「再考」中の目標 その2

 前々回では、保育士や調理師、精神保健福祉士の資格を活用する職場は「空気を読んで」「察して」「自分で行動する」ことが前提となり、発達障害(ASD)・精神障害当事者の私には簡単ではない旨を書いてみました。それは私が言葉で具体的に説明してもらって初めて納得する人だからです。にも関わらず、私はなぜ保育士の試験対策をしているのでしょうか。
 結論から書くと、保育士と子どもの関係性に非対称的な関係性を見ているからだと思います。非対称的な関係とは対等ではない関係ということです。力のない子どもにとって保育士は圧倒的に力のある存在であり、1対10ぐらいの差はあるでしょう。この関係を対等な関係にするには保育士側に相当な制限や縛りが掛かることになるります。そのようにして初めて子どもと保育士は対等になると考えています。そのために、保育所保育指針や児童福祉法、児童の権利に関する条約等があると言えるでしょう。子どもはそんなに弱くないという支援側等の反論があるとは思いますが、子ども側から見れば、保育士等支援側というものは彼ら(彼女ら)以上に権限や権利を有している存在であることを心に留めてほしいと思います。
 私は福祉事業所A型の利用者の1人でASD当事者の1人にすぎません。ただ福祉でも支援者と利用者の非対称的な関係は確実に存在します。そんな利用者としての経験が力のない立場である子どもと重なったので保育士試験対策をしている側面もあるでしょう。
 しかしこの非対称的な関係は子どもや保育士のみならず、子どもと親、子ども同士、生徒と先生、部下と上司、職場の同僚間、女性と男性等幅広く応用が効きます。力ない立場と力ある立場に分けて非対称的な関係を想定することで、これまでとは違った世界が見えるかもしれません。
 今回は多少難しい話をしました。納得していただけるかは読者に任せたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございます。
 


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