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「新サクラ大戦 the Stage」を観劇したら神山隊長になっていた

※本記事はゲーム「新サクラ大戦」およびTVアニメ「新サクラ大戦 the Animation」のネタバレを含みます。舞台の感想は目次の3.から御覧ください。

タイトルの通りです。舞台を観劇しに行ったつもりが隊長になっていました。

1.「新サクラ大戦 the Stage」とは

「新サクラ大戦 the Stage(以下『the Stage』)」は、セガ社より2019年12月12日に発売されたゲーム「新サクラ大戦(以下『新サクラゲーム』)」のキャラクター・世界観を舞台化したものです。『新サクラゲーム』は2005年発売の「サクラ大戦Ⅴ」から14年振りのシリーズ新作ということで話題になりました。

2.なぜ「新サクラ大戦 the Stage」を観ようと思ったか

私はゲーム版「サクラ大戦Ⅰ〜Ⅴ」はプレイしておらず、TVアニメやOVAを視聴している世代でした。『新サクラゲーム』は初めてリアルタイムに出たサクラ大戦シリーズだったので、すぐに購入してプレイしました。プレイした感想は『面白い(でも色々言いたくなる人の気持ちは分かる)』というものだったのでした(後述します)。そんな中、毎回見ていたYoutubeの「帝劇通信部通信」にて『the Stage』の制作が発表されたのですが、、

「役者さん凄く似てるな・・・え、声優の方じゃないんだ」

というものでした。サクラ大戦の舞台はゲーム・アニメの声優の方が演じると聞いていたからです。ただ、もともと舞台は好きだし、帝国劇場や宝塚にも行っていたので、「どういう演出になるのかな?」と楽しみにしていました(書いていて思ったのですが、舞台の発表は昨年12月なんですよね。何だか3年位前な気がします)。

しかし、新型コロナウイルスの世界的流行により、2020年3月に公演自粛を発表。「しばらく見れないな・・・」と残念に思っていましたが、6月に公演実施を発表。4月から始まった「新サクラ大戦 the Animation(以下『the Animation』)」は観ていたものの、諸々バタバタしていてチケットは買えず、いつの間にか11月になっていたら、いつの間にか公演が始まっていて、Twitterには「すごい」の感想の嵐。思い切ってチケット購入し、公式の動画を見てテンションを高めていました。

3.いきなり泣く

私が見たのは11月22日(日)の夜公演でした。推しであるJ2東京ヴェルディの試合を観ていた味の素スタジアムから有楽町まで移動し、当日引換券の長い列に驚き入場。いよいよ公演が始まりました。

冒頭、天宮さくらの幼少期(『新サクラゲーム』でもあったシーン)が流れ、「私も真宮寺さくらさんみたいになりたい・・・!」という天宮さくらの決意から「檄!帝国華撃団<新章>」をキャストが歌い始めました。イントロの時点でウルっと来ていたのですが、サビの関根優那さんが歌う「走れ!」が本当に素晴らしくて力強くて、涙が出てしまいました。(これはいくらでも語りたい。本当に劇場で聴けてよかった!!)

「本当にこの舞台を見に来てよかった・・・」そう思いました。

※語彙力が消失したツイート。関根優那さんと芽組の三島依さんにいいねされていて恐縮しきりです・・・

4.構成におどろく

本編は舞台と歌謡ショウの2部構成。第1部は『新サクラゲーム』の第1話〜第2話をゲームに忠実に再現していました。つまり、舞台を観ている人が神山隊長だったのです。そのため、キャストは観客席に向かって「隊長」と呼びかけますし、LIPSがあったり、コミュニケーションモードまでありました。(コミュニケーションモードの破壊力はとんでもなかった・・・)また降魔との戦闘シーンでは、プロジェクションマッピングを有効に使っていて、2時間の劇で4回ほど殺陣が行われているのにも驚きました。個人的には舞台ならではの工夫を見るのがとても楽しみなので、これは良かったです。何より驚いたのは最後です。ゲームではテキストで表現されていた劇中劇「ダナンの愛」を、田中公平先生の書き下ろし楽曲で完全再現⇒「ダナンの愛」のエンドロールを舞台そのもののエンドロールとする大胆な構成。第2部の歌謡ショウについては、キャストの皆さんへの印象で後述しますが、「夢見ていよう」を聴けたのは良かったです。私は後追い世代なので、まさかライブで聴けるとは思わなかった。終演後、即千秋楽の配信チケットとBlu-rayを購入。千秋楽もガッツリ楽しみました。

※終演後のツイート。オタク特有の語彙力喪失。この後怒涛の連ツイを行います。

5.キャストの皆さんへの印象

・関根優那さん(天宮さくら 役)

とにかく可愛い。舞台でぴょんぴょん跳ねながら動くんですが、ゲーム内のさくらそのもの。ゲーム内でよく見る「首を少しかしげる仕草」の破壊力が段違いでした。一方で殺陣シーンでは、戦闘服に剣を持つ姿が格好良すぎました。歌もゲキテイは勿論、「乙女なんですよ」を高らかに歌い上げていて、本当に大活躍でした。とどめは以下のインタビュー記事。強い責任感と覚悟を感じ、読んで「推すしかない」と思わされる良い記事です。

・高橋りなさん(東雲初穂 役)

