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初めて買った車と今の車

高校生の時はバイクとギターに夢中になっていた。
その延長線上でなんとなく「エンジン」というものに興味を持つようになり、本を読み漁った記憶がある。バイクも車もそれなりの値段がするので中々新車は買えない。雑誌で見てこの車のエンジンはすごいとかキャブレターが尋常じゃないとか友達と話をするのが精一杯の楽しみだった。

同級生と千葉のおばさんの家に住むようになり、しばらくバイクを乗っていたが、だんだん車に乗りたいという欲求が出てきた。まだ、二人とも学生でお金はない。共同購入するにしても、予算的には準備できるのが25万円以下。45年前の話なので、良くお金があったなと今でも思う。当時のバイトは近くのセブンイレブンだったのだから。

今でも覚えているが、セブンイレブンでの時給は400円だった。半年後に430円になったと思う。
おばさんの家に住まわせてもらっていたから、家賃がいらない分やっていけてたのかもしれない。そういえば光熱費も払った記憶がない。甘えっぱなしだった。

そんな時見つけた中古車は、日産サニークーペだった。
多分購入当時で6-7年落ちの中古車だったと思う。

サニークーペは、昭和45年に日産から発売された1200ccの車である。当時は、チェリーという名の車もあった。このサニークーペは、レースなどでも活躍している車だった。後にHONDA CIVICにその座を明け渡してしまうことになるまでは。

とても魅力的な車だった。私が買ったのは、4速MTの1200GXだったと思う。のちにGX-5が登場してミッションが5速になった。写真は、GX-5である。

今では懐かしいフロントに三角窓がついている。東名高速に乗った時は、この三角窓のロックするレバーを右手でつかんで内側に引っ張りながら運転していた。ロックが甘く風圧に負けてしまうのだ。

サニークーペ 1200GX  主要諸元

●全長×全幅×全高:3825×1515×1350mm
●ホイールベース:2300mm
●重量:705kg
●エンジン型式・種類:A12型・直4 OHV
●排気量:1171cc
●最高出力:83ps/6400rpm
●最大トルク:10.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.00-12-4PR
●価格:63万円

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今でこそ諸元を見ても感動すべきところはないのだが、当時としてはよく走った車だった。特に好きだったのは、キャブレターがSUツインだったということだ。これなら自分で手入れができると思った。1200ccのエンジンにツインキャブ。当時はそれだけでも興奮した。もちろん機械式なのでワイヤーが緩んでいると空気の吸入量が減る。調整するのが楽しかった。写真の黄色の枠で囲った部分がSUツインのキャブレターだ。隣の赤い部分は空気を吸入する部分である。電子機器は一切ない時代だったので、エンジンルームもスカスカで手入れしやすかった。

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サニークーペに関して詳しく紹介しているページがあるので紹介しておく。
Webモーターマガジンのページだ。

この車で友達と九十九里浜に出かけたことがある。以前、バイクで出かけて大変な目にあったのだが、懲りずに今度は車で出かけた。同じ友達と。。。

順調に砂浜を走って遊んでいたが、アクセルターンをやってみようかという話になり、やめておけば良いものを、車を加速してハンドルを左に切ると同時にサイドブレーキを思いっきり引く。車は当然左回転し来た方向を向くはず、だった。。。
下は砂浜である。90度程度回転し、タイヤは砂浜に埋もれた。。。
クラッチを繋いでも車は進む気配はない。タイヤが空回りしている。
そう、砂の中にスタックしてしまったのだ。
タイヤが回るたびに砂を掘ることになり車体は沈んだ。

途方に暮れた。

その時、救世主が現れた。なんと、地元の屈強なサーファー達が寄ってきて、手伝おうかといってくれた。どうやら、我々のようにスタックする車が後を絶たないらしく、その度に邪魔になるので脱出を手伝ったていたのだそうだ。面目ない。。。

4-5人のサーファーが我々の車を囲んで手をかけた。セーノ !!!
一瞬だけ車は宙に浮いて、50cmほど横にズレた。脱出成功だ。なんと持ち上げて脱出したのだ。いくら軽いサニーとはいえ、すごい。
もちろん、我々は降りていたので車重のみではあったが。。。

何はともあれ、九十九里に来るとどうもトラブルに陥ってしまうので、もう2度と無茶はしないようにしようと思った。バイクの時もそう思ったのだが。。。

この後、何台かの車を乗り継いで行くことになるが、新車と中古車を合わせて乗った車は、10台位になる。平均すると4-5年で乗り換えていたことになるが、晩年は長く保有しているので、若い頃の時代に中古車をしょっちゅう乗り換えていたのだと思う。短い時には半年で買い替えていたこともあった。随分無駄なことをしたなと思う反面、それぞれの車の特徴もあり楽しかったなとも思う。

乗った車を順に書くと、こうなる。テルスター以降は新車となった。
45年の間で乗った車たちである。

サニー(NISSAN)、シルビア(NISSAN)、スカイライン(NISSAN)、
ジムニー(SUZUKI)、ブルーバード(TOYOTA)、コルサ(TOYOTA)、
テルスター(FORD)、ステップワゴン(HONDA)、エスティマ(TOYOTA)、
CX-5(MAZDA)

記憶の中に残っている車達は、自分が選んだ車であり、その時の最高の選択だったと思っている。そして、現在乗っているCX-5は、初めてのディーゼル車でもあり、これまでで最高のエンジンだ。

2012年に購入したMazda CX-5は、ディーゼルエンジンにもかかわらず静かであると共に、遠乗りでリッター18kmくらい走ってくれる。市街地でも、10-12kmくらいの燃費である。何より、加速感がすごくいい。アクセルと連動してくれる。
さらに、使う燃料が軽油ということを考えると、ランニング・コストはかなり財布に優しい。

もう少し、CX-5とともに、サニーから始まった車ライフを楽しむことにする。


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