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学校事務の仕事と自作解題 ~金融教育義務化に4 life~

高校での金融教育義務化(2022年)から今年で3年目。
それ以前からも金融教育は中学高校で関連する教科の中で行われてきましたが、学習指導要領に明記されたのが2年前。ということで、やれたらやる。じゃなくて絶対やる。というふうになったんですね。そのこともあって今年度最初にリリースしたのがこの4Life,2U ・・・・・・直訳すると、一生、君に。というタイトルの曲ですが、内容は金融の基本である金利計算、のワンイシューについて歌っています。


そもそも金融教育ってなに?

「お金や金融の様々な働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育」

金融広報中央委員会

いきなり定義から始まりますが、金融広報中央委員会という日本銀行とか金融庁の外郭団体?みたいなところが定めているのが↑です。文部科学省の資料にもあたってみましたがはっきりこれ。というのがなかったので、現時点ではこれが公的な定義としてもよいでしょう。ていうか、金融教育ってお金について学ぶこと。という内容が明白なのでわざわざ定義にこだわる必要はないかもしれませんが。
今回義務づけられた高校の家庭科では、内容学習指導要領上にかなり具体的に書かれています。

預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット・デメリット)、資産形成の視点にも触れながら、生涯を見通した経済計画の重要性について理解できるようにする。

高校 家庭総合 学習指導要領解説

私たちが「金融」と聞いて想像するものはほぼこういうものではないでしょうか。自分が高校生の頃は、投資信託?なんか年配のお金を持ってる大人の人が証券会社で何か相談しながら買うやつ?ぐらいの認識しかなかったんですが、現代では教室で授業の一部として扱われるんですから隔世の感アリアリです。

小中学校ではやってないの?

高校の金融教育が上記のようにだいぶ具体的なので世間的にも驚きをもって受け止められたと思うんですが、一応、小・中学校の家庭科にも「お金の使い方」みたいな感じで金融教育は登場します。ただ、どちらかというと、無駄遣いはやめよう。借金には気をつけよう。という、モラル的な側面も大きいので(あくまで個人的な感想です)、具体的なスキルへの言及はまだ控えめなように思います。
冒頭の「金融広報中央委員会」は文部科学省とは別に、金融教育を推進していこう!という団体ですが、そこが設定している目標はもう少し具体的で、たとえば中学生だったら「金利計算を理解する」というものも挙げられています。それをうけて、新曲4Life,2Uを書きました。金利計算で有名な「72の法則」というのがあって、これを覚えておくと何年でお金が倍になるか。という計算式を歌詞にしました。「72÷金利(%)」の年数をかけてだいたい2倍になります。歌詞では3%にしているので24年ですね。金利は複利を前提にしています。タイトルや歌詞の端々にも2や4が登場する、伏線が綺麗に回収されて気持ちのいい楽曲になったと自負しています。

学校事務×金融教育はいかに可能か?

プロフィールにも載せているとおり、私は2級ファイナンシャルプランニング技能士という肩書きもあります。このFPの資格をとったときに「金融広報中央委員会」やそこが推進している金融教育の存在を知りました。その頃はまだ今ほどiDeCoやNISAといった制度(商品)が普及しておらず、自分にとっても遠い存在でした。が、ここ10年の広まり方をみると、子ども大人問わず金融リテラシーがますます重要になってきたと思わずにはおれません。
そこで、学校の中では比較的金融を扱うことの多い学校事務職員。年末調整では税金、保険を扱うし普段はiDeCoの事務処理もあるし。一般人より詳しいそのスキルを生かして、金融教育に携わることはできないでしょうか?別に講師として教壇に立つというだけではなく、カリキュラム作成や先生の授業の準備のお手伝いだって可能なはずです。
もっとも、前述のような普段の事務手続きを通じて、先生たちの金融リテラシーを高めていくというのも立派な貢献の一つ。「あの事務職員の人にお金のことを聞いたらなんでもわかる」という存在になればいいなと思います。

これからの音事検にご期待ください!