍く光るクナイで突き刺してくるだろう。

そもそも人の時間の使い方に口を出してくるやつにろくなやつはいないので、全員ニンジャだと思って疑ってかかれ。逆にニンジャを勧めてくるやつも信用するな。この記事もどこの誰が書いているかわからないから全面的に信用するな。自分自身の意志でニンジャしろ。

・サムライを斬り、トンボを撃ち落とせ


意気揚々とニンジャを走らせ始めたものの、金が思うように貯まらずに伸び悩む場面が来ることだろう。ハッキリ言ってこのtap ninjaにおいては放置しているだけでは成功を掴むことなどできない。そもそもこの手のゲームに明るくないやつは思い違いをしていることが多いが、「放置ゲーム」というのは放置しているだけで金を稼いで石油王になれるゲームジャンルではなく、工夫と熱意でインフレーションを巻き起こすものだからだ。

クッキークリッカーも一時期大流行りしたことでババアを怒らせて虫にクッキーを食わせながら放置するゲームだとばかり思われているが、実際に真面目にやりこむとドラゴンを使役し、呪文を唱え、信仰を切り替え、農場を経営し、株をやり、角砂糖を食いながらすごい勢いでクッキーを叩くゲームだということがわかる。怒れるババアと虫などほんの序の口だ。結局めちゃくちゃにバフを掛けてクッキーを叩きまくるのが一番うまい。ニンジャも同じだ。

たまに画面の向こうから輝く飛翔体が現れるのを見たことがあるか? あれはトンボだ。どう見ても蜂のシルエットだがトンボとされている。黄金に輝くトンボをマウスクリックで狙うとニンジャは手裏剣を飛ばし、トンボをしとめる。トンボを撃ち落とすことでボーナスが発生し、まとまった金や一定期間の収入を増やす強力なバフなどを得られる。これがこのゲームで成功を収める上でいちばん重要な要素と言っていいだろう。わかりやすく言うとトンボ=ゴールデンクッキーだ。バフが掛かった後は全力でエネミーを斬り倒し、倍増した収入でまた施設やアップグレードを更新していく。もちろんトンボを倒すのには画面を見ていなければダメだが、そんなことは些末な問題だ。

ゲーム開始序盤はトンボはかなり気まぐれでどれだけ目を凝らしていてもすぐにはやってこない。しかし後述する転生を進めていくことでトンボのほうからニンジャに寄ってくるようになる。そうなるまで少しの辛抱が必要だが鍛錬の道に近道はないからそういうものだと思えばいい。この辺りのバランス調整は割りとユーザーから突っ込まれており、いずれもうちょっと放置で稼げるようになるかもしれないが最終的にはトンボと気合が必要なので皮算用はやめておいたほうがいいだろう。ウサギとカメの話を思い出せ。

・転生で強くなる

ニンジャならば画面の右上に紫色のゲージがあるのが見えるだろう。ゲージの上には数字と、ナスビじみたアイコンが乗っかっている。これはインフレーションを起こすために必須となる「転生」と呼ばれる要素だ。

右のメニューから転生画面を開くとスキルツリーのようにアップグレードが広がっているのがわかるだろう。このアップグレードは通常の金ではなく、転生時に取得できる仙薬を消費することで開放できる。転生ゲージは金を稼ぐことで上がり、満タンになると仙薬が増える。つまり稼げるだけ稼いでから転生し、仙薬を握ったまま来世のニンジャを始める……これをループしていく。転生したら一からのやり直しになるが稼いだ仙薬数に応じて転生ボーナスが付くようになっているから短時間で元通りという寸法だ。

このアップグレード樹系図は遥か遠くまで広がっており、見ているだけでワクワクする。自分は「ママレード」「金庫」「おにぎり」辺りが気になる。


かつてババアの下でクッキーをしこたま焼いてならしたやつならすぐにピンときているだろうが、この「転生」という要素はインフレーションを巻き起こしていく上ではもっとも重要になる。ニンジャをやっている限り、必ず伸び悩む冬の時代がくるだろう。それを突破して躍進を遂げるために必要なブレイクスルー……それをもたらすのが転生アップグレードだ。ここからは自分が重要だと思ったアップグレードについて紹介していく。

ちなみにはっきり言っておくが自分は数字が苦手なので計算はまったくしていない。仮にできたとしてもホワイトボードを引いてきて、ではこれからニンジャの計算を説明します……みたいにやり始めた時点で記事のパッションは消失し、単なる数学の授業になるのでやらないのに変わりはない。

スピードステップ増加

Tapninjaにおいてニンジャは常に走っているが、敵を斬り倒せば倒すほどに加速していく。そのために必要なのがスピードステップだ。加速すればするほどに接敵するスピードが上がり、スレイ効率は上がっていく。敵を見逃してしまうとニンジャのモチベーションはだだ下がりになり、ヨタヨタとおぼつかない足取りになって今にも酒場に転がり込んでくだを巻きそうな有り様となるから注意しろ。スピードステップ増加のアップグレードを取ることでニンジャは加速し、翼を得る。重要だ。素早いニンジャと素早くないニンジャ、どちらがより高いニンジャ性を備えているか少しでも考えを巡らせればわかるだろう。

