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先生とフルートと私 2021.7

先生が何か違うという顔をする。私は もう一度丁寧に注意深く そうなるように吹いてみる。スマホの向こうの先生は、両手を上げ笑っている。「あ~出来てないのかー」 要は こういうことだ。1小節に8分音符が4つ、等間隔に吹けばいい。これは誰でも出来る。そこに装飾音符が 一つ置きにつく。これも誰でも出来るのかもしれないが、私には出来なかった。装飾音符のついている音が、少し早い らしい。あるいは装飾音符のついている音の1つ前の音が、少し短いとも いえる。らしい と言ったのは、先生が私の吹き方で吹くと(たぶん大げさに) 確かに おかしいとわかるが、自分で吹くと とんと わからない。先生は『まず 装飾音符なしで吹いて、それからテンポを変えずに装飾音符をつけて 練習しなさい』と、実は前回も言われていて、練習してきた上での、この体たらくだ。今度は、8分音符でのテンポを聞いて、『それで練習を』と、メトロノームの“カチカチ”という音に合わせ8分音符を吹く。1つの音に1つの“カチ”だ。ゆっくりのテンポがちゃんと出来てから早いテンポへ。気が短いのか、よく出来ていないのに 早いテンポに進んでしまうのが、いつもの私だ。急がば回れか。それに おかしいところを おかしいと気づけないなんて、おかしいだろう。絶望的ではないか? 気づけないんだから 当然 直すことだって 出来やしない。

さて、最初に書いた先生のしぐさ、両手を上げ 天を見上げて笑っている。これって まさに、お手上げ状態。文字通りでわかりやすい、見本のような お手上げ状態ではないか。気づいた私は、笑いが止まらない。

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