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【感想】うさぎのダイアリー

昨日、人生で初めて朗読劇というものを鑑賞してきました。

作品は、となりのパンダs主催の『うさぎのダイアリー』。

大学時代の友人が出演しているということで、お誘いを受けて観劇に行ってきました。


ストーリーとしては、こちらの記事にある台本が元のようです。

微妙に変わっているところはありますが、メインストーリーはほぼ変わっていないのではないですかね。

終演後にnoteの存在を知ったので、観劇前に知らなくて良かったなと思いました。


感想としては、とても素晴らしかったです。
泣きました。

正直、朗読劇ということで割と落ち着いた感じを想像していたのですが、大きな声で叫んだり、演者の方が実際に泣いたりされていて、その迫力に圧倒されました。

ストーリー的には多少突っ込みどころがあったり、朗読劇ということでちょっと端折り気味と感じる部分もありましたが、何よりも登場人物がそれぞれ魅力的で、物語に引き込まれました。


物語の主題としては、「孤独」とか「人は一人で生きている訳ではない」みたいなところかなと思います。

もう一歩踏み込むと、「人は一人で生きられるほど強い存在ではない。弱いからこそ誰かと一緒にいることを求める」みたいなところも。

子供をネグレクトしている親。
子供を愛しているのに、愛し方が分からずネグレクトになってしまった親。
子供を自分の存在証明として意のままに操ろうとする親。
本当に親ではないけれども、親のように心を支える存在。

いわゆる毒親による影響により、各登場人物が心理的な不安定さを抱え、それを解消していくようなストーリーでした。

最終的に、ハッピーエンドかというと微妙ですが、何かこう、優しい温かい気持ちで終われる物語です。

それは、各登場人物がそれぞれの弱さに触れ、それを受け入れ、癒すことができたからじゃないかなと思います。


あと特徴的なのが、絶対的な悪者がいないことですね。

どんなに嫌に見える人でも、その裏にはそれを正当化するためのその人なりの理由や背景がある。

それを知らずして表面的な部分だけを見て人を断罪することはできないだろうと。

物事は多面的であるということを、改めて認識させる脚本でした。


最近自分が感じていること、想っていることにすごく近くて、共感もしながら物語に引き込まれてしまいました。

変に着飾った物語ではなく、人間のありのままを表だけでなく裏側まで描いた、とても深い作品だと思いました。

演者の方々の迫真の演技も相まって、とても感動しました。

また次の公演があったら、ぜひ観に行きたいです。

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