→敵の出現頻度を上げるアビリティ

スピードステップ増加と合わせてニンジャと敵のバトルを加速させてくれる能力だ。ニンジャの仕事も増えて金も増えるし、爽快感もアップする。良いことづくめだ。

→エナジーアビリティ

転生アップグレードからエナジーアビリティを開放することでエナジーアイコンが生成され、これを押している間はニンジャが自動で敵を切り払ってくれる。エナジーがなくなると効果が終了し、敵を倒すことでまたゲージが回復していく。このゲームにおいてはトンボバフを掛けたままスキルや施設をいじったり、転生を確認するなどのマルチタスクを要求される機会があるからスピードを落とさずに様々な操作を行うためにほぼ必須だ。もちろん24時間パソコンの前で高速クリックできる無慈悲なキラーマシンには必要ないから忘れていい。

→鉤縄

ニンジャ主武装の一つであるフックロープのことだ。ニンジャが高層ビル群を飛び渡るのに使っているのをよく見るため、このニンジャ道具を知らない者はまずいない。このアビリティを開放することで左下に禍々しい「鉤縄」ボタンが出現し、押すことで目の前の敵に鉤縄を投擲する。鉤縄で敵を捉えることに成功すると自動で切り払い、おまけのマネーボーナスも付く。

→手裏剣ボルテックス

手裏剣ボルテックスだ。雨のように大量の手裏剣を投げ、画面内の敵とトンボにオート攻撃を仕掛ける。これにもマネーボーナスが付く。序盤は敵の数が少ないため大した数の手裏剣を投げることはできないが、転生が進むにつれて頼もしいスキルとなっていく。当然侍フレンジー発動中にも全ての敵をオートエイムするので地上の侍たちは薙ぎ払われ、金と宝石が画面内を乱舞し、とんでもないインセンティブが闇の政府から支払われる。最高だ。

→クリティカルヒット

極低確率で刀の一閃がクリティカル攻撃になり、赤い光が出てかっこいい。


・毎日カギをもらったほうがいいが毎日やれとか言われるとカチンとくるのもわかる


Tapninjaでは毎日カギがもらえるようになっており、右のメニュー欄からビックリマークを押すことでカギを用いて試練に挑戦することができる。試練は順番にクリアするようになっており、敵を見逃さずに倒していくことで報酬がもらえるという寸法だ。一度開放した試練は失敗しても特にペナルティなくやり直すことができる。ふいに犬の奇襲でのど元を食いちぎられて失敗しても無問題だ。

試練で入手したスターは「スターアップグレード」でアップグレートを獲得するために使え、それぞれ強力なアップグレードとなっている。カギは毎日もらえるから毎日見逃さずに試練を開放したほうがいいが、毎日ログインしてなんかするという、現代のスマホゲームの習慣じみた仕組みに嫌悪感があるやつもいるだろう。自分も毎日やったほうが得などの文言は基本的に信用していない。だが、こういうアップグレードを積み重ねて着実にでも強くならなければ冬の時代の中でニンジャが凍え死ぬことも想像にたやすい。雌伏のときだと思い、グッと堪えろ。

・スピードの世界が待っている


Tapninjaはかなり精力的に今後アップデートを続けていく様子であり、ロードマップがSTEAMページで公開されている。それによるとペット飼育やアーティファクト作成、次元を超えた戦いなどが随時追加されていくようだ。何が何だかはわからないが、とにかくすごいことが起ころうとしているのは確かだ。この記事を書いている現在は春のイベントが開催中であり、桜吹雪がものすごい。

放置ゲームは詳しくない者が見ればどれも似たり寄ったりであり、クッキーかそれ以外かという大雑把な見方の者も多いだろう。実際にどの放置ゲームが優れているかを的確に判断するのは難しい。自分は放置ゲームを始めるときはどのくらい精力的に更新していくつもりなのかをチェックする。放置ゲームは最初からやること自体はほぼ変わらないので、どれだけインフレーションしていくか。そしてそのインフレーション感をどれだけゲームが演出できるかが肝要だ。クッキーは話題になった後も少しずつ更新し、農園や株式市場が生まれた。後発がそのボリュームを最初から出すのは難しいが、素晴らしい未来を提示することはできる。自分はTapninjaロードマップに輝けるものを見たからこのゲームを始めたのだ。

Tapninjaは丁寧に作られており、アホが考えたPOPUP広告が一分ごとに出てきて課金を猛烈に促してきたり、UIがぐちゃぐちゃで掃除してない部屋みたいになっていることもない。温かみのあるドットの世界でずっとニンジャが走り続けており、余計なものは存在しない。ニンジャと抹殺対象、そして雄大な自然で構成されたこの箱庭はよくできたスクリーンセーバーのような美しさがある。

法治ゲームというジャンルは無料のスマホアプリで山ほども似たようなのが出てくることから軟弱者向けのあそびであり、ゲームではない……そういう見方をされることも多い。しかし真の放置ゲームはハクスラを煮詰めたような爽快感と決断の連続があり、血沸き肉躍るものだ。Tapninjaでは無機質な数字がただ増えていくだけではなく、稼いだ金でニンジャが着実にRANKUPしどんどん俊敏になっていく。そういうスピードだけが支配する世界への招待チケットがこの記事だ。わかったら今すぐに間抜けな棒立ちサムライをやめ、疾走するニンジャとなれ。

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ドーモ! ドネートは常時受け付けています。 ドネートはときにおやつやお茶代に使われます。