大学3年生、花束屋をつくる。〜インスタ×オンライン販売で起業〜
資金なし、人脈なし、経験なし、0から始めるから面白い。自分の道を自ら切り開いていくこの高揚感は何にも変えられない。
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こんにちは、『Soeru 手のひらサイズの花束屋さん』というネットショップを運営している鬼澤健汰と申します。
インスタのフォロワー4万人、月に400名以上のお客様から花束のご注文をいただく小規模のお店を5年間かけてじっくりとつくってきました。
20歳の頃、ブランドの創業者に憧れを抱いたあの日から『世界中の誰もが知るブランドをつくってみたい』と無我夢中で走り続けてきました。道半ばではありますが、ここらで一度過去を振り返ってみます。
初めて花束を販売したのが2019年5月26日。
僕は大学3年生でした。
それから5年間、
様々な学びがありました。
SNSでバズることが大衆化し、個人でも強い影響力をもてるようになり『自分の力で商売をしたい(できる)』という人が多くなりました。
InstagramやXは数年前に比べると明らかに発信者が増え、自社商品や広告収入、アフィリエイトで稼ぐ人がどんどん増えています。
実際に、僕の周りにもサラリーマンを辞めてコーヒー屋さんを始めた人や、インフルエンサーをしながらダンス教室を始めた人、学生をしながらハンドメイド作品を販売する人などたくさんいます。
そして、全員が当然のようにSNSを集客のツールとして使っているのです。
本題に入る前に先に白状すると…、
実は僕自身「稼ぐこと」や「過去の体験」に関するnoteを書くことに抵抗がありました。
『個人で生き抜く力を身につけたい』誰かのタメになるかもしれないけど、僕のお店のお客様がこのnoteを見た時にどう感じるか。「成功」を世間に伝えることで、自分自身のハングリーさが欠けていってしまうのでないだろうか。
トレードオフなんじゃないかと、クヨクヨと2年ほど悩んでいました。
ですが、ふと1つの目標が見つかりました。
僕自身も商売を学ぼうと思った時に、UNIQLOやスターバックスのマーケティングの本はもちろん、尊敬する経営者、芸術家、ブランド創業者の本をたくさん読んできました。
もちろんそこには葛藤や苦労、ずる賢い戦略まで事細かに書かれていました。
でも、その裏話を知ることでブランドが嫌いになったかと言われると全くそんなことはありません。
実際に今もUNIQLOのズボンを着てスターバックスでこの記事を書いています。むしろ裏話を知ってからの方が尊敬と愛が増しました。
『お客様が嫌な気分になるんじゃないか…』なんて弱気になっている場合ではありません。
僕はこのnoteを通して、Soeruをもっと好きになってもらいたい。
勝手な僕のエゴですが、この目標も胸に、
もちろん皆さまのお商売の役に立てるように、
これまでの経験を言葉にしていきます。
というわけで、
コロナ禍に暇を持て余した"熱意だけある"大学3年生が、初めて商品を販売し、売上3000円をいただいたあの日から、
2年後に月の売上が100万円になり、それをまた2年間減衰させることなく、現在300万円まで伸ばした過程で、
自分のお店を運営する中で培った
「自分を変えた商売人としての考え方」
「0→1のインスタ集客」
「オンライン販売のメリット・デメリット」
「個人がブランドをつくるために大切なこと」
誰にも頼らず、0から今この瞬間まで運営してきた実体験をまとめてみます。
拙い文章となるかと思いますが、嘘偽りなく、熱がこもった生の声で伝えます。
上の数字を見て『なんだ大したことないじゃないか』と思った方も、ぜひ一度立ち止まって、目次だけでも見ていってほしい。
売上の数字はあくまで、わかりやすくするための目安。同じ販売数でも単価次第で売上50万円にもなるし、2000万円にも2億にもなります。
僕自身も「具体的な数字」の人を惹きつける力を借りていますが、そこに囚われすぎず、
『0から個人でブランドをつくるためには』や『インスタとECの掛け算』、『なぜこのお店で買いたいと思うのか』など、抽象的な部分を読み取っていただきたいです。
実際に僕も、本やYouTubeなどで得た「具体的な学び」を抽象化して自分のブランド運営に転用したことで、素人ながらここまで生き延びてきました。
できる限り、皆さまのお店へ転用しやすいように具体例を混ぜながらまとめます。
こう見えて、高校地歴の教員免許持っているので過去の事象を伝えるのは得意なんです(地雷)。
