《2019》年間ベストアルバム50 【邦楽編】
早いもので年末ですね。今年も1年間聴いた音楽を総括したいなと思います。
昨年ははてなブログにまとめましたが今年からnoteに移籍しました。
▼昨年の年間ベストアルバム50(邦楽編)https://ongakuonomatope.hatenablog.com/entry/2018/12/31/132508
では早速ですが、まずは邦楽編50枚です。
(洋楽編も別でありますのでお楽しみに!)
50. アンネセス / ACD
ex-ecosystemのメグとex.ハヌマーン/マイミーンズのエリとOrange Stonesのサユリからなる女子3ピースバンド。acd.でアクシデントと読むらしい。
小細工無しの攻撃力高いオルタナサウンドでカッコいいです。
49. 生と詩 / 2
同世代の古館くんがもう20代の終わりに差し掛かっても良い意味で大人になり切らずにずっとこの路線で突っ走ってくれていることはある種奇跡的。ずっとドロドロしてキラキラしてて欲しい人です。
48. Jurassic Boys / Jurassic Boys
バンド名を冠した1stアルバム。90'USインディー・オルタナなザラッとした真っ直ぐなサウンドとあんまり最近の日本のバンドでは聴かない低音ボーカルがクール。
47. THE ANYMAL / Suchmos
紅白にまで登り詰めた湘南のイケイケグループがここまで日本で売れなさそうなブルース・プログレサウンドに路線変換したのには面喰らった。「Indigo Blues(M6)」なんて11分もあるし、これがあのSuchmosなのか?と驚く。彼らの音楽の引き出しの多さに、改めて好きになった人も多そう。
46. 美しい傷 / けもの
シンガーソングライター青羊(あめ)のソロ・プロジェクト。
2年前にリリースされた「めたもるシティ」というアルバムが都会的なシティポップな作品だったんですが、今作はとてもしっとりした優しい仕上がり。
45. あたらしいからだ / 笹川真生
いわゆるボカロ畑の人らしい。この不安定さ、病弱な雰囲気は、君島大空にも通ずるものがあると思います。ちなみにPVも含め全てのプロデュースをしているらしくいわゆる天才肌な人です。繊細。声は好き嫌い分かれるかも。
44. Funeral / メル
ボカロPでもう一つ。ボーカルは初音ミクなんですが、「夜の淵(M1)」なんてミツメみたいなインディーロック感がある。「ゴールデンジャーニー(M3)」はThe Pains of Being Pure at Heartの影響とか受けているらしく、聴くと確かに!と思う。ボカロに対していまだに若干偏見があるし、自分の周りにもそういう人一定数いそうなのであえてこれをトップ50にいれてみました。
43. Tones / 北里彰久
Alfred Beach Sandalの個人名義作品なんですが、やっぱりこの人の声の心地良さよ。
42. Body / んoon
どうしても文字を見るたびに「んおおおん」と読んでしまう。んoon(ふーん)。MVが謎すぎるが声とハープの音色が美しい。
41. CHOOSE LIFE / The Songbards
日本では珍しいしっかり歌い分けるツインボーカル。しかも声が似ている。しかもどちらも上手い。決して悪い意味ではない優等生さ。スピッツ二世って言われてるの?
