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【百人一首】01.日本人が、よく知らない“百人一首”。学んでみませんか?

「百人一首にキョーミがあります。一首ずつ教えてください。日本人なら、トーゼン知っていますよね?」(ニッコリ)

とある外国人の方に、そう質問された。
私は、答えられなかった。(※1)
恥ずかしいと思う。
堂々と自国の文化を説明できるようになりたいと思う。



そこで、学びなおすことにした。
百人一首を。


あなたは説明できますか?
自国の文化を語れますか?

みなさんも、私と一緒に勉強してみませんか。

以下、記事を書くときの決め事です。


①教養レベルで書く。(専門家ではない、一般の人が、「へぇ、そうなん だ!」と感じられるレベル)

②1つの記事で取り上げるのは一首のみ。



(百人一首の概要を知りたい方は、こちらのウェブサイトへ。私が書いたサイトではありません)

歌番号:001
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秋の田の  かりほの庵(イホ)の  とまをあらみ
我が衣手(コロモデ)は  露(ツユ)に濡れつつ

                  天智天皇__________________________________________________________________________________

【現代語訳】
秋の田のかたわらにある仮小屋は、草を粗く編んで葺(フ)いた簡素なものなの
で、そこで番をするの私の袖は夜露に濡れ続けていることだ。

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【一言でいうと】
農民の辛苦を、天皇が詠んだ慈悲深い歌。

【作者】
天智天皇。
大化の改新で蘇我氏を倒した中大兄皇子(ナカノオオエノオウジ)としても有名

平安時代の祖であり、平安の人々に敬愛された。
定家(百人一首の編纂者)も、天智天皇に敬意を払い、この歌を巻頭に据えたのかもしれない。

【作品のポイント】
夜を徹して田の番をする農民の着物の袖を、露がしめらせている。
天皇が、農作業に携わる農民のつらさに心を寄せて詠んだものとして解釈される。
が、実際は天智天皇の作ではない説が有力。(※2)

【★学べる表現★】←本題
①「秋 かりほ 庵
→「の」を連続して使用している。読ん でいて、心地いい。

②「かりほ」
→「刈り穂」と「仮庵(カリホ)」の掛詞※である。
※掛詞(カケコトバ)・・・・・・一つの語に二つ以上の意味を持たせた語。

③「露にぬれつつ」
→歌の最後を「つつ」(継続・反復の意味)で終えることで、余情を残てしている。「つつ止め」という用法。

【個人的雑感】
子どもの頃は何とも思わなかった歌。
社会人になって、個人的な評価が上がった。(天皇作の真偽はともかく)下の人間に気持ちを理解しようとしてくれる上の人って素晴らしい

ただ、当時の庶民がこの和歌を目にする機会があったのかどうかは、わかりませぬ。

【参考文献】
①あんの秀子『マンガでわかる 百人一首』池田書店,2010年
②大岡信『ビジュアル版 日本の古典に親しむ② 百人一首』世界文化社,2005年
③太丸伸章編『古典で遊ぶ日本 カラー総覧 百人一首』学習研究社,2002年
④吉海直人監修 『一冊でわかる 百人一首』成美堂出版 , 2012年
⑤三木幸信・中川浩文『評解 新小倉百人一首』京都書房,1988年 

※注
(1)私は、答えられなかった。
概要は説明できました。(「和歌を集めた作品だよ」、と。。)
しかし、「具体的に、いくつか歌を教えてクレ」と言われても、教えることができませんでした。

(2)実際は天智天皇の作ではない説が有力。
諸説あります。かなり古い時代から、「天智天皇作」ということになっていたらしいですが。。「かなり古い時代」って、抽象的で漠然としていますね。

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