【個人でお店を運営するということ】
個人事業主や起業家がサラリーマンと大きく違う点は「お金の手に入れ方」です。
1ヶ月で決まった額がもらえるサラリーマンに比べて、自ら事業を行うというのは一見、自由な人生のスタートに見えるかもしれませんが、全くの誤解で、お金の不自由の始まりを意味します。
僕自身も23歳の4月、貯金残高(全財産)は1264円でした。
明日を生きることができない。
1ヶ月後の生活が見えない。
明日を生きるお金を自分の力で手に入れる、そんなお金の問題と向き合う覚悟があるのか。
弱肉強食のビジネスの世界で生きる根性はあるのか。
個人で生きるとはそういうことでした。
そんな生き方をしているからか、同い年の経営者に『おにちゃんは結果主義過ぎて怖い。そんなんじゃ友達できへんで。』と怒られるくらいに、僕の脳は結果にコミットするようになりました。
個人で生きるには大変なことも死ぬほどたくさんあります。毎日が言葉通りのサバイバルです。
でも、ここまで読んでいる方はもう気付いているはず。それを乗り越えた先に言葉では言い表せられないほどの胸の高鳴りがあることを。
僕も、自分でもよくわからないドキドキとワクワクを胸に毎日サバイブしてきました。
せっかくなら楽しんでいこうじゃありませんか。
①存在することに「意味」があるお店
商品には2つの生まれ方があります。
僕はこれをデザインのプロ、インダストリアルデザイナーの方から教えていただきました。
1つ目は「問い」から。
誰かの困りごとを解決するために作るのではなく、ひとつの「問い」(人はなぜ生きる?みたいな)に対して自己表現をする方法です。
イメージしやすいのはアートです。
アートのほとんどは「問い」からのスタートです。だから、アート自体には目的や役割がありません。
とはいえ、『アートにも目的や役割はあるのでは?』と思ってしまう人(当時の僕)のために言い換えると、
「世の中を便利にしないけど、存在することに意味がある」そんな商品がまず1つ目。
そして、2つ目が「目的」から。
先ほどの逆、「世の中を便利にする」商品です。
100円ショップがイメージしやすいですね。
1.存在に意味がある商品
2.世の中を便利にする商品
この2種類の視点で、世の中の見ると
『ハイブランドは存在に意味があるから何十万でも買ってしまうのか』だったり、『同じ便利グッズでも価格が高い方が売れることがあるのはなぜだ?』だったりと世の中を見る視点が変わります。
ここで、このnoteにおける
僕のスタンスをお伝えします。
モノで溢れた今の時代、「個人」という力無き者は、便利な商品では生き残ることはできません。
理由は、便利に求められるものは「大衆化」。
単価を抑えた大量生産ができる大手の仕事です。
花でも
洋服でも
インテリアでも
アクセサリーでも
香水でも
ハンドメイドでも
OEMでも
仕入れでも
個人が0からお店(ブランド)をつくるなら、「存在に意味がある」お店しか生き残れません。
それが今の時代に必要なブランディングであり、個人がお店を0からつくることできる唯一の方法だと思います。
はっきり言ってしまえば、
このnoteは、どうすれば「存在に意味があるお店」がつくれるのか、その答えに少しでも近付くことをゴールとしています。
どこでも安く質の良い、便利なモノが手に入るこの時代に、お客様の『ここで買いたい』のここに選ばれることは奇跡のような瞬間です。
その奇跡は、正しい方向への努力で勝ち取ることが必ずできる。
これが僕の経験から得た学びであり、個人がブランドをつくるための最重要事項です。
全事業者は商売人であり、アーティストでもあることを自覚しないと生き残れないこの時代を、自分のブランドで生き抜いてやろうじゃないですか。
②「自己満足」を甘く捉えない
大量生産ができない個人にとって最も高い壁となるのは「価格を上げること」です。
最初から生々しい話ですが、僕自身、最も覚悟が必要な瞬間がお客様へ値上げを伝える瞬間でした。
どうしても「個人」で活動しているとプライベートと仕事にメリハリがつきにくく、消費者目線のまま「値上げは悪」だと思ってしまう事業者が多いですが、
経営目線だと「利益をだせない経営者はクビ」です。個人事業だろうが、1人経営だろうが、きちんと利益を出すこと(値上げ)と向き合うことは目を瞑ってはいけない。
値上げをするために、高単価でも商品を買ってもらうには何が必要なんだろうと考えたことがあります。
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