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王室外交から考える日本とロシアの友好に関する夢物語

歴史の if は考え出したらキリがないのですが、ロシア革命が起きずに、帝政ロシアが存続していればなと思うことがあります。革命は歴史的な事件としては後世の人々にとってドラマチックです。ただし、極端な出来事であるがために、直前の時代を否定しすぎてしまいます。あまりに極端な政策が大きな幸せと大きな不幸せを招いたのは、皆様がご存じのソ連の歴史です。中世を彷彿とさせるような、粛清の嵐の時代が、我々のわずか数世代前に起こっていたのは、とても残念と言わざるを得ません。

日本にとっても、大きな歴史の転換点になっており、ロシア革命が起きた1917年時点で、日本は、当時の覇権国であるイギリスとの日英同盟と、大国だったロシアとの日露協商によって、東アジア世界において安定的な体制を築いておりました。アメリカの勢力下において、米中対立など各種対立の最前線に置かれている2023年現在の弱い日本の立場と比較すると羨ましいとも言える状況でした。

王室を持つ国が減っていく中、第二次世界大戦で1945年に敗戦国となった日本の処分について、同じく王室を持つイギリスのチャーチルは、日本と日本の皇室について寛大な処置を考えていたようです。一方でロシアの後継であるソ連のスターリンは、体制の違いもあってか、相当に過酷な処置を考えていたようです。ロシア帝国が存続していたならば、そもそも戦争が起きたかどうかも分かりませんが、また別の展開があったようにも考えられます。

ちなみに自国に似たような体制を作ろうとするのは、人間の性のようで、身近では子育てなどもそうですし、アメリカは占領下の日本にアメリカ型の民主主義の導入に熱心でした。皇室が存続したのも奇跡なのかもしれません。戦前や戦中の日本も満州帝国やベトナム帝国など、日本に似た体制の国造りを広めようとしていました。

皇室や王室を持つ国同士は、王室外交などを通じて親和性が高く、現在でもロシア帝国が存続していたならば、日本とロシアは王室外交などを通じて、かなりの友好国だった可能性が高かったのではないでしょうか。

歴史の if をベースにした友好は夢物語に過ぎないのですが、現実の世界でも、いずれ日本とロシアの友好が実現することを願ってやみません。

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