40. 21世紀より愛をこめて / Tempalay
今年は個人的にサウナにハマった1年でした。テレ東で「サ道」を見ているうちに「そなちね」にハマりました。整いミュージック。
39. So Kakkoii 宇宙 / 小沢健二
何と17年ぶりの新譜。アルバム名もそうだし、「彗星」のスケールのデカさにちょっと笑ってしまうが、やっぱりこの人にしか作れないメロディーや世界観は魅力的。
38. EASTOKLAB / EASTOKLAB
名古屋の4ピースバンドのデビューEP。ポストロック的な広がりのあるサウンドとファルセットヴォイス。デビュー作にして完成度高い。
37. 賛美 / 大石晴子
こちらも今年デビューのEP。中村佳穂のような力強くて優しい歌声。
36. めぐる / 優河
こちらも女性SSWですが、とにかく圧倒的に美しい歌声。暗い部屋で静かに聴きたい。
35. Big Fish / 王舟
知的なミニマルさ。(レビューもミニマルで。)
34. PURE / Cö shu Nie
約束のネバーランドをアニメを一気見した夏頃。この曲はアニメの世界観を増幅させる魅力があるなと思いました。アルバムを通して危うさのある楽曲ばかりなので、シリアス系なアニメは大概合いそう。ジャンルは違うけどSchool Food Panishmentが出てきた時の感じを思い出しました。
33. 潜潜話 / ずっと真夜中でいいのに。
1曲で目まぐるしい展開になる楽曲、作り込まれたMV、姿を見せないバンドメンバーとすでに仕上がりまくっている世界観。今年フジロックで見ました。ボーカルが「吐きそうなほど緊張している」みたいなツイートしてたけど、本当に緊張しているのかわからないくらい、パワフルな歌声でよかったです。
32. Songs of Innocence & Experience / DYGL
この路線で確実に日本でも評価が上がっているのは素晴らしい。「Bad Kicks」、ぎゅうぎゅうのライブハウスで踊りたいやつだ。
31. Dos City / Dos Monos
荘子it、TAITAN MAN、没からなる3人組ヒップホップユニット。不穏で怪奇なトラックでゾクゾクする。声もカッコいい。LAのレーベルと契約結んだし日本より世界で売れそう。というかYouTubeのコメントとか見るともう世界規模ですね。
30. Sympa / King Gnu
今年爆売れした「白日」の前にリリースされた2ndアルバム。あっという間にメインストリートどころか紅白まで決まっちゃって驚くばかり。カリスマ性が光る1枚。僕は「Flash!!!」が好きです。
29. Traveler / Official髭男dism
そしてもう一つ、King Gnu以上に今年一気に国民的バンドにまで登りつめたこのバンド。去年もおんなじ様なこと言った気がしますが、なんやかんや良いんですよねー。熱闘甲子園見てたので、「宿命」聞くとエモい気持ちになります。
28. OOPTH / のろしレコード
今年、「監察医 朝顔」の主題歌で世間的な知名度もあげた折坂悠太を含むシンガーソングライター松井文、折坂悠太、夜久一の3人によるレーベルでありユニットがこの「のろしレコード」。1つのアルバムでも3人がそれぞれ楽曲を作るのでテイストがガラッと変わるのが面白い。
27. Detox / Mom
高校1年生のときに出会ったチャンス・ザ・ラッパーに衝撃を受けてヒップホップにのめり込んだという、シンガーソングライター / トラックメイカーのMom。楽曲制作はGarageBand、アートワークはiPhoneで自作しているらしく、DIY精神に溢れた1枚。楽曲の軸はヒップホップだけど「卒業(M3)」は、合唱曲の様な懐かしさがあって、胸にじんわりくる。
26. Night Flow / パソコン音楽クラブ
今年のミュージックビデオオブザイヤーは間違いなくこれ。
作品としては個性的なゲストボーカルの楽曲が散りばめられ、その間をインスト曲が埋める編成。アーバンなサウンドがカッコいい。
25. 並む踊り / 崎山蒼志
天才高校生SSW、崎山くんの2nd。タイトルがいまだに読めない。
今作はゲストボーカルも多く迎えて前回の弾き語り中心の作品から幅が広がったように思います。中学生時代に組んでいたバンド「Kids A」の名曲「潜水」は君島大空の編曲で幻想的な雰囲気に生まれ変わりました。
24. Ghost Notes / Kan Sano
金沢出身のキーボーディスト。キーボートはもちろんドラム、ベース、ギター、キーボード、トランペット、ヴォーカル、作詞作曲、アレンジ、レコーディング、ミックスまでを全て自身で完結しているらしく、溢れ出る才能をひしひしと感じられる1枚。
