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「副業の事業収入は300万円以上!」はハードルを下げたという件

このはなしの経緯をザックリ

サラリーマンの副業をする人は税務署に「開業届」を出し「事業所得」として税申告すると節税することができます
開業届を出さないと副業収入は「雑所得」扱いとなって、経費はごく限られたものしか落とせませんが事業所得になると関連する出費、たとえば事業で使うパソコンやセミナー出席代金などなどが経費で落とせますから儲けにかかる税金は安くなります
なので副業する人は税務署に開業届を出して事業所得で税申告する道はもはや王道と言えるでしょう

ところが少し前から、税務署の言うところの「過度な節税」が目立つようになりました
事業収入から経費を引いたらマイナスになった場合、給与などの所得からそのマイナス分を引く「損益通算」を利用して節税する人が増えたらしい
損益通算は事業所得なら制度上出来てしまうから脱税ではないものの、あからさまな「節税のためだけの開業」に当局としては「これはケシカランね!」となった模様

それで年収300万円未満の副業している人は雑所得にするようなルールを作ろうとしたけど、審議を経て「副業収入300万円の壁」はとりあえず表に出さず、代わりに帳簿書類を必ず作成させて保存させるのが条件となったようです、ということで副業は必ず年間300万円以上の儲けを叩き出す高いハードルは少し引き下げられた、と言えます

さらにこれだけでは副業で何年も赤字を垂れ流しそれを本業の儲けから差し引く「損益通算」は防げませんから、なんとしても副業の事業は黒字化させないと許さない!という具合にしなければ当局の目論見は果たせません

税務署ではふつうに過去3年間の申告内容は比較閲覧できるらしく、これ見てたとえば「あ!3年も赤字続きだ」が分かったら電話がかかってきて「あなた今後どうやって黒字化させるの?もし赤字続けるならもうこれは事業じゃないよ!」とか言われてもおかしくない状況と、昨年度に会った税理士は淡々と私に言いました

まあこれはそれで世の中的には妥当だと思うけど
「でもどうやって黒字化するの?」という疑問が残ります

今まで赤字垂れ流し副業事業の黒字化方法について、今回私が会員となっている青色申告会で聞いてきたことを以下にまとめてnoteします

この方法に従えば副業収入が300万円から大きく下回っても事業継続は可能になります!との良い情報

ただ、300万円の壁は表から消えたものの、300万円を下回る場合は本業収入のおよそ1割の収入が得られないまま何年も経過するのは問題化する場合も示唆されています

ということは、仮に年収500万円のサラリーマンが副業する場合は、50万円ぐらいは副業収入を叩き出す努力が要るでしょう
年収200万円だったら20万円、100万だったら10万円

しかしこの制度はあまり甘く見ない方がいいかもしれません
もしこのルールに抵触すると所轄税務署から問い合わせがあり、その返答結果次第では事業所得申告が却下され、雑所得で申告で修正するハメになる可能性は否定できないと思います。そうしたら加算税も同時に生じるという泣きっ面にハチとなる悪夢もあるかもしれません

少額副業事業者のやるべきこと「帳簿づくり」と「事業黒字化」の方法

まず「副業やってる人」ですが、上述ではサラリーマンが副業するイメージだけ書きましたが、実は年金を受け取っている人が事業所得を得る場合も同様です!
要するに自分個人の事業よりたくさんの収入があったらそっちが「主たる収入」になり低い収入の「自分の事業」は副業すなわち「副収入」になる!これは税務署がそう判断している
ことは税務署に確認しました

だから年金は「業」じゃないから自分の事業は副業じゃない!と考えるのはハズレで、実際は「副収入」でやっているかどうかにかかってきます

私はこの年金生活+自分の事業を行う者です
そんな事情から最近慌ててしまいました

私の事業収入は以前でも年収30万円ほどでしたが、最近はコロナ感染拡大の影響により10万円ぐらいまで低下しました

最近ではコロナ禍により稼ぎは減る一方で経費は案外変動なし、その結果経費は収入を上回って赤字になり、このままでは事業は行えない公算が高くなります

これでどうやって収支を黒字化するのか、それも事業拡大なんかコロナ禍だしそう簡単にできません

それでも事業を黒字化させる方法は

経費の見直しです
今すぐできる事業の黒字化は経費計上額を収入以下になるよう見直すことです

要するに仕事用に何かを買っても経費計上しなかったら済むのです
しかしそれでは将来に収入が増えたとき、以前無かった経費項目が突然出てくるのは申告時に税務担当者から疑念を抱かれる可能性があります
税務担当者は過去2年分ぐらいの申告内容と今回申告内容を比較して質問してきますから、それに合理的に答えなければ「なにやらインチキクサイ」と疑ります

