思い込みの力のこと

ランニングを始めてから考えていることに、「足の形」のことがある。

「足の形」というのは、足の幅や高さのことです。よく、日本人の足は幅広であると言われます。これは果たして本当でしょうか。

ナイキの靴は、一般的に幅が狭いと言われていて、ネットのシューズレビューには「ナイキは幅狭なので、普段のサイズより0.5cm大きめを買いましょう」などと書いてあります。これは、米国メーカーのナイキは欧米人向けに幅狭の靴を作っていて日本人向けではないという理屈によるもののようです。

ところが、ナイキ製品の欧米諸国のレビューを見ても「幅が狭すぎる」と大量に書かれているのです。

欧米人にとってもナイキは細いのです。

それから、「アシックスは日本人の足に合っている」ということも良く言われますが、アシックスはそのままの製品を欧米でも販売していてスポーツでもファッションでもとても人気です。日本旅行でもアシックスのシューズを購入する外国人旅行者はとても多くいます。

いろいろ考えるのは面倒なのですが、「日本人の足が幅広」という考えが間違っている、または「人種による足の形に差はない」と言える可能性もあります。

ひとつ分かりやすいのは、「幅狭の靴に比べれば幅広の靴は履ける」ことは間違いないということです。

自分が幅狭か幅広か分かっていない人であっても、幅広のシャモジみたいな靴の方がちょっと試着しただけならゆったりしていてストレスがありません。フィット感の強い靴とゆるゆるの靴なら、ゆるい方が楽だ=足にあっていると思う人は少なくないと思います。ですから、幅広の靴は全ての人に売ることができるのです。紳士靴売り場を見渡すとどれも幅広だらけで3Eや4Eの靴だらけです。

ただし、しっかりしたホールド感の必要なスポーツの場面では幅広靴は存在感がかなり無くなります。2Eのランニングシューズは多くの場合やがて安売りされます。

完全な想像ですが、靴をなんとなく選ぶとき、人は幅広に流されやすく、「幅広は楽だ」→「自分の足は幅広だ」と思い込む人が増えていった結果、「売り場に幅広靴だらけだ」→「日本人は幅広なんだ」という結論は出やすいのではないでしょうか。

日本人の足が幅広だということが事実でも思い込みでも、自分自身の足は世界に一つのオーダーメイドです。情報を集めるより自分自身の足にあったシューズを見つけることが大切だと改めて感じました。

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