23. はなたば / シャムキャッツ
今年10周年を迎えたシャムキャッツの5曲入りEP。軽やかでキュートなポップス。「かわいいコックさん(M3)」が特に好き。
22. Infinity mirror / Gateballers
脱力サウンドなんだけど、芯がしっかりあるかっこよさ。この間やっと生で見ましたが、ライブだと音源よりもかなりパワフルに表現されていめちゃくちゃ良かったです。ボーカルの濱野さんは踊ってばかりの国の下津さん的な、可愛さと危うさを合わせ持った人だなと思ってます。
21. 午後の反射光 / 君島大空
初期の七尾旅人のような奇妙さとナイーブさ。また凄い人が出てきたなと思った。「遠視のコントラルト」の美しさたるや。
20. HAO / NYAI
福岡発男女ツインボーカルの5人組バンド。お、お前スーパーカーじゃないか!!!!と思わず声をあげたくなるくらい、2019年の「スリーアウトチェンジ」です。元気が出る。
19. Ghosts / ミツメ
安定感のあるミツメ。「エスパー」のあえて音程を外すセンスは本当に憎らしくてたまらない。
18. トワイライト / スカート
映画の主題歌にもなり、また一つメジャーになりつつあるスカート。相変わらず良いメロディーが多くて好きです。
17. けものたちの名前 / ROTH BART BARON
去年、「HEX」という名盤を出したばかりなのに1年でまたこんなスケールの楽曲を作っている、底なしの創作意欲が素晴らしい。本当に綺麗な曲ばかり。「春の嵐(M8)」なんかはライブ映えしそう。
16. まちのあかり / 毛玉
今年の年始早々にリリースされた作品。記憶では年間ベストアルバムを作るためのプレイリストに1番最初に入れたのがこれだった気がする。冬に聴きたい作品。
15. 檸檬の棘 / 黒木渚
正直なところこれまでなんとなく取っつき辛さみたいなものを感じていたんですが、今作1曲目「ふざけんな世界、ふざけろよ」で、ぶっ飛ばされました。この人にしか書けない独特な詩の世界と、陰鬱な歌詞に相反する突き抜けたポップなメロディと伸びやかに歌い上げる姿は痛快。サポートメンバーもナンバーガールの田渕ひさ子さんや、toeの柏倉さんなど強力。アルバム最後の「しーちゃんへ」はホラー映画のようなゾクっとするまさかのエンディングで最後の最後まで侮れない1枚。
14. cherish / KIRINJI
堀込高樹さんのクセの強すぎるポップスが大爆発している1枚。謎すぎる歌詞は思わず笑ってしまう。「雑務 雑務 雑務 エンターテインメント」ってなんだ。鎮座DOPENESSが捕まってもアルバムが販売停止とかにならなくて本当に良かった笑
13. がんばれ!メロディー / 柴田聡子
身体が自然に揺れるユニークでキュートな楽曲ばかり。「ワンコロメーター(M9)」はライブで爆上げのキラーチューン。
12. 光の中に / 踊ってばかりの国
去年名盤出したのに、またこんな作品を・・・。「Weekender(M3)」「光の中に(M4)」も素晴らしいけど、やっぱり「ghost」が名曲過ぎる。来年も新譜のリリースが決まっているし本当に底なしに歌が溢れてくるタイプの天才。
11. 燦々 / カネコアヤノ
今作も余計な装飾の一切ないアコースティックと伸びやかな歌声にフォーカスされた作品。シンプルなだけに曲の良さがダイレクトに伝わってきて、じんわりくる。いいなぁ。
10. IN SOMEWHERE NIGHTS / Charlotte is Mine
男女の2ピースインディーロックバンド Charlotte is Mineの1stアルバム。ドリームポップのような浮遊感が良い感じ。透明感のあるボーカルはCoccoとか木村カエラっぽい力強さも感じます。
9. adieu 1 / adieu
女優、上白石萌歌の音楽活動での名義「adieu」の1st EP。まだ10代の少女の圧倒的な透明感ヴォイスは何度聴いても素晴らしい。楽曲もとても魅力的で、プロデューサーが小袋成彬だと知って納得した。
8. Piercing / 小袋成彬
そんな小袋成彬が先日突然リリースしたデジタル限定の2ndアルバム。これまで体験した様々な「喪失」に向き合った作品だそう。現行の世界トレンドなR&Bを日本語詞でなんの違和感もなく表現できるのはこの人くらいだろうと思う。曲単位の集まりではなく、アルバムが一つの作品なので通して聴かないと意味を為さないと前置きしつつ、僕は「New Kids」のイントロでやられました。
7. 渚にきこえて / 1983