なので、経費計上を消すのではなくて帳簿上で「事業割合を下げる」という処置にします

つまり「コロナ(別の理由でも)で仕事が減ったのでネット利用などの通信費の事業割合を80%にしていたところを今年は30%に減らします」という理由で費目はそのまま残し、経費に上げる額を合理的にウンと減らす
他の費目もそのように見直すことで計上費目はあまり変わらず、額だけ下がるので税務担当者がそれを見ると『仕事に応じて経費見直しをした結果なのね』と理解できます

また仕事用に買ってしまったパソコンなどはしばらく売り上げが増えるまで経費にせず「資産」として領収書を保管し、来年や再来年に収入が増えたら、その時点で事業用に繰り入れる措置もできると今回教わりました

だから今年年初に買ったパソコンはそうしようと思います

さらに私は事業用に購入して減価償却している車を今回に家事用に転用という処置を行い、収入から差し引く額を減らして総額で黒字を確保できる見通しにしました
ここらへんの処置は個人ではなかなかそういことが可能なんだ!と分かりにくいので青色申告会で担当者からそういう情報を聞き、帳簿を処置しました

ちなみに青色申告では、青色申告特別控除という制度があり、黒字化した分を最大10万円まで控除できるので(この場合は最大の65万円控除は適用できないらしい)、たとえば経費計上額の削減の結果、2万円の黒字が残ってもこの10万円の控除を使ってゼロにまではすることが可能です
あくまでゼロまでなので損益通算にはならない、ということです

もうひとつのハードル「帳簿書類の作成と保管」は、ズバリ青色申告がおすすめ

事業所得での申告は青色と白色があり、白色は帳簿作成は必要ありません

白色でも帳簿を自分で作り、それを根拠に確定申告に臨むことも可能ですが、そこまでやるぐらいなら青色申告にしたらいいと私は思います

ただ青色申告は複式簿記なので敷居がやや高いですが、専用ソフトを使えばある程度は敷居が下がり、作成した書類を保存していることで「帳簿書類の保管」というハードルはクリアできます

青色申告会に入会する手は悪くはない選択だと思います

青色申告会は関西周辺の府県を除く全国にあります(なぜか関西には無いので私は関西人でありながら、かつて大規模事業時代から会員になっていた東京の東村山にある青色申告会で確定申告しています)

いろいろな青色申告会があり、玉石混交ですが、良いところに当たれば私のような僅少事業収入の年金受取者の事業継続も丁寧にアドバイスもらえます

ただ税務は国税庁が毎年変更を企画検討しているもので、その情報や審議過程の詳しい動向は青色申告会の担当者全員が知っているわけではありません

なので申告会のスタッフでもベテランで有力な人に質問しないと的確な情報に行きつけないことは起こり得ます
だからそういう人を見つけることも大事ですが、こうしたアドバイスを受けられる機関は青色申告会以外には税務署に直接尋ねるのを除くとあまり無いのではないかと思います

税務署に尋ねても「ダメなものはダメ」「まだ決まっていないから答えられない」となりがち(税務相談に電話してそう思った)なので、私は「良い青色申告会」に入会するのがベターだと思います

たまに不満もあるけど・・・
青色申告会で確定申告するメリットは、やはり申告内容の信ぴょう性が高まるということに尽きると思います

自分でe-Taxで確定申告できる世の中ですが、申告内容自体が適切だったらいいけど、そうなるには税務にめっぽう知識が無いと、今回のような300万円の壁みたいなもんが登場したらワケわからないです

なんだか最後は青色申告会のCMやっているような書きっぷりになってしまいましたが、ここは読んでいただいた人がご判断していただくことを期待します

今まで書いた事の裏付けのwebサイトは以下のリンク先が妥当そうです
このリンク先記事は実際に私が青色申告会に相談に行ったときに紹介され、見せてくれたサイトなので記載内容は令和4年の11月時点で最新だと思います


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