声の出し方もそうですし、時折見せる「へっ」という仕草は初穂そのもの。ハンマーを振り回す殺陣シーンも迫力がありました。Youtubeに投稿された動画でお歌が凄く上手いのは知っていた(↓の動画参照)のですが、舞台で聞くと歌声の伸びが半端じゃなかったです。

凛々しい初穂役を離れたアフタートークショーではほわほわされているのもギャップがあって可愛かったです。あと、千秋楽後の挨拶で涙ぐまれている姿に初穂を感じました。

・寒竹優衣さん(望月あざみ 役)

観劇前に流れる感想で「あざみがいた」「あざみ推しになった」との怒涛の感想が流れていたので期待していましたが、本当にあざみそのものでした。声の出し方もゲームの山村響さんとそっくりでしたし、舞台を駆け回る姿はとても可愛かった。歌謡ショウで歌った「忍者あざみ」のサビにある「心!技!体!」の声と振付が大好きです。田中公平先生との対談動画も必見です。


・平湯樹里さん(アナスタシア・パルマ 役)

実は、アナスタシアが舞台でどうなるのか一番気になっていました。『新サクラゲーム』ではアナスタシア推しだったので、ある意味最もミュージカルチックなキャラをどう表現するのか気になっていたのです。平湯さんを舞台で観た時、「アナスタシアそのものだ!」と思いました。それだけオーラが桁違いでした。アナスタシアは『新サクラゲーム』および『the Animation』では男役でしたが、元男役の平湯さんが演じると妖艶さが半端なかった。何よりも圧巻だったのは「帰れる場所」。担当声優の福原綾香さんが「とても難しかった」と語る難曲を、全編振り付きで歌いきるというもの。劇場で思わず見とれてしまいました。(以下動画で少し出ていますが、少しのシーンだけでもとんでもない振付であることがわかります)

・沖なつ芽さん(クラリス 役)

舞台での立ち姿がクラリスそのもの。あの衣装が見事に似合っていました。舞台はクラリス回の第2話がメインなのですが、私が見た回では「地獄に落ちてください!」という台詞が聴けてよかったです。感想でも「クラリスが好きになった」「クラリスに落ちた」というものを何個も見かけました。個人的には歌唱シーンに圧倒されました。「ダナンの愛」と歌謡ショウで披露されたのですが、男役として伸びやかに歌いきる「ダナンの愛」とクラリスとしての透明感ある歌声を見事に使い分けられていました。来年のライブでもっと歌声を聴けるのが楽しみです。※観劇後、ジェフユナイテッド千葉の「アキュアマーメイド」をされていることを知りました。来年フクアリに行ったらいらっしゃるかな・・・


・片山萌美さん(神崎すみれ 役)

まずあの際どい衣装を着こなしておられる時点で只者ではありません。あと、キャストの方が口々に「すみれ様のお御足が・・・」と言われていましたが、劇場ではついついお御足に目がいってしまったことを告白します。舞台ではキャストや神山隊長(観客)を見守る視線がとても優しくて暖かく、キャスト人からも姉として慕われていたのが納得です。来年3月のライブではもっと歌声を聴けることを楽しみにしています。

・芽組のみなさん

舞台のMVPです。開演前の前説から劇中のサブキャラクター(いつき、カオル、こまち、朧・・・)に殺陣シーンのサブに歌謡ショウでは全曲でダンサー・・・と大大活躍でした。あれだけ踊って笑顔を維持できるのは本当に素晴らしいです。来年のライブでも皆さんに会えるのが楽しみです。

6.今後の『新サクラ大戦』を牽引してほしい

率直にいうと、『新サクラゲーム』は賛否が入り混じっている作品です。大半の原因は「幻都」という設定にあると私は思っていますが、この設定によって『新サクラゲーム』を受け入れられないファンの方がいらっしゃいます。『the Animation』でもこの状況は変わらず、最後は白秋さんが飛び去る所で終わりというもので、観終わった後「この内容で続編を匂わせるのか・・・」と思っていました。(少なくとも、私にとって『the Animation』の展開はあまり心に響きませんでした。ただクラーラは良いキャラクターだと思います)

そうした私に『新サクラ大戦』への情熱を取り戻してくれたのが『the Stage』でした。公演が一度延期しており、新型コロナウイルスの感染者が一人でも出たら公演を中止しなければならないという状況で、関根さん演じるさくらは「絶対諦めない」「花組を蘇らせる」と我武者羅にぶつかっていきます。舞台で花組が置かれた状況と、現実のキャストが置かれた状況がリンクしているように思われて、「頑張れ!」と思いながら観劇している自分がいました。歌謡ショウで歌われる劇中曲の歌詞がまたいいんですよね・・・。

「ゲキテイ新章」の大サビでは「我ら新たなる帝国華撃団」というフレーズがあり、元々「(元祖花組に対する)新たなる花組」という意味合いですが、『the Stage』では「(ゲーム・アニメの花組に対する)新たなる花組」という意味合いも感じられました。上述の関根さんのインタビュー記事にある「新しいサクラ大戦は私が大きくしていく覚悟がある」という言葉を何よりも体現していたと思います。

『the Stage』は、2021年3月にライブが決定しました。『the Stage』の熱意がゲーム・アニメと繋がり、「新サクラ大戦」世界を引っ張っていくことを切に願っています。




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