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愛してる

私は、今は亡き母に繰り返し伝えてきました。「愛してる」と。

母が肺がんと診断され、3ヶ月と余命宣告されました。抗がん剤治療をしました。副作用で動かなくなっていき、オムツで生活するようになり、発熱し、食事も質素になり、髪が一気に抜け、一緒に生活する私もうつ病なのでまともに看病や介助をすることが困難でした。色々調べて、食事を作っていたのですが限界に達し、今でも料理をすることができないです。なので、ヘルパーさんを頼みました。ヘルパーさんでも全ての方が料理を得意としてないので、何度となく替えて頂きました。うつ病が悪化し、人との接触が困難で買い物にも行けませんでしたから。スーパーがとても怖いのです。

そんな中、私は考えました。
母に寄り添えることを。

私は、ご承知の通り言葉を上手く操れません。直感と感覚で生きてきました。時には誤解されたり、誹謗中傷もされ、病も理解されず、自分が黙ることで時間が解決すると思っていました。しかし、このままでは最愛の母を失ってしまう。必ず後悔してしまうと確信しました。考えた結果が、

『愛してる』と伝える


『愛してる』は魔法の言葉


「好き」や「大好き」は誰かに伝えることはあります。可愛い女性や恋愛感情を持っている異性に。でも、「愛してる」は外国人の「I LOVE YOU」くらいしか知りませんでした。自分が言葉にすると想像していませんでした。

母に伝えてみようと突然思い浮かびました。「愛してる」と。

最初の頃は、母も凄く喜んでくれました。その顔が見たくて、何回も何千回も何万回も何百万回も。しかし、人は言葉に慣れ、伝えすぎると嫌がるようになります。

しかし、『愛してる』と伝えてから、病が緩和してきたのです。余命3ヶ月を過ぎても生きていました。結局、闘病でしたが2年半で旅立ちました。人は愛されることが何よりも薬になると思いました。

だから、本当に愛して大切な人には恥ずかしいかもしれませんが伝えるべき言葉だと思うのです。そう、

愛してる、と。

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