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ついてない日

今日は ついてない  と思うことは、誰にでもあるだろう。ある日の私、その日は休みを取っていて、あれや これや しようと決めていた。まずは洗濯だ。ところが朝起きると しっかり雨、洗濯は あきらめた。

それでも しばらくすると 雨が止んだので、コロナで 何となく控えていた クリーニングを出そうと、曇り空の下、コートを袋に入れて 自転車に乗った。久しぶりの いつものクリーニング屋さん、あろうことか なんと なんと つぶれていた。私のように控えた人が多かったのか、チェーン店ではないので、1年以上も続くと もたなかったのか、コロナは恐ろしい。もっと早くクリーニングに来れば良かった。

今、乗ってきた自転車の修理、こちらも しようと決めていたので、今度は自転車屋に向かった。自転車の変速機が もうダメになっているのと、変速機を動かす ためのワイヤーが 1本 切れている。満身創痍 状態で、だまし だまし 乗っていたのだ。自転車屋さんによると、もう古すぎて この自転車に合う変速機がないらしい。でも うまくいくか わからないけれど 近い変速機で試してみると、一度は言ってくれたが、どうもやはり私の自転車のフレームは 付けられるようにはなっていないという結論になった。「最後まで大事に使って下さい」と言われ 返されてしまった。初任給で買った、ツーリングにも何度も一緒に行った、思い入れのある自転車、だからだから、その日が来るまで 大事に乗っていくつもりだ。つもりだが やはりガッカリである。

さて、クリーニングだ。新しいクリーニング屋さんを見つけてお願いするしかない。とりあえず 自宅近くのク*リーニング屋さんに入って お願いしたのは よいが、コロナで しばらく ほったらかして、ぶら下げていたコ―トは、うっすらとカビていたらしい。私は気づかず持ってきてしまったが、店内、かなり気まずい空気になってしまった。

こう  うまくいかないことが続くと 決まって私はこう  つぶやく。「今日は、ついてない。早く帰って寝よう」っと。自宅に戻って、今日のついてない っぷりを 振り返っていたら「あっ」と思い出した。

今日の私、ついてなかったのは間違いないようだ。確信した。だが しかし、救ってくれた人がいたのだ。それを思い出した。

家に帰る前、スーパーマーケットに寄った。諸々のものに加え みかんS を 1袋買った。レジに並んで 順番がくるとレジの人に こう言われた。『こちらのみかん、傷んでいるようですので 違う商品に 替えても よろしいでしょうか』と、私は びっくりして「ぜひ、お願いします」と言った。けっこう 私は 買い物の時、吟味する方で、自分なりに 出来の良いもの、新鮮なもの、消費期限、産地 と色々 見て決めるのだが、そんな腐ったみかんを手に取ってしまったこと自体、今日は どうも おかしく、やっぱり ついてないと 言わざるを得ない。でも そこから、あのレジの人は救ってくれたのだ。それに気がついたとたん、今日のこと すべてがチャラになったような気がした。おかげで 今日は   ついてない日、ではなくなった。

ついてない日は、時々 やってくる。でも、ついてない日が、そうではなくなる。そんな  日は、そうそう あるものではない。だから ここに記しておこう。レジの人への感謝とともに。


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