この部屋は自分で借りているという事実に、たまに少しだけ感動する。
ときどき、自分のお金でこの部屋を借りていることに感動することがある。なんの脈略もなく、そんなことを考える。
今いる場所は、自分で稼いだお金で借りている空間だ。
実家にいたときには、自分の家は当たり前にあった。なんの疑問も持たず、そこに出入りができた。
けれど今の部屋は、わたしがお金を払うのをやめれば立ち入り禁止だ。払い続けているから、ここにいることができている。
仕事があってよかった。毎日働いていてよかった、などと思う。
取るに足らない感動だけど、少しだけわたしの自尊心を高めてくれる。
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