普通だと思っていた母親について


母親との関係ってどれが正解なのでしょうか。
自分が結婚するまで自分の母親は世間一般の母親たちと同じだと思っていました。

母は普段からあたしの話は全く聞いてくれず、仕事から帰って来たらご飯を食べながら職場の愚痴のオンパレード。
今日〇〇さんが仕事をミスした、とか。△△さんと⬜︎⬜︎さんが不倫してそう、とか。こちらからしたら「それ誰やねん。興味ないねんけど」って感想しか出てこないどうでもいい話ばかり。
 大人になった今、母とちゃんと話をした記憶があまりありません。思い出すのはいつも職場の愚痴を言っていたことだけ。

高校生になった時、念願だった部活を始めました。
 小学校中学校でいじめられていたあたしは、人間関係が一掃された高校では楽しく部活動が出来るとウキウキしていました。
 入学式終わりに母から「うちは貧乏やから、あんたも高校生になったんやから部活なんかせんと早くバイトしてな」と言われました。希望に満ち溢れていたあたしは思春期と反抗期をヒュージョンさせたくらいの怒りを母親にぶつけました。すると母は「電車の定期代渡さへんから。自分で稼ぎや」と言い残しそのままあたしを置いて帰ってしまいました。
 帰りになると駅が混むからと先に買っていた帰り道の切符を片手に、泣きながら帰宅しました。すると同居している祖母が「なんかあったんか?」と優しい声で尋ねてきました。「ママに部活せんとバイトしろって言われた。電車の定期代は自分で稼げって。」泣いて出目金のようになっているあたしを見ながら祖母は「電車賃くらいばあちゃんが出したるから部活しぃ」と言ってくれました。「ごめんね。ありがとう。」あたしは祖母に甘えさせてもらって部活をはじめることができました。

 念願だった放課後の部活動はとっても楽しかったです。いじめてくる人は居ないし部活仲間は個人を尊重してくれる。最高な時間でした。
 でも、そんな楽しい時間に頭をよぎるのはやっぱりお金のこと。毎月決して安くはない額を払ってくれている祖母に対して罪悪感が増していきました。「部活動は楽しいけどやっぱり辞めてバイトしようかな」毎日毎日何ヶ月もそう考えていたらとても辛くなって、気にかけてくれていた先輩に相談しました。すると先輩はあっけらかんと「うちバイトしながら部活してるねん!うちのバイト先おいでよ!」。
 目の前しか見えてないあたしの世界が広がった瞬間でした。その後面接も受かってバイトと部活を掛け持ちする生活が始まりました。

 放課後部活をする日、部活を少し早く切り上げてバイトに行く日。高校生にしては随分と多忙な毎日を過ごしていました。毎月6万円程稼げて、毎月おばあちゃんの好きなお菓子をプレゼントしていました。あたしがバイトを始めた頃には母親は"仕事"と言ってほとんど家に帰ってくることはありませんでした。帰ってきても深夜、早朝には家にいませんでした。

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サポートしてもらえるんですか?ありがとうございます。おにぎりの具は何が好きですか?あたしはおにぎりあんまり好きじゃないです。