究極破壊僧ハリス 怒りのモーニングスター
暖かい陽射しに小鳥のさえずり。爽やかな春の朝の聖堂に、今日も重い打撃音が鳴り響く。
「ガキを一匹潰したぐらいでアギャーッ!」
悪党が聖なる裁きを受け、悔い改め首を垂れ懺悔! そのまま動かなくなった。
「アア、なんと美しい一撃……朝のお勤め、お疲れ様です。ハリス様」
恍惚とした表情のシスター、アビゲイルが勤めを終えた司祭に感謝の言葉をかけた。
「おはよう、アビゲイル。いい朝ですね」
ハリスと呼ばれた司祭が微笑み返した。ハリスは右手に神聖かつ物騒な鎚を持っていることと、ゆったりとした衣服の上からでも目視可能な鍛え上げられた肉体以外は、穏やかな初老の男性である。
「彼は子供を殺害した罪深い者です。徹夜で追跡して今朝、ようやく懺悔の機会を与えることができましたよ。今日も忙しい一日になりそうですね」
「ええ。便りが届いています」
ハリスは太陽の陽射しのように棘が放射状に生えた「聖なる裁き」を軽々と背負い、自室へ向かった。
【続く】
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