オープニングを飾る「スカイライン(M1)」で空を飛び、降り立ったら南国のビーチでチルなバカンスまでが想像できちゃうロマンス溢れる作品。「1984(M2)」は今年かなりリピートした1曲。
6. vivid / kiki vivi lily
福岡県福岡市出身の女性SSW。ヒップホップ、ブラックミュージック、ニューミュージック、渋谷系などいろんな要素を感じる作品。ウィスパーっぽいマイルドな歌声が絶妙なゆるさを演出していていつでもまったりした気分で聴けます。良い。
5. Family / BBHF
元Galileo Galileiのメンバーによる4ピースバンド。Bird Bear Hare and Fishというバンド名から今年BBHFに改名して2枚のミニアルバムをリリース。こういう言い方をするのが正しいかはわからないけれど、洋楽的なメロディだから、このメロディーに日本語詞乗せるのって結構難しいんじゃないかと思ったりします。「水面を叩け(M5)」のサビなんかを聴いているとそれを如実に感じます。このバランスは絶妙だなと。とにかく全編通して耳心地が良い、どんな気分の時でも聴きたい作品。日本でThe 1975が出来るのはこのバンドくらいじゃないでしょうか。
4. 834.194 / サカナクション
説明不要なサカナクションの7作目。「忘れられないの」の確信犯的なエンターテインメントから始まり、「新宝島」をはじめこの先も長く代表曲であり続ける楽曲も多い。「ナイロンの糸」「さよならエモーション」などナイーブな楽曲もまた素晴らしく、「セプテンバー」で温かく締める。もはや勝ち目無し。強い。
3. 現実見てうたえよばか / 鈴木実貴子ズ
2012年結成の名古屋の2ピース。最初に聴いたのは2年前、同郷のClimb The Mindのワンマンライブに行った時に登場SEで流れてきた「アンダーグラウンドで待ってる(M5)」(今作にも収録)でした。クライムのライブを見にきたのにこの曲がライブ終わりにも鮮明に頭の中に残っていたのを覚えています。7年かけて今年1stフルアルバムをリリースしたわけですが、アルバム名の通り、あまりに生々しい現実感のある音楽群に胸を抉られっぱなしです。「音楽やめたい(M1)」と言いながらこんなに音楽にすがりついてる悲痛な歌はもう2019年という時代には珍しいものな気がします。「売れない芸術に価値はあるのかい?」など一言でグッと惹きつける言語感覚と、シンプルでストレートなメロディーがとても好き。年末にそんなClimb The Mindとの2マンライブがあってめちゃくちゃ行きたかった・・・。
2. Temporary Reality Numbers / ナツノムジナ
沖縄出身の4ピース。2年前にリリースされた前作が2017年の年間ベスト1位級に好きだったんですが、今作も抜群に「良いメロディー」揃い。初めて聴いたのに懐かしさを感じるから不思議。このMVもレトロ調な仕上がり。ちょっとローファイなサウンドもそう感じさせる一つの要因なのかも。フィードバックの強いギターが切なさを演出していてだんだん感傷的な気分になってしまうんだけど、結局そういう音楽が好きなんですよね。「報せ(M5)」の1分強あるアウトロは必聴。
1. Down the Valley / NOT WONK
苫小牧の3ピース、NOT WONK。いつの間にかavex所属になってて色んな意味でビビりました。(avexって幅広いのね。)今年はイベントで2回見ることができたけど、年始に見た時はまだリリース前だった「Count / Elation」を聴いてあまりの格好良さに身体中が震えたのを覚えています。その後、10月くらいにまた見る機会があって、やっとこのアルバムの楽曲が聴けると楽しみにしていたら持ち時間の約30分、「Landfall」(Penfield EPの楽曲)1曲のみの衝撃セットリストで、「このバンド怖い・・・(良い意味で)」と思いました。もう何度も何度も聴いたこの「Down the Valley」は一音目からドキッとする色気を感じるし、2:45からいつでもカタルシスへ連れて行ってくれます。無骨だけどお洒落だし、パンクだけど色気がとんでもないし、なかなかこんなバンドいないよなー。間違いなく今年の名盤です。
以上、50枚の紹介でした!!!
そして今年もここに1年間溜め込んだメモのようなプレイリストを残します。
来年も良い音楽に出会えますように!
そして、読んでいただいた方、僕の創作意欲向上のために「スキ」のボタンを押していただけると嬉しいです!それでは次は洋楽編で!
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